*再会と宣言*
「なっ、なんでここに!?」
1人がそうつぶやく。
「よっと。いやー次の相手誠凛って聞いて黒子っちと白瀬っちが入ったの思い出したんで挨拶に来たんスよ。中学の時1番仲良かったですしね!!」
と、楓と黒子を見て言う。
「…フツ―でしたけど。」
「んー、いじり相手としてはサイコーだったな。」
「2人ともヒドッ!」
と、2人の言葉に黄瀬は泣く。
―――黄瀬涼太。
中学2年からバスケを始めるも恵まれた体格とセンスで瞬く間に強豪・帝光のレギュラー入り。
他の4人と比べると経験値の浅さはあるが急成長を続けるオールラウンダー。
「「「中二から!?」」」
記事を読み、驚く。
「いやあの、大げさなんスよその記事、ホント。」
必死そうに言う。
「『キセキの世代』なんて呼ばれるのはうれしいけど、つまりその中で俺は一番下っ端ってだけスわ〜。だから黒子っちと俺はよくイビられたよ、な〜。」
そんな事を言い、黒子を見る。
「僕は別になかったです。てゆーかチョイチョイ適当な事言わないで下さい。」
((((『キセキの世代』ってテキト―だな…))))
黒子の発言にみんなもそう思う。
――――バチィッ!!
そんな黄瀬に、ボールが来た。
「った〜。ちょ…何?」
ボールの来た方向を見ると…
「再会中ワリーな。けど挨拶だけってのもなんだからよ、俺とワンオンしようぜ。」
火神が好戦的にそう言った。
「え〜。……ま、いいか。さっきイイもん見せてくれたしね。」
黄瀬は上を脱ぎコートに入る。
「…っもう!」
勝手に取り決めた火神を見てリコはため息を吐く。
「…マズイかもしれません」 「いや、かもじゃないっしょ。黄瀬やん、相当強くなってるよ。能力的にも負けっしょ。だって…」
その様子を見て、帝光出身者の2人が言う。
キュッ、ダムッ。
火神と黄瀬は対峙し、
キュッ!ダムダムッ!!
「「彼(黄瀬やん)は見たプレイを一瞬で自分のものにする。」」
「なっ!(これって、模倣とかそんなレベルじゃない!完全に自分のものにしてるなんて!)」
黄瀬のプレーと説明を見てリコは驚く。
(ざけんな!それさっき俺が…なのに…ウソだろ!?)
火神は黄瀬の能力に驚き、手を伸ばす。
「うおっ、火神もすげえ!!反応した!?」
が、
――――ドシャァッ!!
「がっ…!?(俺よりキレてて、しかもパワーも!?)」
火神ははじかれ、尻もちをつく。
「これが…『キセキの世代』…。黒子、白瀬、おまえ等の友達スゴすぎねぇ!?」
1年が2人に言う。
「…あんな人知りません。」 「「「へ?」」」
黒子の返答に戸惑う。
「正直、僕も甘い事考えていました。でも、数か月会ってないだけなのに…彼は、予想をはるかに超える速さで『キセキの世代』の才能は進化してる…!!」
黒子がそう言う。
「お〜、黄瀬やんまた上手くなったなぁ。春休みよりキレてね?」
「マジっスか!?じゃあ今度は白瀬っちがやんないッスか!?」
「え”、それはパス。練習試合のお楽しみってことで。」
そんな中、楓は悠々と黄瀬の元へと行き、仲良さそうに話していた。
「てか、これはちょっとな〜…。」
「ん?どした、なんかあったか?」
黄瀬の不満そうな顔を見て楓は尋ねた。
「いやぁ、こんな拍子抜けじゃ、やっぱあいさつだけじゃ帰れないスわ。」
黄瀬はそこまで言い皆の方を向く。そして、
「やっぱ黒子っちと白瀬っち下さい。」 「「「「…!?」」」」
黄瀬の発言に皆は息をのむ。
「海常“ウチ”においでよ。また一緒にバスケやろう。」 「「「……なっっ!?」」」
2人に言う。
「マジな話、2人の事は尊敬してるんスよ。こんなところじゃ宝の持ち腐れだって。ね、どうスか?」
黄瀬は2人に詰め寄る。
「…そんな風に行ってもらえるのは光栄です。…丁重にお断りさせて頂きます。」
「文脈おかしくねえ!?」
黒子の返答に泣きながら突っ込む。
「し、白瀬っちはどうすか?」
「え〜、そっち行ってもいいけど。」 「!!マジッスか!?」
黄瀬は楓の言葉に喜ぶ。
「でも、誠凛“コッチ”のほうが面白いから行かね。」
「白瀬っちの基準は面白さッスか!?」
拒否の理由に泣く。
「そもそもらしくねっスよ!勝つ事が全てだったじゃん、なんでもっと強いトコいかないの?」
黄瀬は気を取り直し、2人に疑問をぶつける。
「あの時から考えが変わったんです。」
「え?俺は初めから楽しさが全てだったけど。」 「白瀬っちはそうスけど…。」
「「何より、君達(おまえら)『キセキの世代』を倒すと約束したから。」」
2人は黄瀬を見据えて言う。
「……やっぱらしくねっスよ。そんな冗談を言うなんて。」
セリフを聞いて顔が引きつる。
「冗談かどうk「…ったく、俺のセリフとんなよ。2人とも。」…オイ、テメエこそだよ。」
楓が言う所で火神がかぶせる。
「…冗談が苦手なのは変わっていません。本気です。」
3人が並び、黄瀬に宣言する。
「「「『キセキの世代』は俺らが倒す。」」」
「上等っスよ。」