小説『黒子のバスケ〜創造者〜』
作者:蒼炎(小説家になろう)

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*僕は影だ。 俺は大空だ。*


―――夜
「ありがとうございましたー」
バーガーを山もり買っている火神がいた。

「(『キセキの世代』ね… そいつらならもしかして…)ん?」ふと、前を向く。
「どうも。…育ち盛りですね。」
目の前に黒子が居た。


「ぐぉっ!?ゲホッ、ゲホッ、おまっ、どっから、いや、何やってんだよ!?」火神は驚き、むせる。


「いや、僕が先に座ってたんですけど。あと、人間観察してました。」
しれっとこたえる黒子。


「(人間観察って…。こいつ、ほんとに日本一の…!?つーか、は?人間観察?)……それよりちょっとツラ貸せよ、これ食ってから。」
思い直し、獰猛そうな顔で黒子に言う。


「良いですけど、もう少しで彼が戻って……「ただいまー、トイレ混んでtってあり?火神じゃん。」おかえりなさい、白瀬君。火神君は僕に気付かなかったみたいでここに座ったみたいなんです。」黒子は淡々と言う。


「プッ、アハハ!気付かないってそれはしゃーないって!テッちゃんは影が薄いんだし!ハ、ヤベ、とまんねぇ。」
ツボにはまったらしく可笑しそうに火神を見る。


「ちょうど良い。オイ、白瀬。オマエもこれ食ったらツラ貸せよ。」
黒子に言った事を楓にも言う。


「うん?いーよ。なんか面白そうだし。じゃ、俺らシェイク飲んで待ってるわ。」
ニコニコと笑いながら楓は話す。











その頃、リコは1人悩んでいた。
(あれは何どーゆーこと?彼等は何者なの?……黒子君は能力値が低すぎる…!全ての能力値が平均以下。しかももうすでに限界値だなんて…。とても帝光のような強豪でレギュラーを取れる資質じゃない…。)


そしてもう1人の帝光出身者の事も考える。


(そして、白瀬君は正反対と言っていい…。全ての能力値が平均をはるかに超えてる。火神君の比じゃなかった…。しかも火神君同様伸びしろが見えなかった…。視た事ないけど、あれはたぶん『キセキの世代』と同等かそれ以上と言っていいはず。なのに、彼が二軍って…。彼等は一体…―――!?)














火神達3人は公園に来ていた。
「オマエら……いったい何を隠してる?」
唐突と2人に問いかける火神。


「?」 「オイオイ、いきなりだなー火神。一体なんだよ?」
2人は不思議そうに火神を見る。


「………俺は、中2までアメリカにいた。コッチ戻ってきてがくぜんとしたよ。レベル低すぎて。俺が求めてんのはお遊びのバスケじゃねー。もっと全力で血が沸騰するような勝負がしてーんだ。」
そこでいったん区切り、2人を見る。


「さっきいい事聞いたぜ。『キセキの世代』とかいう強ぇ奴がいるらしーな。オマエらはそのチームにいたんだろ?」
ニヤリと笑う。


「……。(コク)」「おう、そーだよ。」


「俺もある程度は相手の強さが分かる。ヤル奴ってのは独特の匂いがするんだよ。……が、オマエはおかしい。なんも匂わねー。強さが無臭なんだ。それに白瀬。オマエはオマエでおかしい。匂いがしたりしなかったりしやがる。」
そこで彼は、その日で最も獰猛な顔で言う。


「確かめさせてくれよ。オマエらが…『キセキの世代』ってのがどんだけのもんか。」



「……奇遇ですね。僕も君とやりたいと思ってたんです。1対1」
黒子は上着を脱ぎつつ言う。


「俺もやりたいけど…テッちゃんがやっていーよ。しっかり確かめな。」
腕を頭の後ろに組んで楓はそう言う。


「はい、わかってますよ。じゃあ、やりましょうか火神君。」 「ハッ、上等だ。」





―――――ガシャンッ。
「って、はぁ!?(しっ、しっ、死ぬほど弱ぇー!!)」
火神は黒子のシュートをブロックしつつ思う。

(体格に恵まれなくても得意技極めて一流になった選手は何人もいる。…けどコイツはドリブルもシュートも素人に毛が生えたようなもん…。取り柄もへったくれもねぇ、話になんねぇー!!!)


「ふざけんなよテメェ!!話聞いてたか!?どう過大評価したら俺に勝てると思ったんだオイ!!すげぇイイカンジに挑んできやがって!!」
火神は黒子に食って掛かる。


「まさか。火神君の方が強いに決まってるじゃないですか。やる前からわかってます。」
と、黒子は火神の方を向き、言う。


「ケンカ売ってんのかオイ…!どういうつもりだ…」
火神はつかみかかりそうな勢いで尋ねる。


「火神君の強さを直に見たかったからです。あとダンクも。」 「はぁ!?」


「(ったく…どーかしたぜ俺も… ただ匂いもしねーほど弱いだけかよ… アホらし……)」 
火神は頭を押さえ、ため息を吐く。


「あの…」黒子がボールを持って近づいてくる。


「あー、もういいよ。弱ぇ奴に興味はねーよ。  ……最後に一つ忠告してやる。」
火神は黒子を見下ろし、言い切る。


「努力だのなんだのとどんなに綺麗事言っても、世の中に才能ってのは厳然としてある。オマエにバスケの才能はねぇ。」
火神はそう言い、楓へと振り向く。


「オイ、白瀬。次はオマ「バスケ、やめるのは嫌です。」 …っ!?」
そう言う黒子を驚いたように見る火神。黒子はなおも言う。


「まず僕バスケ好きなんで。それと見解の相違です。僕は誰が強いかなんてどうでもいいです。」  「なっ!?」
黒子は火神の目をまっすぐと見据える。



「僕は君や白瀬君とは違う。   僕は、影だ。   」
そう言い、楓の元へと歩いていく。


「話は終わったみたいだね…。行こうか。」 「はい。」
2人は帰る支度をし、歩き始める。


「なっ、オイ待てよ!白瀬、テメェまだやってねぇぞ!!」
火神は楓の肩をつかみ、止める。


楓はその手を払いのけ、言う。
「必要ねーよ、そんなの。火神の実力は大体分かったし。それに、俺はテッちゃん風に言えば大空だ。……じゃ、俺の力知りたいんなら今度なー。」
そう言い、公園を出ていく。



「……チッ。(結局、わからねぇままだった……)」
火神は不機嫌そうに自分の荷物を取り、帰る。

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