小説『Angel DAWN!』
作者:MSF()

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とある荒廃した世界にて……




209X年12月25日、国連に向けてロシアより宣戦布告が伝えられ国連加盟国にむけて核が発射された。加盟国はいくつかの核を着弾前に打ち落としたが突然の攻撃によりほとんどが当り、市民を一瞬にして蒸発させた。それこそ嘆き悲しむ間もなく……

人はこれを地獄のクリスマスと呼んだ。

和平は地獄のクリスマスの日日本の自分が通う小学校の郊外学習で日本政府の緊急避難シェルターを訪れていた。
そしてロシアからの核攻撃により国連加盟国だった日本にも13発の核が飛来、日本人はシェルターにいた90人程を残して蒸発して死んだ。

和平はたった数分で家族を失った。

和平は7歳だった、しかし7歳に一瞬にして家族を失うと言う現実は大きな傷をつけた。

……恨んだ、憎んだ、怒り狂った、泣いた、そして7歳は決意した、必ず家族を殺した奴に復讐をすると。


210X年
12月25日クリスマス
20:16:35

アメリカ軍統合特殊作戦群デルタフォース『国連最後の抵抗軍』
一之瀬和平(いちのせかずひら)大尉

元アメリカ領土ニューヨーク




……地獄のクリスマスから11年たった。

あのクリスマスのあと和平は同盟国のアメリカに保護された。和平は18歳になった。そして復讐のために米軍に入隊、ロシア軍を殺すためにひたすら訓練し功績を認められデルタフォースに入隊した。

今はロシア軍に占領されたニューヨークに奪還作戦の為UH-60ブラックホークに和平の部隊『メタル0-1』5人は乗っていた。



『ガガ、ピ こちらオーバーロードメタル0-1聞こえるか?』


「こちら一之瀬、感度良好よく聞こえるぞオーバーロード。」


『間もなく君達は目標地点に到着する。再度任務内容を確認する。目標地点に到着後速やかにニューヨークロシア軍を指揮しているカマロフ中将がニューヨーク港にいる戦艦に奇襲、中将を殺害せよ。なおニューヨークはロシア軍によるジャミングによりこちらの誘導システムと無線は使えない状態だ。発信源の電波塔は證券取引場の屋上だ、支援を要請するには破壊しろ。』

「了解だ、ジャマーを破壊したら連絡する。アウト」

移動中のブラックホークにはメタル部隊の5人が乗っている。
「戦争とは真実を曲げるものだ。真実など見方の違いでしかないのに。全ての兵士は人命を守るために戦う、そこに善悪の区別はない。戦争とは大規模な自然淘汰の真似事ではない。俺が知る真実はひとつ、世界は巨大なマッチ箱だ。誰かがすれば直ぐに燃え広がる。あのクリスマスを起こしたクソやろうの様にな。俺達はこれからあのクソやろう、マカロフを殺りに行く!まずはジャマーの破壊、そしてニューヨーク港にあるロシア軍オスカー2型潜水艦を制圧して潜水艦からマカロフの乗っている戦艦をミサイル攻撃。国連はこれ以上闘える戦力はない。今日に奴を殺し死んでいった家族、友人、仲間の為にもなんとしても任務を完遂するぞ!!」

『sir yes sir!』

「よし!!證券取引場に着いたぞ!!フックで降下するぞ!!続け!GO!GO!GO!」

俺を始めにメタル部隊の全員がヘリボーンを開始する。


次々に敵を殺して建物を制圧していく。
「……おかしい、敵が少ない。」
「一之瀬大尉、どうします?やはり引き返しますか?」

ここで引けば奴を殺るのは難しいだろう。もう国連は戦力が余りない。
「……いやもう引き返せない、ジャマーを破壊するぞ。前進!!」


そして屋上に着いたが……待っていたのはジャマーではなくマカロフの声がする無線だった。


『ようこそアメリカの諸君。貴様らは我等兄弟が血を流している間に堕落した話し合いを進めていた。この戦争は神の罰なのだ。そこには爆弾を仕掛けた、さらばだアメリカの犬たちよ神の裁きをうけよ。』

「……総員退避!!逃げろ!!『DOGAAAAAAAAAAN!』グハッ!?」

建物に仕掛けられていた爆弾が爆発してメタル部隊は消し飛ばされた。
皆が吹き飛ばされるのをみながらそこでおれの意識は切れた。



















「……ぅ、ん?ここはどこだ?いつのまに夜に?」


どうなってる?俺は奴の爆弾で粉々になったはず。なんで生きている?


「……しかも装備がない?服も違う?これは学生服か……?てことはここは学校か?」


状況を確認していると近くで銃声が響いた。反射的に身を隠す。


「……こちらを狙った訳では無さそうだ、色々聴きたいこともあるし行ってみるか…」


俺は影に隠れながら目的地に進んだ。




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