小説『緋弾のアリア 最強の言霊使い』
作者:みんちゃん(アットノベルス)

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朝携帯の通知音で目が覚めた。

相手は、あのちびっ子だった。


「燐、今どこ?」

 
何か急いでいるみたいだ。


「事件だろ?」


面倒くさいが仕方ない。

約束だからな


「詳しい事はこっちで話すから、C装備で女子 寮の屋上に来なさい。マッハで!」


「わかった。すぐに行こう」


あっ、C装備今からじゃ遅れるよな。

少し急ぐか。

外は雨がけっこう降っている。こんな日に事件をおこすのは感心しない。というか事件をおこすのは感心しない。

服は防弾制服でいいか。



急いで登るのだから階段よりも壁を走ったほうが速い。

だから壁を遠慮なく走らせていただく。


「Wind Open(風よ)」


と呟いてから走った。

種を明かすなら気圧を変化させてその上昇気流に乗っているだけなのだ。

だが、ほとんどの人はそれに気づくことはないだろう。



そして

「よっと」


と声をあげて屋上に登った。

すると案の定アリアが噛みついてきたが、無視して、事件内容は?とレキに聞いた。

するとレキは要約して事件内容を教えてくれた。


「ちょっと!燐C装備って言ったじゃない!!」


やっとそこに気づいたみたいだった。


「ようは、当たらなきゃ良いんじゃねえか(笑)」


と言いアリアに作戦内容とポジションを聞いた。


?

「四人パーティーで追跡するわよ。火力不足は あたしが補う」

「追跡って、何をだ。何が起きた。状況説明 (プリーフィング)ぐらいちゃんとしろ」


アリアに聞いた俺がバカだった。


「バスジャックよ」

「――――バス?」

「武偵高の通学バスよ。あんたのマンションの 前にも7時58分に停留したハズのやつ」

バスねぇ……。今日寝過ごしたのはある意味 ラッキーだったわけか。

「――――犯人は車内にいるのか」

「分からないけど、多分いないでしょうね。バ スには爆弾が仕掛けられてるわ」

爆弾ってゆーとチャリの……


「それって武偵殺しの……」


「十中八九そうでしょうね」


俺は納得したがキンジはそうはいかない。


「でも『武偵殺し』は逮捕されたハズだぞ」

「それは真犯人じゃないわ」
 

「今はそんなことどうでもいい。とりあえず車内全員の救出及び爆弾のや排除だ。」


「俺とキンジが救出、アリアは爆弾の排除を頼む。レキには後方支援を頼む。多分何かが攻撃して来ると思われる。その時は沈ませてかまわない。」


「以上だ」


そう言うと全員が準備を始めた。



「ねえ、2人とも?これが最初で最後の事件になるのね」


とアリアが言うと


「ああ、オレはとことんついてないようだ」

といい、準備に戻った。

しばらくしてヘリが来てそれに乗り込み最後の確認に入る。

通信科(コネクト)からの情報によると、武偵高 のバスはどこの停留所にも停まらずに、爆走し ているらしい。

『警視庁と東京武偵局は動いてないのか』

ヘリの轟音で直接会話ができないため、キンジ がインカムを通じてアリアに問いかける。

『動いてる。でも相手は走るバスよ。それなり の準備が必要だわ』

『じゃあ俺たちが1番乗りか』

『当然よ。奴の電波をつかんで、通報よりも先 に準備を始めたんだもの』


しばらくして


『見えました』

レキの声に思考を止め、オレ達は窓の外を見 る。

窓から外を覗くと辛うじてバスが確認できた。

『何も見えないぞ』

『ホテル日航の前を右折しているバスです。窓 に武貞高の生徒が見えています』

『よ、よく分かるわね。あんた視力いくつよ』

『左右ともに6.0です』

6.0って……どんだけだよ。流石に中の様子 までは分からないぞ。

ヘリがレキの言った辺りに下降していくと、 徐々にハッキリ見えてくる。武偵のバスはかな りの速度で走っていた。道交法とか完全に無視 したレベルだ。


『2人は車内に入り状況確認、レキは援護、じゃあいくわよ。』


そして最初で最後の任務が始まった

-5-
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