−side???−
「・・・ここは何処だ?」
俺は気がつくと白い空間にいた。
周りを見ると俺の他にも人が大勢いるのが分かったので、この場所の事を聞こうと思ったが、全員困惑した表情をしているので、俺と同じ状況なのだろう。
だとするとどうするか? ・・・何かが起こるのを待つしかないか。
しばらくすると他の連中が喚き始めてうるさくなってきた。
黙らせるか、本気でそんな事を考え始めた頃、白い空間に光が満ちた。
そして光が弱まり目を開けると白い翼の生えた男が空中に浮いていた、まるで天使だな。
「私は神と呼ばれている者です。突然ですが、あなた達にはとある世界に転生していただきます。あ、特典も三つほどあげますよ」
神だったか、まあどっちでもいいが。
しかし転生だと? どういうことだ?
「何意味のわからないこと言ってんだよ、さっさと元いた場所に返せよ」
「それは無理です、だってあなた達は全員死んでいるんですから」
一人の男が神に元にいた場所に帰えせというが神はもう死んでいるから無理だという。
後このやり取りを聞いているのは俺の他に数人しかいない、他の奴らは転生と特典という言葉を聞いた時から自分の世界に入っている。
ニヤニヤと気持ち悪いな。
「ど、どういうことだよ? それ?」
「どうもこうも言葉通りですよ。あなた達は死んでいるんですよ、まっ、死んだのは私達のミスなんですけど」
「ミ、ミスって、人の命を何だと!」
「ふざけるな! そんなことで殺されてたまるか!」
「うるさいですね、だから転生させてあげると言っているじゃないですか、おまけに特典まであげると言っているんです何の不満があるんですか。ちなみに拒否権などありませんので、さあ、他に何か聞きたいことがある人はいますか?」
あっさり俺達が死んだのはミスだと言う神に二人ほど食ってかかるが神は面倒くさそうな顔をしながらそう答えた。
なるほど、俺達が死んだのはこいつらのミスか、だが転生させてくれるのなら悪い話ではないか? いや、どんな世界に転生するのかを聞かないとまだ分からないな。
「あの、転生する世界はどんな世界なんですか?」
「あなた達が転生する世界は『魔法少女リリカルなのは』という創作物の世界ですよ」
俺が聞こうとした事を他の奴が聞いてくれた、ほとんどが奴がそれを聞いて喜んでいる所を見ると有名なんだろうが、生憎俺はそんなもの知らなかった。
・・・こいつら、いつ自分の世界から帰ってきたんだ? まあどうでもいいか。
魔法とついているのならば魔法が存在する世界だろう、楽しめそうだな。
「他には無いようですね、では欲しい特典が決まった人から私の所に来てください特典を与えて後、転生してもらいますから」
神がそういうと、神のもとに人が殺到した。
あの中に入っていくのは疲れそうだ、数が減るまで待つとするか。
「・・・長いな」
あれからかなり時間が経ったと思うんだが数が減った気がしない。
まあ、ここに居た人数が、人数だからな、確実に千人はいたはずだ。
・・・仕方ない寝るか、残りが俺だけになれば神が起こしてくれるだろう、・・・多分。
「ちょっと、起きてください」
どうやらようやく俺の番のようだ。
しかしよく寝たな、身体が固まっていて動くと節々がいい音を鳴らした。
「他の奴らは終わったのか?」
「ええ、終わりましたよ。意外と時間がかかりました、色々と無茶苦茶な事をいってきた者が何人かいましたので、全く人間とは強欲ですね」
「クク、そういうお前は傲慢だな?」
「おや、言いますね。まあ、後はあなただけですよ、早く欲しい特典を言ってください」
さて、どこまでが大丈夫なのだろうか? とりあえず、言ってみるか。
「一つ目は灼眼のシャナの全ての紅世の徒とフレイムヘイズの自在法、能力を努力しだいで習得可能にしてくれ。最初は基礎的な事ができればいい」
「努力しだい? 最初から全て使えるようにできますよ?」
「それではだめだ、力を手に入れるにはやっぱり相応の努力は必要だろ? 後、存在の力ではなく魔力で使えるようにしてくれ。転生する世界は魔法がある世界みたいだからな」
「フフ、やはりあなたは面白い、では希望通りにしましょう。ですが、普通の魔法より魔力をかなり消費しますから気をつけてください」
「わかった。二つ目は鍛えれば鍛えるほど身体能力と魔力が成長するようにしてくれ。最後は魔力で色々な道具を作れるようにしてくれ」
「わかりました、・・・これであなたも終わりましたね」
「しかし、かなり欲張ったつもりなんだがすべて了承されるとはな」
「フフ、神の力を甘く見ないでほしいですね。全くあなたみたいにまともな特典を言ってきたのは少数なんですよね。大半の者はイケメンにしてくれとか、ナデポやニコポがほしいとか、女性が全員俺に惚れるようにしてくれとか、同じ様なことばかりでつまらない・・・欲望が駄々漏れでしたね、まあ流石に最後のは拒否してましたけどね」
そう神はうんざりした様にいった、お疲れ様。
ナデポやニコポとやらはわからんが、あいつらが俺以上に欲望に忠実なのはわかった。
「それでは転生してもらいます」
神のそんな言葉を最後に俺の意識は失われた。
−side神−
あっ、どうしましょう? 彼の転生後の性別を聞くのを忘れてました。
・・・女性にしておきますか面白そうですし。
彼の驚く顔が目に浮かびますね、さあ帰って寝ましょう。
「お前にはまだ仕事が残っているぞ」
この声はまさか、恐る恐る振り返ると白い衣を纏った老人が立っていた。
「ち、父上! どうしてここに? それに仕事とは?」
「ここに来たのはお前の様子を見るため、そして仕事はこのミスの報告書に決まっておるじゃろうがぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「すみませんでした!!」
どうやら私が寝れるのはまだ先みたいです。
・・・トホホ。