小説『マタタビ君と猫さん』
作者:荒磯()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

 人は何故、死んでしまうのだろう。

 
 鉄の扉がゆっくりと開く、そこには人の形の白い砂が。小さく積もっていた。


 
 去年86才になった祖父は、最後は灰の塊になった。
 長い箸のようなもので集められる祖父は、何も言わなかった。
 長椅子に座る僕のひざの上で、猫さんは短く鳴いた。













-2-
Copyright ©荒磯 All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える