小説『鏡の中の僕に、花束を・・・』
作者:mz(mz箱)

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「こんなのがあるんですか?」
驚いた。庭に一度出ると、そこにプレハブ小屋があった。その中が本来の仕事場らしい。応接間の臭いは、服についた臭いが移ったのだろう。
「入ってくれ。」
鍵を回し、扉を開けた。すると、こもっていた臭いが一気に広がった。庭が凄まじく臭った。花は枯れるのではないかと思えるほどだ。
「あ、はい。」
そうは言ったものの、さっきの臭いとは比べものにならない。少し落ち着くのを待った。
「どうした?」
「あ、いえ。今、行きます。」
中は意外なほど大きかった。庭から見た限りではわからなかったが、奥行きがかなりあった。そこにいくつかの作業台があった。
「他にも誰かいるんですか?」
「あ、これか?たまにヘルプ頼むんだよ。その時用さ。基本、ここにいるのは俺だけだ。」
太田は作業台に手をつき説明してくれた。
「そうですか。」
「それよりこれを見てくれ。」
作業台の奥に、ショーケースのようなものがあり、そこにいくつかの模型が飾られていた。
「これが俺が作っているやつさ。」
アニメで見たロボットの類いや戦車などの模型が並んでいる。どれも精密で一見してすごいものだとわかった。
「さすがですね。」
思わず口から出た。それくらいに唸る出来映えだ。

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