小説『鏡の中の僕に、花束を・・・』
作者:mz(mz箱)

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規則正しい生活は久しぶりだ。
コンビニのバイトはシフトだったから、朝だったり、昼だったり、夜だったりとリズムは変わっていった。だから、規則正しいとは程遠い、乱れきった生活をしていた。
学生の時は学生の時で、それほど真面目に学校に行った訳ではない。バイトの時よりひどい生活だったくらいだ。夜中までゲームをして、気がついたら朝だったなんて事はざらだ。当然、そこから学校など行くはずもない。
それが今はどうだ。もう、ひと月も働いている。

「いってきます。」
日に日に、自分が快活になっていくのがわかった。なぜだろう。
「いってらっしゃい。」
母親は笑顔で送ってくれた。バイトの時とは違う。なぜだろう。
あの事件を境に、僕の考えは変わった。死ぬと言う現実の恐ろしさ。それを体の真から味わったからだ。
それに今は毎日が楽しい。以前にあったような失敗続きの人生ではない。僕がやる事で喜んでもらえる。それが楽しいのだ。
そして、もう一つあった。

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