小説『ハイスクールD×D〜転生せし守り手〜』
作者:ブリッジ()

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Life.34〜戦争狂との死戦、愛する者達の魂〜














NOside

駒王学園の校庭で対峙する昴とコカビエル。

昴は既にセイクリッド・ギアを発現させ、現時点での最高である、3乗分の倍化をしている。コカビエルは数メートル離れた位置で悠然と構えている。

「・・・」

昴が自身の得物である村雨に手をかける。グッと腰を落とし、身体を前傾姿勢に構え・・・。

ドォン!!!

一気にコカビエルへと突っ込んだ。

ギィィィン!!!

コカビエルの眼前で鞘から村雨を抜刀し、振り抜く。コカビエルは光の剣を生み出し、それを受け止める。

「むん!」

ガギン!!!

コカビエルは力一杯光の剣を振り抜き、昴を弾き飛ばす。昴は空中で1回転しながら地に着地し、再度飛びかかった。

「させぬわ!」

ブォン!!!

コカビエルは近寄らせまいと光の剣を横薙ぎにして昴を振り払う。だが、その一撃は空を切る。

「ふっ!」

横薙ぎをジャンプで避け、空中から村雨を振り下ろす。

ドォォン!!!

コカビエルは横っ飛びでその一撃をかわす。村雨が振り下されたその場所は大きく爆ぜる。

昴は横に飛んだコカビエルに追撃をかけるため、瞬時に逃走経路に先回りをする。

ガキン!!!

再び両者の得物が激突する。

ガキン! ギィン! ギィン! ガキン!

両者が斬り合いを演じる。昴は縮地による高速歩法で縦横無尽に周囲を駆け回り、斬撃を加えていく。コカビエルもそれに冷静に対応する。

ブォン!!!

昴がコカビエルの斬撃をかいくぐり、後方から首を刈り取ろう斬撃を浴びせる。

「っ!?」

コカビエルは後ろを見ないまま左手に生み出した光の槍を逆手に構え、昴を狙う。

「ちっ!」

昴は斬撃を止め、のけ反って槍をかわし、足首を捻って身体を反転させ、一旦後方に距離を取った。

ブン!!!

コカビエルは手首にスナップを利かせ、後方に逃げた昴に光の槍を投げつけた。

パキィィィン!!!

昴は動じることなくその槍に村雨を振り下し、槍を打ち砕いた。

「ほう・・・。なかなかやるな」

コカビエルがニヤリと笑みを浮かべる。

「まだまだ、序の口だ」

昴は特に表情を変えることなく、村雨を構える。

ドォン!!!

再度、昴がコカビエルに飛びかかる。

ドン! ドン! ドン! ドン!・・・!

昴がさらにスピードを上げてコカビエルの周囲を飛び回った。

「なるほど、スピードだけなら大したものだ。・・・だが」

ドム!!!

「!?」

コカビエルが昴の左足を踏みつけ、昴の動きを止めた。

「ひとたびその動きを止められればどうかな?」

「ちっ!」

昴は右側から村雨を振るう。

ガキン!!!

コカビエルは左手に光の剣を生み出し、それを止めた。それと同時に右手の光の剣を昴に振るう。

昴は足を踏まれているため、身動きができない。

ゴツ!!!

左手を村雨をから放し、腰の鞘を引き抜いて鞘口でコカビエルの右腕を打ち抜き、その斬撃を止めた。

「むっ!」

コカビエルもこれには驚きを隠せず、思わず唸り声を上げる。

「ふっ!」

昴は空いている右脚を振り上げ、蹴りをコカビエルに浴びせる。

ブォン!!!

コカビエルは咄嗟に後方に飛び去り、その蹴りをかわした。

ドォン!!!

昴はすかさず追撃をかけ、距離を詰める。

「ちぃ!」

コカビエルは黒い翼を広げ、空中へと逃げた。

ドドドドドドン!!!

昴は空に飛んだコカビエルに村雨の切っ先を向け、氣弾をマシンガンのように連射した。

バチバチバチ!!!

コカビエルは障壁を展開し、氣弾を防いだ。

「くくく、はははははっ!」

コカビエルは高笑いをあげながら地に降りた。

「さすがは赤龍帝だ。・・・だが、まだまだだな。俺はまだ本気ではないぞ」

「・・・そうかい。それで本気だったら拍子抜けもいいところだ」

ピッ・・・。

コカビエルの肩口に一筋の線が走り、僅かに血が跳ねた。

「!?・・・ほう」

コカビエルは感心したような声をあげる。

「よもや、先ほどの蹴りが僅かに掠っていたか」

コカビエルは特に気にする素振りも見せず、余裕だと言わんばかりの表情を浮かべる。
















・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・


「赤龍帝・・・奴は何者なんだ?」

「えっ?」

ゼノヴィアが思わずポツリと漏らす。

「見たところ、力はコカビエル、スピードは赤龍帝の方が僅かに上だ。ならば、勝敗を分けるのは技量。だが、コカビエルは古の戦争を戦い抜いた堕天使だぞ? そんな奴と互角に戦いを進めている」

「・・・彼の本当にすごいところは、ブーステッド・ギアではなく、圧倒的な洞察力による先読みなんだよ。僕も何度か手合せしたけど、いつも先の先を取られて負けてしまうんだ」

木場裕斗がゼノヴィアの言葉に自身の経験を交えて話す。

「洞察力か・・・。だが、あれは、才能や勘で片付けられる類のものではないぞ? あれは、どう見ても、長年の戦闘経験によって成せる業だ」

「僕もそれはいつも不思議に思うんだ。彼は最近悪魔に転生したばかりだから経験は浅いはずなんだけど、彼の言葉や戦い振りはどう見ても、何十年も積み重ねたものだ」

「私も同感だ・・・なるほど、イリナがああもあっさり負けた理由が今分かったよ」

ゼノヴィアは苦笑を浮かべながら2人の戦いに目を移した。














・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・


昴とコカビエルは一定の距離を保って対峙している。

「・・・」

「・・・」

互いが睨み合い、出方を窺っている。沈黙を保ったまま幾ばくか睨みあっていると、コカビエルが苦笑を浮かべながら口を開いた。

「しかし、お前達神の信者と悪魔は、仕えるべき主をなくしてまでよく戦う」

コカビエルが謎の言動を口にした。

「どういうこと?」

その言葉にリアスが反応する。

「フハハ! お前達下々の者には真相が知らされていないのだったな! ならば教えてやるよ。先の戦争で四大魔王だけじゃなく、神も死んだのさ」

「「「「!?」」」」

そのコカビエルの言葉に昴を除く、その場の全ての者が驚愕した。

「知らなくても当然だ。神が死んだなどと知れ渡れば人間は心の均衡も定めた法も機能しなくなる。故に漏えいさせないためにも悪魔にさえもそれを教えなかった。この真相を知っているのは三大勢力のトップと一部の者だけだ。先ほどのバルパーと・・・赤龍帝、貴様は気付いたようだがな」

「・・・」

昴は特に表情を変えることなくコカビエルを睨みつけている。

「戦後、三大勢力は何処も疲弊状態だった。いずれの勢力も人間に頼らねば存続できない程にな。悪魔も同様だろう?」

コカビエルは次々と衝撃の事実を言葉にしていく。ゼノヴィアは力なくうなだれ、アーシアはその場に崩れ落ちた。それ以外の者もショックを隠せない。

皆が沈黙するなか、昴が口を開いた。

「・・・それがどうかしたか?」

「なに?」

「神は死んだ。それは事実なのだろう。だが、それが今なんの関係がある。事実がどうあれ、お前は戦争を望み、俺はお前を討つ。それだけだ」

「ほう?」

「あいにくと、俺は信仰というものはない。信じるものはいつだって自身の力と仲間だったからな。まあ、アーシアと、そこのゼノヴィアにとっては受け入れがたい事実だろうがな。・・・御託はいい。早く続きを始めようぜ」

昴はコカビエルに村雨の切っ先を向けた。

「くくくっ、フハハハハハ! やはり貴様は面白いな! その力、意志の強さ、並みの悪魔など遥かに超越している。・・・故に惜しいな。赤龍帝よ。一度だけ聞く。戦争を受け入れる気はないか?」

「断る」

昴はコカビエルの提案をバッサリと切り捨てる。

「三大勢力が再び戦争になり、そこで俺を殺すことができたなら、貴様は英雄だぞ? おそらくは、悪魔の歴史に一生名を残すだろう。そうなれば、地位も名誉も財産も女も思いのままだぞ?」

「興味ないな」

即答する昴にコカビエルはつまらなそうな表情を浮かべる。

「ふん、悪魔だというのに欲のないことだ。なら、言葉を変えてやろう。もし、今の現状が長く続けば、貴様は死ぬことになる。同じ悪魔に殺されてな」

「・・・何が言いたい」

「分からないか? 貴様は悪魔にとって貴重だ。何せ、その身にブーステッド・ギアを有しているのだからな。過去、赤龍帝が悪魔の側についたことはない。故に優遇されるだろう。だが、貴様がブーステッド・ギアの能力を使いこなせるようになり、その力が最上級悪魔はおろか、魔王でさえ凌駕するほどになれば、話は変わってくる」

「・・・」

「力ある者は自ずとその存在を無視できない。万が一、反乱でも起こされたら・・・そうでなくても、反対勢力にその力を利用されればたちまち内部分裂を起こす。飴で飼いならすこともできるが、それにも限度がある。そんなことをするより、いっそ、手に負えなくなる前に排除してしまえばいい。サーゼクスがそう考えてもおかしくはないだろうな」

そのコカビエルの言葉にリアスの表情が険しくなる。

「ふざけないで! お兄様はそんな器量のない方ではないわ!」

「よくもそんな言葉が吐けるものだ。サーゼクスはその魔王の地位を四大魔王の末裔から力ずくで奪い取ったではないか。力ずくで奪い取ったものは力ずくで守る。心理だろう?」

「・・・っ! そんなこと・・・」

「あり得ん話ではない。これはいずれ貴様に降りかかる事実だ。戦争が起こり、そこで武勲をあげ、地位を得れば貴様を殺すことはできない。英雄を手にかければそれこそ自分の首を絞めることになるからな。どうだ? これでもまだ今の見せかけの平和にすがりたいか? もしかすれば、貴様をその手にかけるのは、そこにいる貴様の主になるかもしれないぞ? 赤龍帝よ、共に闘争の世界を愉しもうではないか」

コカビエルが昴にその手を差し出した。

「・・・話はそれだけか? 終わったならさっさと続きを始めようぜ」

昴は村雨を肩にかけ、めんどくさそうに言い放つ。

「・・・俺の話が荒唐無稽な話だとでも思ったか?」

コカビエルは訝しげな目をしながら昴に言う。

「どっちでもいいってことだ。俺の存在が悪魔の均衡を崩すって言うなら。喜んでこの命を差し出してやるさ」

昴はコカビエルの目を見据える。

「平和・・・。俺にとってはこれが1番価値のある宝物だ。地位も名誉も財宝も、それに比べればその辺の石ころにも劣る」

昴のその言葉に、コカビエルはつまらなそうな表情を浮かべた。

「ふん。やはり貴様は転生悪魔だな。つまらん情にほだされて己の可能性も、その命すらもドブに捨てる。実にくだらない」

「戦争でしか自分を表現できない奴に言われたくねぇよ。お前という存在は危険だ。ここで葬ってやるよ。コカビエルッ!!!」

ドォン!!!

昴は村雨を鞘に納めて一気にコカビエルに飛びかかった。

「つまらん世界の枠組みでしか生きられん者が喚くな。赤龍帝よ!」

コカビエルが光の剣を構えた。

ブォン!!!

昴が右腕を振るう。コカビエルが抜刀による斬撃に備えるが・・・。

「!?」

昴の右手には村雨の姿がなかった。左手で村雨を逆手に持ち、振り上げる。

ズシュッ・・・。

コカビエルの胸に10センチほどの傷と血が走る。

「ちぃっ!」

コカビエルがたまらず距離を取る。昴は逃走経路に先回りをし、背後から斬り付けようとする。

バサッ!!!

コカビエルは空に舞い、その一撃をやり過ごす。

「斬月」

ブォン!!!

昴は村雨を鞘に一度戻し、氣を送り込み、抜刀と同時に斬撃を飛ばした。

「くっ!」

コカビエルは身体を半身にし、紙一重で飛ばした斬撃をかわした。コカビエルは地面に着地しながら光の槍を飛ばし、地面に足を着けるのと同時にもう1本飛ばした。

昴は1本目の槍を前に出てかわし、もう1本は上体を下げ、肩越しにかわし、そのまま正面から突っ込む。昴がコカビエルの射程に入った瞬間・・・。

フッ・・・。

昴の姿が消え失せる。昴は縮地で背後に回り込み、村雨を振るう。

「甘いわ!」

バッ・・・。

コカビエルはその黒い翼を鋭い刃物に変え、昴に斬り付ける。

「くっ!」

ギン! キン! ギン!・・・!

昴は、その刃物に化した翼を何本かは避け、何本かを村雨で防いだ。何本かが頬や身体を掠めた。昴は一度距離を取った。

「背後はあの翼が守っているわけか・・・」

昴は舌打ち交じり言葉を漏らす。昴は複数の翼による斬撃より、光の剣との方が与しやすいと見て今度は正面から斬り込んだ。

ギィン!!!

両者の得物がぶつかる。

ガキン! ギン! ギィン! ガキン!

再び斬り合いが始まる。

バサッ!

昴が身に着けている制服のブレザーをコカビエルに投げつけ、視界を塞ぎ、死角から斬撃を振るう。

ブォン!!!

ブレザーは斬り裂かれると、そこにはコカビエルはいなかった。コカビエルはブレザーが投げられたのと同時に空へ逃げていた。

「ちっ」

昴は舌打ちをする。

昴は上空を見据え、構えを取る。

「(おかしい・・・)」

コカビエルは1つの疑問が浮かんだ。さっきから、前後左右に逃げた時はすかさず追撃をかけてくるのに、上空に飛んだ時は氣弾や斬撃を飛ばすだけ。追撃をかける方が遥かに効果的だというのに。

「!?・・・くくく」

コカビエルが何かを理解し、笑みを浮かべる。そして、周囲に複数もの光の槍を発現させ、その全てを昴に向けて放った。

ズガガガガガッ!!!

昴はその槍を避けながら駆け回った。

「どうした? 早く空へと飛ばないと身を滅ぼすぞ?」

コカビエルはニヤリとしながら光の槍を放っていく。昴はその槍をかわしてはいるが、着弾の余波でどんど削られていく。コカビエルはある仮説を立てた。昴のその驚異的なスピードは、足に力を集め、何かを蹴ることで行っているのではと。空ならばあのスピードは出せないと。その仮説は当たっていた。

「くそ!」

昴は耐えきれず、空へと跳躍し、コカビエルに飛びかかった。

ギィン!!!

コカビエルはその斬撃を受け止める。そして、縦横無尽に空を舞いながら昴に襲いかかる。

「どうしたどうした! 先ほどのように駆け回ったらどうだ!」

「くっ!」

コカビエルが光の剣で次々と斬り付けていく。昴はそれを何とか防いでいる。

コカビエルの仮説は当たっている。昴のそのスピードは縮地による特殊歩法で。それは足に氣を集め、何かを蹴ることでそのスピードが出せる。昴も悪魔なため、空を飛ぶことはできるが、何も蹴る物がない上空では縮地は行えない。そのスピードは圧倒的に落ちてしまう。

昴はコカビエルの斬撃を上体でかわしたり村雨で防いでいるが、防ぐので手一杯だ。

ドカッ!!!

「がっ!」

コカビエルの蹴りが昴の腹部に突き刺さった。昴は地面に落下した。

「そらそら! 寝ていては串刺しだぞ!」

コカビエルは愉快そうな笑いをあげながら再び槍を放っていく。昴はすぐさま立ち上がり、槍をかわした。コカビエルは昴が地にいる時は上空から槍を乱発し、空中では自ら斬りかかる戦法に切り替えた。これにより、昴のスピードというアドバンテージは殺された。

地面にいては槍の着弾による余波でジリジリ削られ、そのうち槍が直撃してしまう。高威力の飛び道具を連発できない昴が不利。上空に飛べばパワーとスピードの差でジリ貧になる。

昴は飛来する槍をかわしながら斬撃や氣弾を飛ばしていくが、難なくかわされてしまう。

まさに八方塞がり・・・。

ドゴォォォォン!!!

「ぐわ!」

昴の眼前で爆発した槍の余波をもろに喰らい、昴は弾き飛ばされた。

「なかなか楽しませてもらった。よい余興だったぞ、赤龍帝。これで終わりにしてやろう」

ブン!!!

コカビエルは高質量の光の槍を昴に向けて放った。
















          ※ ※ ※


昴side

コカビエルが俺に光の槍を放った。

俺は先ほどの着弾の余波で身動きがとれなかった。

「くそ・・・」

あれが直撃すれば俺は死ぬ。

くそ! 俺は負けたくない! 戦争を引き起こそうとするあいつに! 動け! 動けよ、俺の身体! 俺は・・・俺は!

















ドゴォォォォォン!!!

















槍が大きな爆発が起こった。俺は身体を守るように両腕を覆った。だが、俺の身体には痛みなどが襲ってくることはなかった。おそるおそる両腕を下すと・・・。

「!? これは・・・」

俺の眼前には、信じられない光景が移った。俺の周囲に、まるで俺を守るかのように様々な武器が宙に並んでいた。

俺は、この周囲に並ぶこの武器全てに見覚えがあった。わからないはずがなかった。

十文字の槍、銀閃。細見に直剣、七星餓狼。若干短めの直剣、鈴音。長さのある矛、蛇矛。槍と斧が一体となった戟、方天画戟。龍を象った薙刀、青竜偃月刀。そして、あの大剣は・・・宝石を彩ったあの大剣は、靖王伝家。

なぜ、これがここに・・・。

『諦めないで』

「っ!?」

俺の耳に懐かしい声が届いた。

『あなたはこんなところで負ける男ではないでしょう?』

『あなたはいつだってあきらないで戦ってみせた』

『戦乱を引き起こそうとするあいつに負けたらダメなのだ!』

『私達の想いは魂となってあなたの魂に宿ったわ』

『私達はいつだってあなたの傍にいるわ』

『だから・・・』

カッ!

俺の周囲に浮かぶ武器が光の球体となり、それが1つに重なった。

「あなたの大切なものを守ってあげて」

その瞬間、愛しい者達の笑顔が浮かんだような気がした。

光の球体は俺の横に刺さっている村雨を包み込み、飲み込むと、俺の胸に吸い込まれていった。

その時、俺の瞳から涙が溢れていた。

今一度、俺の愛しい人達に会えたことが嬉しくてならなかった。

「ありがとう・・・」

俺は皆に感謝の言葉を述べ、立ち上がった。

「何が起こった・・・」

コカビエルは目の前の状況を理解できてはいないようで、少々戸惑っている。

「皆が俺に力を貸してくれている。皆が見てるんだ。無様な姿は見せられないよな」

俺は顔の前で両手を合わせて。

「戦争を起こそうとするお前を許すわけにはいかない。皆の力を結集し、お前を討つ!」

俺が両手を放すとそこから1本の竜を象った薙刀が現れた。

「青竜偃月刀」

俺はその薙刀を構えた。

前世の愛しき者の魂がこの世界で神器となり、俺に力を貸してくれた。

英雄の器(ブレイブ・ハート)

この力でコカビエルを討つ!











続く












――――あとがき――――

あけましておめでとうございます!

昴のもう1つの神器はこのような形にしました。

英雄の器(ブレイブ・ハート)

能力は、前世(真・恋姫†無双)で深い関係にあった者が扱っていた武器を呼び出す能力。聖魔剣のような特別な力はないが、如何なる武器や魔法でも破壊ができない。

神器の名前は、MAYBE-HATさんのアンケートからいただきました。ありがとうございます。

今年もよろしくお願いします!

それではまた!

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