小説『プライベート・ホスト』
作者:ウィンダム()

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昭吾は、まるで自棄酒を呷るような飲み方をする玲子に、
 
  ねえ、もう少しペース落として飲んだほうがいいよ。

とやんわりとアドバイスするが、
 
  大丈夫よ、わたしだって初めてワインを飲むわけじゃないのよ、飲み方くらい心得てるわ。
 
  そう、ならいいけど。

とは言うものの昭吾は玲子が心配になる。
玲子と昭吾は暫く食べ続ける。
昭吾のグラスが空になると玲子はワインを注ぐと、
 
  遠慮しないで飲んで。

と自らもグラスに注ぐ。
すると昭吾は玲子に、
 
  ねえ、いつからワインを飲むようになったの?
 
  わたし? 高校生になってからよ。
  それまではポートワインだけだったけど、高校生になっとき、
  パパが食事と一緒のグラスワインなら許可してくれたのよ。
 
  へえ、そう。

と玲子を見ると、ほんのりと紅潮してきたためか妙に色っぽく見えてくる。
そんな玲子を見ていると、こうやって同じ年頃の女の子と食卓を囲むのも悪くないと感じてきた。
 
  なんか暑くなってきちゃった。

玲子は制服のブレザーを脱ぐとワイシャツだけになる。
ついでに襟首のリボンも外すと胸ボタンを外していく。
そのためブラジャーがチラリと見えてしまう。
昭吾は熟女の裸には慣れてはいるが、同じ年ごろの女の子とはまったくの未経験だ。
そのためか昭吾は玲子の胸元から目を逸らす。
すると昭吾も暑さを感じてかブレザーを脱いでワイシャツだけになる。
 
  ネクタイとったら? そのほうが楽よ。

と勧めるので昭吾はネクタイを外す。
暫くすると酔いが回ってきたのか、玲子の目がトロンとしてくると、
 
  ねえ、いつからお酒飲むようになったの?
 
  ん? 俺かい? そうね、ビジネスを始めるようになってからかな。
  リピーターは女性だからワイン好きが多いんだ。
  そのためある程度付き合わなければならない。
 
  へえ、そうなの。

と玲子は酔った目で昭吾を見ると、ヒック、とシャックリする。
 
  いけない、シャックリでちゃった。

笑う玲子は相変わらずグラスのワインを飲み続ける。
そのうち目が据わってきた玲子は昭吾を見ると、
 
  ねえ、アレって、どんな順序なの?

玲子は突然際問い質問をしてくる。
ところが昭吾は玲子の質問の意味が分からず、
 
  え? アレ? なにアレって?
 
  アレって、アレよ、うん、分かってるくせに、アレのことよ。

昭吾は、ようやく玲子の問い掛けの意味が分かると笑って、
 
  ああ、アレね、ふふ、なんで? 興味あるの?

からかい気味に聞く昭吾に玲子はイラつくように、
 
  そうよ、興味あるから聞いているのよ、

昭吾は笑いながら、
 
  へえ〜、君のような子がそんな話に興味があるなんて、ちょっと意外だね。
 
  なによ、わたしが興味を持ってはいけないの? 
  そんなこと誰が決めたのよ、法律にそんなこと書いてあるとでも言うの?

目が据わった玲子が絡むと、
 
  いや、別にそんなこと書いてないけどさ・・・。
 
  ならいいじゃない、お話しましょうよ。

と酔った笑みを浮かべる。
 
  別に、順序というものはない。
  こういうことはケースバイケースってところかな?
 
  ウソ、そんなことないわ。
 
  ウソって、ウソじゃないさ、なんでそんなこと言うのさ。
 
  だって、ママが読んでいる雑誌に書いてあったわよ、最初はキスから始めるって。

昭吾は思わず笑い出してしまい、
 
  へえ、君、そんな雑誌コッソリと読んでいたんだ?

昭吾にからかわれる玲子は恥ずかしいのか、
 
  煩いわねぇ、んもう、いいじゃないよ、そんなことどうだって。
  そんなことより質問に答えなさいよ。

昭吾は笑いながら、
 
  ハハハハハ、そんなことは一般論さ、そういうことはその場の状況によるのさ。
  固定的に捉えるものじゃない。
 
  ふ〜ん、そうなんだ・・・。

納得する玲子は出来上がってきたらしく、
暫くすると玲子はグラスを持って昭吾の隣に座り込む。
そして酔った目で笑みを浮かべ、
 
  ねえ、口移しって知ってる?

玲子の言葉になんとなくヤバイ状況になりつつあることを察知した昭吾は席を立とうとする。
すると玲子はすかさず、
 
  座りなさいよ!

と昭吾の腕を掴んで強引に引き戻す。

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