小説『solitude alliance 』
作者:銀虎()

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#14

カズマの部屋で散々飲んだが呑み足りない

そして、田中へ電話をかける

「帰るのか?」

カズマは俺に聞く。俺は首を横に振る

「田中、今から個室の居酒屋を用意できるか?」

電話口の向こうから快い返事が返ってくる。

“個室で”というキーワードにカズマは顔をしかめた

「カズマ出るぞ。用意しろ!」

「まだ呑む気かよ?」

「バーボンのあるいい店だ。こい」

「はいよ」

カズマ着果てた服を着替えて、代わり映えはしないがまぁ綺麗な服になった

そうこうしている内に羽丹組のメルセデス・ベンツ GLKクラスがカズマの家の前に止まった。

田中がカズマの家のドアを叩いた。

それに応じたカズマとオレは若いが運転の腕のいい土地鑑のあるドライバーが運転するベンツに乗る

そして、田中とカズマと運転手とおれで田中が用意した居酒屋に向かう。

土地鑑がある運転手が人どおりの少ない広い工場通りに入った頃だった

前に、大型のトラックが出てきて運転手が急ブレーキをかける

ギュッユ

メルセデス・ベンツ GLKクラスの抜群のブレーキ性能が軋みながらに車体を止める

「何だ?こりゃ。居眠りか?」

「いや、道路を塞ぐように止まったから・・・」

カズマは、体を乗り出してCDプレーヤーに自主編集CDを入れ込む

「着たかな・・・早いけどな・・・」

「田中出ろ、井伊これで写真を撮れ」

(井伊とは運転手のことだ)

一眼レフのフラッシュ機能がいいカメラを渡す

「はい」という井伊の返事と頷く田中は首を縦に振る。

「CD音の外にガンガンに聞こえるようにして」

数馬もそそくさと外に出てしまったので俺も出た

そうすると、トラックの荷台から6,5人の目出し帽を被った

絶対に素人じゃない(格闘技従事者)であろう集団が降りてきた

「6人か・・・」

カズマは俺の右横で車から聞こえる音楽にあわしてステップを踏む。つぅうか6人くらいで良かった

二桁以上に人間を前にするとカズマは群集恐怖症が出てしまって戦力になりはしない

パシャ
井伊は車の中から写真をとる

田中はスーツの上着を脱いで首を回し、俺の左横に並んで6人と対峙する

向かい合うと6人の体格が良く分かる

180センチ以上100キロ以上の相撲かラグビーの従事者であろうやつが二人

170センチくらい80キロくらいであろう空手の構えが二人

160センチ痩躯のボクサーポーズの二人

「じゃぁ、田中がでかいの俺が空手、カズマはボクサーで」

俺はそう言うと二人と言われた相手に向き会う用に動く

3:6のこの状況下の中での緊迫は、カポエラの中の一拍子が緊迫の薄い膜を破る

デカイのが田中にタックルを入れる



相撲特有の低い姿勢のタックル(立会い)が田中を襲う

田中は、尻餅をつくように地面に腰をおろすと赤ん坊がおしめを変えてもらうような格好になると目出し帽の相撲取りの首と片腕に足を絡めて力士の首を両脚で絞める。

肩部の三角筋で頚動脈が絞まる力士の目が白くなる。

意識がなくなった力士を蹴り飛ばして立ち上がると思い切りに力士の二の腕を踏みつける。骨が砕ける嫌な音がした

そうしていると田中にドテッ腹に強烈なタックルが見舞われる

しかし、力士の腕を踏みつけたまま田中はそれを耐え切ると

組み付くラガーマンに膝蹴り見舞うそして緩んだホールドを力で引き剥がす

そして腰の入ったヤクザキックが喉元に決まる。

ラガーマンはゴロゴロと喉を抑えて転げまわる

-15-
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