#16
用意周到で賢明な奴らは、発煙筒なんて用意してやがった
そして。大型バイクの集団は曲芸のりか?
気をうしなった力士にアメフトマン、ボクサー空手家を器用に拾いあげて
走り去っていった。
催涙効果までは入っていたらしい目が厳しい
「若頭、他の奴らは大丈夫だろうか?」
いぶし銀の効いた声が勇太にかけられた
「・・・・・・とても心配だが」
催涙効果が染みている今は何もできない
目が開かないんだから
「カズマ・楓と天に連絡とれるか?」
勇太の声がした
「目が利かない。」
「目が開かなくても、画面を見ずに携帯くらい使えるだろ?」
「・・・・それもそうだな」
俺は、携帯を操り楓に電話をかける
3コール後に留守番サービスに移り変わった
「でない」
オレはそのままの状況を報告した
「あいつ等なら、大丈夫だろう。田中あの長曾我部ってやつに組員を送らせろ
大至急だ」
怒鳴るような伝達が勇太から田中に伝えられた
「カズマ、急いで戻るぞ」
「GPSか?」
「いや、攻撃の回って事だ」
「総攻撃?」
「このまま、終れない。落とし前はつける」
勇太の猛禽の目は光っていた。