小説『solitude alliance 』
作者:銀虎()

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#18

「予定を早める。後5日で用意してくれ。」

私はそう告げられた



「電波ジャックの用意を進めて欲しい。5日で」

オレはそう告げられて



「5日で治して来る、金と人を要してくれ」

俺はそう告げられた



「5日間、そばにいさせて欲しい」

おれにはそう言って来た



楓は、ボロボロで血を流して真赤になった体で天の部屋から出てきて私にそう告げた

頼まれていた、衣服の用意は本来後10日はあった。天の分を省くので簡単だろう

予定を早めたのは、策があってのことかは私には分からない



やつは井田の病室から血だらけで出てきた。オレに相手の通信手段の閉鎖を指示してきた。中々手のかかる相手になるが出来ない事も無いだろう。仲間に手を出されたんだから俺も黙っていらんない。

あいつの見えない目からは、どんな策を巡らしているかは、推し量れなかった



天の病室から出てきた楓では看護士が悲鳴を上げて治療室に引っ張っていこうとするのを軽く払いのけ、俺に胆略な言葉を投げかけてきた

造作もないことだったので軽く返事をすると奴は看護士をなだめながら落ちついた様子で考えを交差させているようだった。策は奴に任せることにした



少し出てくるとおれに告げて出て行った後、楓は元気とカズマに話し掛けていた

年配看護婦の悲鳴がしてが、楓は気にせず勇太と話していた

看護婦に連れ去られていった楓は新しい包帯とガーゼ、消毒液の匂いに包まれて戻ってきて優しい目でおれのそう言ってベットの傍らに座ってきた。

-19-
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