#2
俺と楓が登校すると定時制で過去の卒業者の残したホップな絵画
に彩られた4階建ての手狭な学校が楓と天が在学する
「詠華高校」
その校門の先にある、校舎の前に黒山が出来ていた。
「なんだろう?」
俺がつぶやくそして続ける。
「血のにおいがする・・・」
「喧嘩か自殺・・・・若しくは殺人」
楓は、無感情に言った。
すると、一組の生徒が俺と楓に気付いて顔色悪く駆け寄ってきた。
「井田くん、雨策くん・・・犬園さんが・・・」
一瞬、理解が追いつかなかった。俺より頭の回転が速い楓が走り出したのを
見ておれの足はやっと動き出した。
一歩一歩血のにおいは強くなる。
小柄な俺と楓はそう易々と中心にはたどり着けない。
でも、何とか見える位置にきた。
「 」
口は動いたが空気は通わなかった。
「飛び降りか・・・」
楓はそう言った。
学校のアスファルトの上で、動かない凛が居た。
こしまである長髪みたいに凛の手足は、骨格を無視して
捻じ曲がっていた。
悲鳴もあげられず、俺はその場で吐きそうになった。
そんな俺は肩をつかまれ楓と人ごみから外れた。
そのまま近くの水道に連れて行かれた
朝食を吐いた。
そのころ、凛のいるほうからパトカーか救急車のサイレンか聞こえた。
そのあと、帰宅指示が入った。
楓に引っ張られるように帰宅すると、そのまま部屋に閉じこもった。
そして、暫くして唸る携帯は今までにない忙しい三ヶ月の始まりを告げる鐘の音になった。