小説『Peacemaker/ピース・メーカーIF』
作者:八代澄(同人サークル【華麗なる親族】)

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★短編
IF#01 A hero and the Devil 英雄と魔王

昔々、ある所に世界を牛耳る魔王が居ました。
国の英雄は、その魔王を倒す為に仲間を連れて旅をすることに……。

「いや、俺はリリスが参加するからと言ったからこんな茶番に付き合っているんだ。それを……何が悲しくてコイツラと同じチームとは……」

英雄役=シグマ
おおよそ英雄とは言えない身なりで度に向かった。
頬にカドゥケウスの紋様、長身で長髪。
漆黒の甲冑に、黒マント。
六枚の羽根を生やした大鎌の英雄。

「英雄じゃなくて、死神だよな。どう見ても」

自分の格好を見てため息を漏らすシグマ。

「そんなこと言われましても……。そういう風にチームを組まされたんですから仲よくしましょう」

魔法使い=アレイスター。
深緑色のカールの髪型が特徴的な魔法使い。
常に笑みを浮かべ、人畜無害な顔をしている。
黒のローブに、十字架を掲げており、魔法使いと言うよりは神父に近い恰好だった。

「今すぐお前を倒したい」
「英雄、倒すのは魔法使いじゃなくて魔王だから!」
「離せ、半死人のシルバー!(本編で半死人になっている為のあだ名)」

騎士=シルバー

全身白銀の甲冑に、深紅のマント。
体格がよく、二人の仲裁的な役割が多い苦労人の騎士。

「どう考えても俺らの方が悪人ぽいんじゃねー?」

召喚士(魔物使い)=ヒタチ

日焼けした肌、やたら裾の長い術者的な服装。
タートルネックだが、胸部までしかない。
腹部には紋様が刻まれている。

「完全にこのメンツで村もしくは街なんか行ったら、完全に魔王の軍勢にしか見えないな。やっぱり次の街で服装をちゃんと装備するか……」

ぼやく英雄シグマ。

「(…………真面目に役どころを演じきる気だな)」
その他のメンバーは心の中で思った。


旅は続き、チームメンバーの友情も――――

アレイスター魔法使いが、モンスターによって操られた。

「私の事は良いから……敵と共にやってく…れ」

シルバー騎士は躊躇して攻撃できない。
「アレイスター、英雄。ここはいったん引いて……」
「全員、敵ごと殲滅だ!」
「我が一族の恥さらしめ!」

シグマ英雄と、ヒタチ召喚士は躊躇なく全体攻撃。

「ちょ、お前ら!鬼か、悪魔か、悪党か!?」

一同沈黙。

(本編での活躍ぶり)
シグマ=元天使から堕天使=悪魔並みに破壊殺戮をする。
ヒタチ=国家転覆をもくろむテロリスト=悪党。

アレイスター=大魔術師=人体実験などしていた=真黒=鬼。

「ぐああああ」
アレイスターのライフポイントがゼロに。
「(………なんでこのメンバーにまともな奴が一人もいないんだ!!!)」
と心から叫ぶシルバー騎士だった。


旅は苛酷さを増し、それによってチームメンバーの絆は――――

「宝箱だ!」

全員が一斉にダッシュ。
宝箱の争奪戦。
「アレイスター覚悟!」
「ちょ、英雄!どさくさに紛れて何するんだ!」
「お宝は俺のものだ!」
「ちょ、ヒタチ、アレイスター大規模魔法は禁止!俺は関係ないだろうが!」
レアアイテムを入手するため、ボス戦よりも血みどろな戦いなど日常茶飯事だった。

***

モンスターが現れた。
シルバー騎士は攻撃を喰らった。

「っち、油断したぜ。回復アイテムで……って、英雄―。俺の回復アイテムが無いから一個、貰えないか?」
「俺、回復アイテムなんて一個もないぞ」
あっさりと無い宣言するシグマ英雄。
「はぁ? お前だって攻撃受けるだろう、何でも持ってないんだ?」
「俺は堕天使……いや、英雄だから自己修復する」
「なんだよ、チートすぎるだろうが!もう良い、アレイスター魔法で直してくれ」
「あ、僕の魔法って、破壊魔法とか精神攻撃の術式とか、毒術魔法とかしかないんだ。ごめんね」
「なんて物騒な魔法しか知らないんだよ!ってかじゃあ、自分が攻撃喰らったらどうやって今まで回復したんだ?」
「回復アイテムとか?」
「お前は本当に魔法使いか?」
「うん、破壊専門の魔法使いだよ」
「物騒過ぎるだろうが!」

にっこりと笑うアレイスター魔法使いだが、シルバーは最後の頼みであるヒタチ召喚士へと尋ねた。

「お前……回復アイテムか魔法、もしくは召喚ってあるか?」
「あるよ」
「だぁー!やっぱり無いかあー、何なんだよこのチームメンバー!!」
「あるって」
「分かっているってどうせお前も自己治癒とか、破壊専門とかいうんだろう」
「いや、俺は完全コンプリート派だから」
「なんで、このチームメンバーにまともな奴がいないんだぁああああ!」
「だぁーーー、人の話を聞け!!!」

ヒタチ召喚士のアッパーがシルバー騎士にクリーンヒット。
シルバー騎士のライフゼロ。

To be continued?

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