小説『IS〜2度目の天性者〜』
作者:ブラック()

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とある海のとある無人島(表向き)。標高50mほどの山に自然にできた洞窟を掘り進み、縦2km、横5kmほどの敷地に地下5階から8階までの高さおよそ30mの施設がある。
その施設の地下5階、まっすぐに伸びた廊下を白衣を着た1人の女性が歩いている。いくつもの部屋を通り過ぎ、たどり着いた場所は部屋と言っていいのか、もはや広場だろと言いたくなる部屋である。
そこには楕円型のカプセルが等間隔で並んでおり、中には、透明な液体だけに見えるものや、人の胎児、小学1年生くらいの男の子などが入っている。
女性はそんな異様な光景にも何の表情も変えず、通勤途中の人のそれと全く変わらない歩みで、No.1874と書かれたカプセルの前に行く。
カードを差し込み、映し出されたディスプレイに何かを打ち込んでいる。
すると中の液体が抜けていき、カプセルが開く。女性は中に入っている小学1年生くらいの男の子を担ぐと別の部屋に向かって、また、長い廊下を歩き出す。
15分くらいたっただろうか。着いた部屋はおよそ15畳ほどの広さでベットや滑り台、積み木などのおもちゃが置いてある、いわゆる子供部屋だった。
女性はベットに子供を寝かすと、部屋を出て行く。
しばらくすると、ふくよかな体型に花柄の服をきて、可愛くプリントされたウサギのエプロンをまとった女性が現れる。
その女性は手に持っていた服を男の子に着せ、近くにあったイスに座る。
30分ほど立っただろうか。
やっと男の子が目を覚ます。
「起きましたか。今食事を用意させますね」
そう言うと女性は壁に備え付けられている電話でどこかにかける。すると5分もしないうちにゼリー飲料とビスケットが運び込まれる。
「さぁ召し上がれ。食べ終わったら自由に遊んでいいですから。6時にまたきます」
そう言い残して女性はいまだ状況がうまくつかめていない男の子をおいて部屋を出て行ってしまった。

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