小説『初体験』
作者:桐原 蓮(★高畠の車窓から★)

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お題『?・○○○』
お題を考えながら読んでください☆

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小学5年生になった僕は、嫌いなものができた。
ずっと前から気にはなっていたのだが、嫌いと断言できるようになったのは、最近のことだ。
「ねぇ・・・父さん・・・それって美味しいの!?」
「うん?あぁオマエも大人になればわかるよ☆」
父さんの部屋は、いつも大火事のようだった。最近、読み始めた『美味しんぼ』を借りに行く時も、宿題を習いに行く時も、部屋の前で一旦深呼吸をして、気合を入れてから入るようになった。
部屋の中は、いつもソレの臭いで充満し、5分といると吐き気をもよおしてしまいそうだった。
「ねぇ、父さん・・・ソレやめないの?絶対に体に悪いよ。」
「うん?ダイジョブだ☆気が向いたらやめるさ☆」
僕は、自分の体の事を言ったのだが鈍感もいいところだ―――。

ある日、学校でソレの授業が行われた。
「え〜〜〜〜〜と言う様に、体にすごく悪いものです。皆さんも充分に気をつけてください。」
気をつけてください?よく言うよ―――。
職員室にプリントを取りに行く時、この先生が隅のほうで、ソレをやっているのを何度も見かけた事がある。

その日僕は、いつものように、幼馴染の女の子と一緒に下校していた。彼女とは幼稚園が一緒で、学校でも話をする事が多いのだった。
「今日の体育疲れたね―――明日の算数のテストやだなぁ―――。」
世間話をしながら、大通りをまたぐ歩道橋の前にさしかかった。
そこに、ソレは落ちていた。

足でもみ消そうとして失敗したのか、歩道橋の上から投げ捨てたのか、ソレはまだ、うっすらと火を灯していた。
「ねぇコレ・・・まだ火がついてる・・・・・。」
そう言って彼女は、ソレを拾い上げた。まだ半分以上残っているようだ。無論、彼女の父もソレをやっているのだろう。興味深そうに見つめている。
すると彼女は、おもむろにソレに口をつけた。見よう見まねなのだろうが、その姿は、妙にしっくりくるものがあったのを覚えている。
すると今度は、ソレを僕のほうに差し出してきた。

決して、嫌われると思ったわけではない―――。
間接キスがしたかったわけではない―――。

見ているだけで、鳥肌が立ちそうなソレに少なからず興味を持ったのは確かだ。
ソレを口にくわえ、少し遠慮気味に吸い込んだ。
途端に、目眩がしてその場でしゃがみ、咳を10回ほどした。最後の方は、少し嘔吐物も混ざっていたかもしれない。

『絶対に大人になっても、こんなものやるものかヾ(▼ヘ▼;)』

しかし僕は、7年後・・・・セブンスターを愛飲するヘビースモーカーになっていた(笑)


お題『3・好奇心』


お題サイト→http://monokaki100.web.fc2.com/
ものかきさんに100のお題。 (in A BLANK SPACE )


作者感想:いやぁ・・・相変わらず・・・・ベタだ( ̄へ  ̄凸  このお題は色々あったなぁ・・・・・。『女子トイレ・更衣室』 『あんなトコ・こんなトコ(18禁)』『開かずの間』etc  でも結局これにした・・・・。 てかこれ、ノンフィクション(笑)7年後??ん?こいつ5年生だよな? うんそこ大事(笑)

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