あたしは茫然としたまま、何も出来ずにいた。
入学直後にこんなややこしいことが起こるなんて…
まだ1日目だ。
いやいやここははなを追いかけるとこだよ!!
あたしは店を飛び出した。
「はなっ!!!」
「え?」
「はぁはぁ…ずるいよ!
自分の言いたい事ばっかり、言って出て行っちゃうなんて…あたしは、昨日はなと出会ったばっかりだし、昔のことも、何も…はなの口からは聞いてない!!それに、あたしは、あっちゃんの好きとかそんなんじゃないから…ッ!」
「最低…だと思わなかったの?」
「まだ、分からない。だってはなの口から何も聞いてないもん。」
そう言うとはなは笑った。
あたしが、叫んだせいか少しの人だかりが出来ていた。
やば…
恥ずかし…
「帰ろう…恥ずかしい…」
あたしは入学式の時のようにはなの手を握って人ごみを駆け抜けた。
「あははっ」