小説『ハリーポッターの双子の妹は、“幻の瞬殺”と呼ばれた魔女 part1』
作者:梨那♪(小説大好き♪)

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〈寮生活〉

一同はスリザリンの寮の中へと入ると、誰もが背筋をゾクゾクさせていた。
「ここって…お化け屋敷とかなのかな??」幽霊がかなりの苦手らしい、ステファニーが低い声で言った。
「んな訳ねぇーだろ、ステファニー!!今日から、今からはここが家の変わりとなる所だ!!!
新しい家に向かって、何だよその言い方は!!」ハリーナは後ろでビクトリオがステファニーを叱る声が聞こえたが、かなりステファニーの言い分に、ハリーナは否定をせざるを得なかった。
「だ、だって…そんな事を言われたって…」かなり怯えているステファニーの肩をメデューサが擦りながら寮の監督生の指示を聞きながら、ハリーナたちは七人グループで部屋の中へと入っていった。
「わぁ…!!大きいね!!!」
「今日からはここで過ごすんだねー」途中まで一緒に来ていたおっとりした女の子が言うと、その後に常に寝不足そうな顔をした女の子が続けた。
「有り得ない…ここの部屋、汚なすぎよ。」いかにもハリーナにとっては違う真逆タイプだと言う事が分かり、余り話しかけたく無いと思うばかりであった。
ベッドの札に沿って、自分たちの荷物確認をし始めた時に外ではさっきまで降っていないはずの雨が降っていた。
不審そうにハリーナが冷たい窓に手を触れた時、誰かが後ろから近付いて言ったのであった。
「知ってる??これってね、悪を呼ぶ雨なんだってー」
「!?……」
「そんな恐い顔しないでよ。あたしはミネリア=フィーランド。
もし良かったら…貴女の名前も教えてくれる??」
ミネリアがハリーナの向かい側のベッドに腰を下ろすと、警戒心を尖らせたままのハリーナが言った。
「…ハリーナ…スターフィリア。」
それを聞いたミネリアがハリーナに優しい笑みを向けながら言った。
「そう。いい名前じゃない」
「…ミネリアは、さっき〔悪を呼ぶ雨〕って言ってたよね…??」
「えぇ。こう言った雨は結構、数ヶ月後に災いをもたらす物なの。」
〔災い〕という言葉の意味を余り理解出来なかったまま、皆は明日に備えて就寝するのであった。


早朝。
寮部屋の中で一番最初に起き上がったステファニ─がその三十分後に皆を起こし始めた物の、中々メデューサだけが中々起き上がる気配が無いらしく、ステファニーはかなり慌てていた。
「メデューサ!!早く起きてってばー!!」ステファニーが自力でメデューサの痩せこけた肩を掴んでは揺らしても、メデューサは起きる気配が全くなさそうであり、一人一人が他の人の顔をみた。
「どうする?」まだ眠そうなミネリアが幸せそうに寝ているメデューサの顔を見て言った。
「魔法を使ったら…どうかな?」おっとりとしたルビーナ〓フィアンセがミネリアの後に続けて言ったが、再び沈黙が続いた。
朝食の時間には間に合いそうにもないと思ったハリーナが鞄の中から杖を取りだし、メデューサに向けた。
「ハリーナ!?何してるの!!?」行きなりの行動に驚いたメアリーがわなわなと震えていたが、それよりもハリーナは落ち着き払った声で返した。
「大丈夫…安心して…簡単な呪文でメデューサを起こすだけよ。」大きく深呼吸し、ハリーナは自分の心の中でメデューサが何かに叩かれているのを想像しながら杖を振ると、眠っていたはずのメデューサが大声を出しながらベッドを飛び出した。
「止めてぇぇ!!起きるから!起きるから!!!」反対呪文を急いで唱えるとメデューサは素早く着替え、ハリーナ・メアリー・ステファニー・ビクトリオと共に食堂へ向かっていた。

向かっている途中、メデューサが重い溜め息をつきながら言った。
「朝から本当に、最悪…」メアリーが呆れた顔で見下ろした。
「何言ってるの?ハリーナが居なかったら、貴方は今頃スネイプ先生に怒られてたんだよ?」メデューサが一段と更に溜め息を付き、一同はスリザリン生の机の空いた席を捜していると、先日仲良くなったばかりのマーライヤがハリーナ達に向かって大きく手を振った。
「こっちこっちー」

「一日目の泊まりはどうだった!?」マーライヤが好奇心旺盛に五人に聞くと、まず先にビクトリオが骨肉に被りつきながら言った。
「ふかふかのベッドが最高だったぜ!!」その様子を見ながらステファニーが呆れた顔をした。
「朝から最悪。」パンにイチゴジャムをつけて哀瞳をしたメデューサが消えいるような声で言うと、メアリーが食べていたタマゴエッグの手を一度止め、また食べ始めた。
「へえー、んで、ハリーナはどうだったの?」
「え、…私は…まあ、良かったよ。
疲れもちゃんと取れてるようだし…あ、でも一つだけ問題があるかな。」ハリーナが言う“問題”という言葉が気になるらしいマーライヤが食べる手を止めながらせがんだ。
「問題って?何々?」真面目な顔をするマーライヤの目をまっすぐ見ながらハリーナが言った。
「朝、一斉に早く起きれるように寮の中に大きな目覚まし時計が欲しいなって。」マーライヤは右眉を上にあげ、まるでなにそれ?と言いたげな顔をしていたが、一時限目が始まる事から大食堂を出ていく他の生徒たちを見て、マーライヤが思い出したかのように早く朝食を食べ終え、ミルクを飲み干しながら急いで言った。
「そうだった…。私達、スリザリンとグリフィンドールは一時限目、外でクィディッチの練習なの……じゃあまたね!!」マーライヤが友達と一緒に走っていく背中を見つめながら、五人は頑張れの一言だけ言うと朝食を済ませ、一時限目のマグゴナガル先生の授業、変身術のクラスへと急いだ。

マグゴナガル先生がいる教室へ着く頃、生徒はまだ数人しかいなく、左右中央に二席ずつ一列15席もあり、ハリーナはまっすぐ左側の丁度真ん中ぐらいの席の左側に座り、その横にはメアリーが座り、中央の真横席に空いた場所にメデューサとステファニーが座り、ハリーナの後ろにはビクトリオが座り、ビクトリオの興奮した話はまだ続いていた。
「なあ、変身術って何をやると思う?」メデューサが無関心そうに言った。
「そうねー、ビクトリオがどうやれば動物に変身出来るとか?
出来れば煩くない動物がいいのよねー…。」その答えにビクトリオは「はあ?」と間抜けな声を出し、メデューサは自分の羽ペンの羽の先で自分の鼻につけて遊んでいた。

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