小説『雷の紋章』
作者:Mr,後困る()

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第19話 彼女の上に日は射さない(前篇)

―白の大陸、街道―

エデ「炎弾よ彼の者を撃て」

エデはファイアーボールを唱え

生贄『させるかー!!』

生贄(巨大ポーン)が突っ込んできた!!

エデ「(っ!!避け切れませんわ!!ここは・・・)ファイアーボール!!」

エデは自分の立っている場所のすぐ隣にファイアーボールを放った!!
反動でエデは横に吹っ飛んだ!!
生贄(巨大ポーン)の攻撃は外れた!!

生贄『く・・・』
リーゼル「エデさん!!大丈夫ですか!?」
エデ「心配ないですわ・・・」
イバラ「(この状況はキツイ・・・)」

今の状況を簡単に解説しよう
ヘンゼルは未だ健在、ライトニングもまだ数発撃てる状態
ジェニーは目立った傷は無いが疲労が溜まってきている
イバラは生贄の攻撃で重傷とまでは行かないが軽くないダメージを負ったが
リーゼルの治癒魔法で治療され無傷の状態だが疲労はかなり溜まっている
エデは疲労は大して溜まっていない、魔力も多少の余裕がある
リーゼルは疲労は全くと言って良いほど溜まっていない
通常は回復役の彼女を真っ先に潰される筈だが生贄(巨大ポーン)の
攻撃はまともに直撃すればほぼ確実に即死か手遅れな重傷な程強力
まだ僧侶としての力量が低いリーゼルでは重傷の傷は治せない
(ついでに解説するとこの世界には死んだ人間を生き返らせる魔法は存在しない)
魔力もエデに比べてかなり余裕がある
生贄(巨大ポーン)は未だに健在だが思う様に攻撃が当たらずやや焦りが出ている
ブリックレーは戦っている最中に人質にされないよう片足で
出来るだけ遠くに逃げている最中である

ヘンゼル「(ライトニングだけでは無理がある・・・元々狙っても命中率が低い
更に生贄(巨大ポーン)は動き回っている、当てるのはかなり難しい
仮に当たっても僕のライトニングが利くかどうか・・・いやそれ以前に)」
リーゼル「勇者様!!前!!」
ヘンゼル「え、ぅあ!!」

生贄(巨大ポーン)の攻撃!!
回転しながら飛びかかって来た!!
ヘンゼルは寸前で避けた!!

ジェニー「ぼーっとするな!!死にたいのか!!」
ヘンゼル「す、すいません!!」
生贄『このっ!!ちょこまかと・・・』
エデ「炎弾よ彼の者を撃て、ファイアーボール!!」

エデはファイアーボールを唱えた!!
生贄(巨大ポーン)に当たった!!

生贄『無駄だと言っ』
ヘンゼル「ライトニング!!」

ヘンゼルはライトニングを唱えた!!
生贄(巨大ポーン)に当たった!!

生贄『しまっ・・・』

生贄(巨大ポーン)の動きが止まった!!

ジェニー「・・・やったか?」
生贄『・・・・・』

生贄(巨大ポーン)がゆっくり動き始めた

リーゼル「効かない!?」
生贄『いや少しは効いたよ、電源が一瞬切れた』
エデ「そんな・・・最後の頼みの綱が・・・」
ジェニー「いや、ヘンゼル・・・お前また手加減したな!?」
生贄『何!?一体どういう意味だ!?』
ジェニー「こいつは人間には手加減するんだよ、ついさっきも襲ってきた町の住民に手加減していた」
リーゼル「勇者様・・・何で・・・」
ヘンゼル「・・・だって人間じゃないですか・・・」
エデ「え・・・・・」
ヘンゼル「だって人間じゃないですか!!僕は人間の為に勇者になったのに
何で人間を殺さないといけないんですか!?何で同じ人間で・・・戦わないといけないんですか・・・」
イバラ「・・・・・」
生贄『・・・お前って意外と良い奴なんだな』
リーゼル「勇者様なんだから良い人なのは当然です!!」
生贄『私の知っている勇者は私達が酷い目に合っても一切助けてくれない冷酷な連中だよ』
ジェニー「それはお前達が奴隷だからだろう!!」
生贄『何故奴隷という理由だけで差別されなければならない!?』
ジェニー「う・・・それは・・・」
生贄『勇者よ、お前が人間の為に魔王様を倒そうというのならそれは間違いだ
魔王様は私達を救って下さった救世主だ、その魔王様を殺そうというのはお前のエゴに過ぎない』
ヘンゼル「・・・・・」
リーゼル「勇者様!!こんな奴の話なんか聞いちゃ駄目です!!」
エデ「奴隷のヨタ話なんか聞く必要は無いですわ!!」
生贄『所詮は勇者か・・・』

生贄(巨大ポーン)は再び回転し始めた

生贄『ならばさっさと始末するか・・・』

生贄(巨大ポーン)の攻撃!!
ヘンゼルに飛びかかって来た!!
ヘンゼルは寸前で避けた!!

ヘンゼル「くっ・・・」
イバラ「ちょっと待て!!勇者さんは何も喋ってないじゃないか!!」
生贄『まぁ全員殺す事には変わり無いから心配無い』
ヘンゼル「〜っ!!ライトニング!!」

ヘンゼルはライトニングを唱えた!!
生贄(巨大ポーン)は避けた!!

生贄『・・・さっきより狙いが正確になったか、だがまた手加げ』
ヘンゼル「ライトニング!!」

ヘンゼルはライトニングを唱えた!!

生贄『なっ!?馬鹿な!!インターバルが短すぎる!!』

生贄(巨大ポーン)は避けようとしたが避け切れずに掠った!!

生贄『くっ・・・舐めるなぁああ!!』

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