小説『雷の紋章』
作者:Mr,後困る()

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第38話 人は誰でも素顔を隠す(完結編)

―白の大陸、アルデネン村の森、従者養成施設『Wolfsschanze』―

バッ!!

急に明かりが点く

ヘンゼル「!?」

光が眩しくて一瞬怯んだヘンゼル

ロンリ―ウルフ「良くやったサイレント梟!!」

ロンリ―ウルフの攻撃!!
ロンリ―ウルフは刀で斬りつけた!!
ヘンゼルは寸前で避けた!!

ロンリ―ウルフ「くっ」
ヘンゼル「ライトニn」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

機会音が聞こえる、ロンリ―ウルフが出て来た時同様床がせり上がっているらしい

ヘンゼル「な、まさかもう一人!?」

ガシャン

上がった床の上には大きな梟の姿があった

ロンリ―ウルフ「・・・・・サイレント梟か?」
サイレント梟『逃げますよロンリ―ウルフさん!!もう爆弾のセットは終わりました!!』
ヘンゼル「この声は・・・ヌレットさん!?貴女も魔王の手下なんですか!?」
サイレント梟『そうですよ・・・では・・・』

サイレント梟(大きな梟)は翼を広げた
ヘンゼルは身構えた

サイレント梟『御機嫌よう』

サイレント梟(大きな梟)はヘンゼルに突っ込んで来た!!
ヘンゼルは避けた!!
サイレント梟の攻撃は大きく外れ、そのまま何処かに飛び去って行った!!

ヘンゼル「・・・・・え?一体どうなって・・・まさか!?」

ヘンゼルはロンリ―ウルフが居るはずの場所を見た
だがそこにロンリ―ウルフは居なかった

ヘンゼル「最初からロンリ―ウルフを連れて逃げる気だったのか!!」

―白の大陸、アルデネン村の森上空―

ロンリ―ウルフ「おいコラ、サイレント梟戦わずに逃げるとは何事か」
サイレント梟『相手は貴方の戦闘奇械を単独で破壊した奴ですよ?私が適うはず無いじゃないですか』
ロンリ―ウルフ「・・・油断しただけだ、次は殺す」
サイレント梟『次があれば良いですけどね』
ロンリ―ウルフ「?」
サイレント梟『狼の巣の損失、五段腹スノーマンの敗死、戦闘奇械の損失
貴方のクビには十分すぎる理由だと思いますがね』
ロンリ―ウルフ「待て、五段腹スノーマンの敗死って・・・死んだのか?」
サイレント梟『言ってませんでしたか?』
ロンリ―ウルフ「初耳だよ・・・まぁとりあえずクビになっても個人的に殺しに行く事にする」
サイレント梟『ヘンゼルとかいう奴が生きていればの話ですがね、今頃大慌てでしょう』
ロンリ―ウルフ「ん?何で?10分あればすぐにでも逃げられるじゃないか」

―白の大陸、アルデネン村の森、従者養成施設『Wolfsschanze』―

ヘンゼル(ああああああああああああああ!!!どうしよう!!)

サイレント梟の予測通りヘンゼルは困惑していた
ロンリ―ウルフの言う通り確かに10分あれば逃げる事は簡単だ、ただしそれが"1人だけ"ならの話
彼の仲間はロンリースクリームキャノンで気絶してしまって動けない
ヘンゼルだけでは4人全員を助ける事は出来ない、だが見捨てられない
彼は考えに考えた挙句一種の賭けの様な策を使う事にした

ヘンゼル「〜っ!!すみません!!ライトニング!!」

ヘンゼルはライトニングを唱えた!!
ライトニングはジェニーに当たった!!

ジェニー「ぎゃああああああ!!ななななな何だ!?あれ!?ロンリ―ウルフは!?」
ヘンゼル「良かった・・・ジェニーさん起きてくれてありがとうございます」
ジェニー「え?ヘンゼル?・・・ロンリ―ウルフは!?」
ヘンゼル「逃げられました、それよりもあと数分でここに爆弾が
爆発する様なので皆さんを運ぶのを手伝ってください」
ジェニー「・・・他の連中にもライトニングで起きて貰えば?」
ヘンゼル「いやジェニーさんみたいな戦士とかなら良いですけど
他の皆さんは女性ですしライトニングで動けなくなってしまったら本末転倒でしょう」
ジェニー「・・・君は一つ勘違いしていないか?」
ヘンゼル「はい?」
ジェニー「まぁ勘違いさせている私の言動にも問題はあるが・・・」
ヘンゼル「・・・何の話です?」
ジェニー「私女だぞ?」

そう言って鎧の兜を外す、兜の下にはブロンドのショートヘアーの美しい女性の顔があった

ヘンゼル「・・・な、何で黙っていたんですか!?」
ジェニー「気付くと思ったんだが・・・まぁ深い話だし後々話すとするか、そんな事より」

ジェニーは兜を再び被った

ジェニー「時間が無いんだろ?さっさとこいつら運ぶぞ」
ヘンゼル「は、はい!!」

―黒の大陸、魔王城、謁見室―

魔王「正直驚いたよ」
ふぁーすと「そうですね・・・まさかロンリ―ウルフが敗れるとは」
魔王「そっちも驚いたんだけどね・・・前中後完結編の4話構成っておかしいじゃないか」
ふぁーすと「まぁ確かに・・・我々の出番も3話近く無いというのは
この小説の人気をガタ落ちさせる事になりますから」
魔王「まぁね・・・ロンリ―ウルフにはちょっとお灸をすえてやらないと」
ふぁーすと「五段腹スノーマンが死にましたけど」
魔王「ああ、あいつは僕に借りた借金返済の為に僕に渋々従っている奴だったから別にどうでも良い」
ふぁーすと「そうですか」

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