第一話 プロローグ
「ん……んぁ〜……ココ何所?」
目を覚ますと、そこは見知らぬ光景が目に入った。太陽の光が空から流れる水に反射して美しい景色を見せ、辺りにはこれまた美しい木々が立ち並んでいる。
はて? 俺は昨日は我が家の俺の部屋で寝ていたよな……どうなってんだこれ? つうかどういう事だ?! Why!!
「いや、何所って言われても、ソードアートオンラインの中だけど」
そんな俺の疑問に律儀に答えてくれた、隣に居る剣を携えた中世的な顔立ちの坊や……けんんんんんん!!!!! おいおいおいおい、どういうこった! 何で平和
な日本で剣なんかを携えているんだ。その前に、何でそんな服装なんだ? まるで、剣士じゃないか……うん? 待てよ、今この坊やは、『ソードアートオンライン』
という単語を発しなかったか? そうだよな、ソードアートオンライン……何所かで聞いたことがあるが、思い出せん。まぁいい。
「thank you. 坊や」
立ち上がった俺は、坊やの頭をワシャワシャと乱暴に撫でた後、俺は困惑している坊やを無視して宛も無しに歩き始める。
何かしらねぇが、面白そうな所だなココは……良い刺激を味わえそうだ。
何時の間にか俺は、ニヒルな笑みを浮かべていた。
Ha-Ha!! Let`s Party!!
これが、俺と坊やの出会いだった。
「なぁ、キリト。今の奴誰だ?」
さっきまでイノシシと戦っていたクラインが戻ってきた。これ位の敵なら倒せるぐらいには慣れたみたいだな。
「クライン……全く知らない奴だよ。まぁ、ここが何所かって聞かれたから、ソードアートオンラインの中って伝えた」
「????? どういうこった? 現実世界とごっちゃにしてんのか?」
「さぁな……」
今の奴、無駄にデカかったな。2m近くあったよな。それに……彼は一体何者なんだ? 皮のブーツに真っ赤な長ズボンに黒のインナーに、特に血の様に真っ赤なラバーコートを着ていた。そして、背中には自分の身長と同じぐらいデカイ大剣を携えて、腰にはそれに匹敵するぐらいの日本刀を帯刀していた。
彼は一体……何者なんだ?