小説『竜から妖精へ……』
作者:じーく()

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19話 裏魔法・魂の牢獄
















「くそ…」




火山地帯を離れても…

まだ、ジャックの顔からは無念感が…感じていた。

『…あれの正体は恐らく裏魔法だろうな。』

ジャックを見ながら、そう言った。

「何…?裏魔法…っていやぁ…」

ジャックは驚き…ゼルの方を見る。

『ああ、黒魔法の中でも特に危険とされている禁忌だ。使用者にも、相手にも…な。間違いない。』

そう言う。

「妖魔の…正体が魔法そのもの…というのか?」

驚きを隠せない。

魔法が…意思を持つなど…これまで、歴史上にも…なかったことなのだから…

『いや、違う… あれは 恐らく 裏魔法「魂の牢獄」だ。人を強制的に悪魔へと変換させる力だ。テイクオーバーとは違う。転生…と考えた方が良いな。力を借りるのではなく。そのものを取り込むんだ。」

そう言う…

『そして、使用者の魔力、そして、かける相手の魔力で力量も変わってくる。…あの様子じゃあ 力が大きすぎて制御できなくなったのだろう。それで暴走している…といったところだな。』

…つまりは…

「ゼレフが…元凶か…」

ジャックはゼルの言葉で確信した。

あの…歴代でも凶悪な黒魔道士…

人の命などなんとも… そんな男ならば…

ここ数年目だったことをしてなかったが…

動き出したのか…?

『……ゼレフでは間違いないとはおもう。感じが全く同じだからな、だが、いつかけたのかはわからない。少なく見積もっても数年は前だろう。』

…暴走したのが最近だ。

妖魔の噂がマグノリアにながれたのは…

だが、あの暴走の状態。

宿主の腐敗具合。

全てを見積もっても…

かなり時間が立っていると推察は出来る。

…考えてもわからない。

細かいところまでは、

『ふむ、とりあえず説明はここまでだ。今は、お前だジャック。はやく 戻るぞ。ギルドへ』

ギルドに行けば、治療する施設もある。

そして、治癒の力を持つものもいる。

ここから、病院とやらに行くのより遥かに早いのだ。

「あ…ああ… すまねえ…ゼル…」

ジャックは再びゼルの肩に捕まる。

(…不謹慎だとは思うが… 今の状況は悪くないな… 人の気持ちというものが…わかるな… 喜ばしい事だ…)

ゼルはそう感じていた。

まだ、短い付き合いだが…

仲間は助けたい。

ギルドは家族だ。

そう言った感情が…理解できるのだ…

とても…とても素晴らしいものだ…な…

この感情はいつまでも忘れない・・・

そう思っていた。



そして…マグノリアへと向かった。







ゼルは足が動かなくなったジャックを背負い…

ギルドへ到着した。

「ッッ!!ジャック!!」

迎えてくれていたメイビスは、一瞬で顔色が変わる…

「なっ 何が!一体何が!!はッはやく中へ!」

…メイビスが慌てるのは無理もないことだ。

彼は… ジャックは妖精の尻尾最強の魔道士だといっても過言ではない程の男だった。

過去に傷ついて帰ってきた事はあっても…

ここまで…なったことは…

『少し落ち着けメイビス。』

ゼルはメイビスの頭に手をのせる。

マスターと呼んでいたのだが…

何やら名前が良い!って言われたから呼び方を変えたんだ。

その時もギルドは騒がしかったな… 苦笑


『今意識がないのは眠っているからだ。 少しばかり状態が思わしくなかったからな、とりあえず 応急処置と強制的に眠ってもらった。』

そう説明してるが…

「っておいおい… 強制的って…」

「オヤジにんなことできるなんて…」

「ジャック!!」

メイビス以外もギルドメンバーが集まってきた。

『…いや、勘違いするなよ?スリープをかけたんだ。誰だって寝るさ。体力が落ちていれば効果は抜群だ。』

強制的という言葉が…あれだったか?

いくらなんでも、強引に気絶させたわけじゃ…

まぁ、睡眠の魔法も強引といえば強引か…

「よ…よかったぁ〜…」

メイビスはジャックを見ながらそう言う。

「ジャック〜〜!!」

「あ〜〜ん…」

ランドやサラ…ギルドの子供たちも心配なのだろう…

集まってきた。

「みんな。ジャック・・・大丈夫そうだから。寝かせてあげましょう?」

そう言うと…

皆…頷き。

そして、ギルドの奥の医務室へと連れて行った。




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