小説『竜から妖精へ……』
作者:じーく()

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22話 闇からの願い












『…素早い判断…決断も素晴らしいな…』

メイビスの性格ならば、1人で行かせるのは断固反対だろう。

心情的には…

だが、今は時間が無いのも明らか…

今一番何をすべきなのかわかっているようだった。

『これが、ギルドの長か…また認識を改める必要があるな…』

そう呟いて…笑う。

…が、直ぐに笑顔は消える…

『…竜人化を解除すれば速攻で片をつけられるが… 街も唯ではすむまい… 』

そう考える・・・

あの魔法は範囲も広ければ性質が悪いもの…

早ければそれに越した事は無いが…

その課程で街が壊れてしまえば本末転倒だ。

『…でもまあ… マスターに心配かけるわけにも行かない… さっさと終わらせるか。このままでも問題ない。』

そして、街の端へと…

気味が悪い魔力の方へ向かった。







街外れ…

そこは…美しい森が広がって…その間に丁度街道がある風景だったんだが…

『…見る影も無い…か。』

そう呟いた。

その風景は草木は枯れ…

生き物の死骸もそこらじゅうに落ちていた。

…辛うじてわかるのは大地。

街道のみ。

その両端は…


ゴッ!!!!!!!!!!!!!!!!


再び波動が迸る…

が…


『これ以上街を危険に晒すのは御免こうむるな。』


ガシュウウウウウ!!!!!!!!!!!


そう言って、防護を展開させ、打ち消した!


『いるんだろう… 出て来いよ。』

紫色の靄のような方を向いてそう言う…

すると…

靄を掻き分けるように、姿を現した。

それは漆黒の衣に身を纏ったもの…

死神…それが一番しっくり来るイメージか…

「お…おま…えは…」



どうやら…まだ微かに自我はあるようだ。

会話すら成り立たないと思っていたのだが。

『…?お前はオレに用があるのか…?』

ゼルはそう言う。

すると…そいつは、

「お…まえ・・だけだ・・ あ…あれを・・・ふせ…いだ。」

片言だが…

大体はわかる。

『…ほう、つまりオレを危険視してきたというのか?ここに。』

そう言う。

防ぐ…つまりは自分の攻撃が効かない相手…

つまりは自分にとって危険な相手…

だからこそ、真っ先にこのマグノリアへ来た?

ならば、こんなにはやくに現れたのも納得は出来る。

が…

返ってきたのは

「ちが…う・・・・ おま・・・えは・・・・おれを・・・」

『…?』

悪意の塊のような魔法を撒き散らしながら・・・近付いてくる。

「おれ・・・を… こわし…て…くれる・・・・・・ そんな…かんじが・・・した・・・ だから・・・きた・・・・・・」

いつか聞いた言葉…

これは…

『…ゼレフも似たような事を言っていたな…そういえばな。』

「ぜれ…フ…」

妖魔も反応を見せた…

「うがああああああああああああああ!!!!!!!!!!」






ゴォッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!






だが、それと同時に再び波動が辺りを支配する!

『…ふむ、厄介なものだ。威力は先ほどと変わらないが規模が膨れ上がっている。』

さっきの攻撃は俺を狙ったものだったが…

『街に影響が出かねないようにしないとな…ッ!』

こっちはこっちで、魔力を展開・拡散させる





ドゴオオオオオッ!!!!!!!!!!!!!!





相殺させる!


妖魔は…表情が変わったようだ。

「や…やは…り…」

安堵したような…そんな表情だ。



ゴォォォッ!!!!!!!!!!!!!



再び暗黒の波動が辺りを支配する。

『…壊してくれか…』

防ぎながら思うのは先ほどの男の発言。

そして…

少し前のことを思い出していた…

それは…人間をしろうと街へ降りた時のことだ…

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