小説『竜から妖精へ……』
作者:じーく()

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2話 幼い少女?














数日がたち…

人間の世の中を流れるように渡り歩いていた。

人の中でも互いに寄り添い… 生きてゆくものも中にはいた。

見ていて 微笑ましいと自然にでた。

懸命に生きている命とはこうも美しいのか…

命と命の繋がりは…これほどにまで美しいものなのか…

そう感じていた。

個として生きてきた俺には…

持つはずも無い感情だ。



更に数日がたつ…

人間の世を見て回るのも楽しいと感じていた。

だが…

人は…

今見てきた人たちを光とすると…

光があれば必ず闇もある。

人とは強欲な生き物でもある。

何処からか、俺の事を嗅ぎ付けてきた人間がいつの間にか俺を取り囲んでいた。


『何か様か?』

一言だけ…

そう言う。

「ギルドに依頼された。 貴様妖魔だそうじゃないか?」

いきなりそう言いよってくる。

人の世を見て回る過程で、争いの場に出くわす事も多々合った。

当然飛んでくる火の粉は掃わねばならないだろう。

微々たる焔だが 自身に降りかかってくるのなら仕方のないことだ。

そうなれば 当然敵意も向けられる。

それを掃えば掃うだけ…

人は標的を変えたようだ。

『突然何を言い出すのかと思えば… 愚かな事だ…』

ため息混じりにそう呟く。

「なんだと!?貴様!」

側にいた別の男が怒気を交えながら言い放つ。

『仮に… 俺が妖魔だとして… だったらどうだって言うんだ?人間ども…』

軽く殺気を出しながらそう呟いた。

「これは ギルドの仕事だ。妖魔退治っていうな。 仕事を遂行させてもらう… それだけだ。」

恐らくはリーダー格の男…

そして、めんどくさくて確認してなかったが、

気配を探ると、4人はいるようだ…

そして、感じる魔力も人間の中では良い部類に入るのだろうか…

だが、竜の前ではそれは無に等しいものだ。








ある程度の攻撃は無条件で受けていた。

如何なる魔力であっても、所詮は傷1つつけることは不可能だろう。

張り巡らされた魔力の障壁さえ突破できないだろう。


異様な気配を感じていたのか…人間は攻撃をやめ、こちらを見開く。

いや・・・ 魔力が尽きたのかもしれないな。

「き…貴様… これだけの・・・攻撃を食らってなぜ…」

息も絶え絶え…といったところか。

後者が正しかったようだ。

『今なら見逃してやる・・・ とっとと失せろ。』

静かにそう言うと…

その場を立ち去ろうとしていた。

「くっ… これでも俺たちはギルド最高・最強のチームだ!そう簡単に仕事を投げ出せるか!!」

男がそう言うと、周りのメンバーも力強く頷く…

そして一斉に魔法を放ってきた。

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やれやれ…

支えあっている人間と言うのは素晴らしいと思っていたが、こういうのはゴメンだな…

結束力は素晴らしいものだが…

そろそろ 腹も立ってくる。

人間のじゃれ合いに付き合うのが…


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…



男達が放った魔法は弾かれているが、

それは 魔法のせいで視界が悪くなっている為わかってなかったようだ。

『…さっき 今なら見逃してやるって言った後の攻撃だ…な。もう蹴散らすか…』

自身の右腕・左腕…

それぞれに魔力を…集中させる…

あまりやりすぎるとここら一帯が消し飛んでしまうかもしれないから、加減をしなければならない。

破壊は趣味ではないからだ…

だが… 人間が食らえばどうなるかはわからない…

そして、攻撃をしようとしたとき


カッ!!


辺り一面光で包まれる。

『?』

「なっなんだ?? この光は!」

突然の光だった為…とりあえず、攻撃は止めた。

そして、男達もある程度動揺していたようだ。

そして…その光の先を見ると…


幼い…少女が立っていた。








-3-
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