小説『竜から妖精へ……』
作者:じーく()

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33話 ナツとギルダーツ








































【フェアリーテイル】








回想…まあ、所謂ギルダーツの説明も一通り終わる…。

そして、場面は戻り…。

ここはフェアリーテイルの医務室…。

「っつーことがあったんだ。マスター。オレもどーすりゃいいかわかんなくてな?それで、そうするうちに、泣きつかれて眠ったよ。」

そう言ってギルダーツはゼクトを見る。

「へっ…こうしてみると唯の普通のガキ……なんだがな…。」

あの力量には目を見張るものがあった。

本当に子供なのか?と疑った。

だが……泣きつかれて寝ているとはいえ…。

顔は…… 年相応のものだった。

「ふむ…うちのギルドの名を聞いたとたん…か…」

マスターは考え込んだ。

「そう言うわけだ。マスター、こいつの事知ってるか?うちと関係ないとは到底思えねえんだ。」

そう聞くが……。

「うむ…さっきから考え込んではいるのじゃが……見覚えも聞き覚えもないわい。ゼクトと言うその名もな。」

マスターもわからないようだ。

「じゃが……ぬしとやりあった子供じゃ…… このままうちで預かろう。問題は無いかのぅ?」

ギルダーツにそう聞く。

ギルダーツと…やり合える。

そんな魔道士はいままで見た事がない。

そんな者が…もし敵であったら?

ギルドを危険に晒すやもしれん。

だが…… そんな心配はないと確信できる。

なぜなら……。

「問題はねーよ。こいつには…保護者や仲間が必要だ…。いつから一人なのかはしらねえがな?オレと戦る前はずっと寂しそうな目ェをしてたんだ。」

そしてマカロフのほうを見る。

「こんなガキ…ほっとくわけにゃいかねえーだろ?マスター。はじめにいってたしな?」

ギルダーツの…目だ。

本当に危険な者なのであれば…まず、小さなガキの多いこのギルドにつれて帰ったりはしない。

そして…

そう…ギルダーツの目…

それは、ガキを心配している親の目だ。

「はははっ…そうか、わかったわい。」

マカロフは…にかっと笑うと……。

「そのコはうちで預かろう!評議員の連中にも問題ないと伝えておくわぃ。」

そういった。

「サンキュっ、マスター。」

ギルダーツは手を上げた。


その時!



「おらー!!ギルダーツ!!!」

「ナツ!!何してやがる!」

「そーよ!中にけが人がいるんでしょ?そんなトコで暴れちゃだめだよ!」




外が…騒がしくなってきた。

「ふう……騒がしくなってきたら、ちょい相手してくるわ。」

ギルダーツは、そう言うと外へ……。








「やれやれ……。」

マカロフは…ギルダーツ同様…ため息をしていた。

「元気じゃのう………マジで。なーんも心配要らんな。ギルドの未来は。」

マカロフは笑顔になる。

「……本当に年端も行かぬ子供じゃ……。じゃが…。」

マカロフは、寝ているゼクトの顔に手を当てる…。

「むぅ……感じた事のない魔力を感じるな…力が見えぬ……。」

寝ていても、このコから発する魔力は健在だった。

おそらく、評議員の連中もこの不思議な魔力を視て…操作に踏み切ったんじゃろう

「ん……ん〜〜……」

宛がっていると、くすぐったそうに…していた。

「おっと…悪かったのぉ…」

すぐに手をのける。

そして……。

「目を覚ましたら聞けるじゃろう。今はそっとしておこう。」

そう言って、毛布をかけなおした。















そして…暫くして……。













「ギルダーツ!勝負だーーーー!!!」



“バキャン!!”



「がべぇぇぇ!!」




“ドカーーーン!”




壁が…壊れる音… 苦笑


「よーし!ナツ!とことんやってやる!表ぇでろ!」

ギルダーツがそう言う!



「いや…もう外にとんでっちゃッたよ?」

ハッピーがそうツッコむ!

「まったくアイツは……。こりねえな…。何回目だよ?」

グレイは…ため息しながらそう言うけど…。

「グレイこそ、何回目?服脱ぐの?」

ハッピーが…痛烈なツッコミを!

「って!ああ!!いつの間に!!」

またまた、あわてるグレイ…。

「まったくぅ〜……。」

ハッピーがやれやれ…って感じにしていた… 苦笑





そんな2人?はおいといて……。


ギルダーツはそのまま外へ……。



「おい!外に行こうぜ!!」

「そうだなっ!」

「ナツぅ…また ぼこられちゃうよ〜?」



ギルドの皆は…外へ!



そして、触発された者はまだいる。

「久しぶりの喧嘩だけど!一時休戦だよ!エルザ!あっちの方が面白そうだ!」

今の今まで…帰ってきたミラとエルザが喧嘩をしていたが……。

ギルダーツの久々のやる気を見てそっちの方が良いと判断したようだ。

「うむ!そうだな!私が先だ!」

「私だっ!!」





そして…われが先!っと互いに押し合いながら外へ……。



「ギルダーツもすげえな…毎日よ…」

酒を飲みつつそう言うのはマカオ…。

「ははっ…さっすがオヤジだな…」

パイプを吹かしながら同意するのはワカバだ、

「お前も歳考えたら、もうそろそろ、オヤジの仲間入りだろ?」

ニヤニヤしながらそう言うと…

「おめーに言われたくねえ!」

ワカバの反撃!

こっちはこっちで言い争い…

絶えず…そういった感じが続いているのだった…… 苦笑














そして…外で…


「おらーーー!!!」

またまた!殴りかかるが…。


“ペシッ♪”


かるーくビンタ?するように叩くと…。

「ほげえええ!!」


“ベッシャ……”


地面にめり込む…。

容赦ない一撃だ…。

「どうした?そんなもんか?ナツ。」

ギルダーツは笑いながらそう言う。







「ナツじゃ一生かかっても無理だな。」

グレイがそうニヤニヤしながら言ってるが…。

「お?じゃ いっちょやるか?グレイもよ?」

ギルダーツがそう言う…。

「いい”!!オレは良いよ!まだ!!」

あわててそう言う…。

ニヤニヤしている時!

「くっそ〜!!まだまだあ!!」

その隙にナツが!

「火竜の劍角ぅ!!」



“ズン!!”



炎を纏った頭突きをかます!!

「ぶっ!!」

腹に直接喰らって…思わず噴出してしまったギルダーツ…。




「おお!ナツが初めて有効打を入れたぞ??」

「けっ…卑怯じゃねえか?」

「何を言っておる!勝負の最中によそ見したギルダーツが悪いのだ!」

「でも…効いてる感じしないね…?」


観客…ギャラリーも沸いていた!



「どーだ!!ギルダー…ゴベッ!!!」


ギルダーツを見上げようとした瞬間!

肘うちを喰らって…ダウン……。


「きゅう〜〜〜〜……」


今度こそ…本当に……KOされたようだ。






「はは…強くなってんな?ナツ。だが、まだまだ…。」

地面に座り込みそう言う。

「く…っそー!」

ナツは…意識はあるものの、立ち上がる事ができない。

「ギルダー…ツ!お前は…一番つええ!ギルドで…いちばん…!でも…いつか…ぜってぇー勝ってやるっ!!」

ナツが…必死にそう言う。

「ははっ…おもしれえ…オレもお前には負けたくねえからな…いつでも相手になってやるよ。」

そう言ってナツを抱き起こす。

「ほれ…!さっさと戻るぞ?ギルドによ。」

「う〜〜……。」

ちょっと…悔しそうにしている。

動けないからか…?

肩車をしているギルダーツはまるでナツの父親のようだ……。

微笑ましく思える。





「ははは……やーっぱ ギルダーツはすげえな!」

「まったくだ!」





周りがそうはやしたてる!






そして…ギルドへ向かっている途中。

「そういえばギルダーツ!」

エルザがギルダーツのそばにまで来る。

「あん?どした?エルザ。」

ギルダーツは立ち止まって振り返る。

「さっき、帰ってきた時に、抱えていた者は何者なのだ?今朝もマスターと何やら話していたが、ひょっとして 新しい仲間なのか?」

そうきいていた。

そういえば…ナツの暴走ですっかり皆【彼】の事を忘れていたようだ。

「おおっと……そう言えばそうだな。忘れてた。」

まあ、ギルダーツも同様だったか…… 苦笑








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