小説『竜から妖精へ……』
作者:じーく()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

38話 いい男の条件  ミラ vs ゼクト



































結局……。



「さっ!戦ろうっ!」

凄くいい笑顔の女の子が、オレの前にいる……。

そのはち切れんばかりの笑顔の奥には……。

これまた凄く対照的な顔の女の子……。

「くっ……私は次か………。」

そう言って。

顔が怖い……。





















ちょっと時をさかのぼると……。

ミラとエルザの言い合いはずっと続いていた。

ゼクトはただただオロオロしていただけで……。

そんな時ギルダーツが来て……。

『おいおい…… いい女が取っ組み合いなんてするもんじゃねえぞ?』

そう言って入ってきた。



『私が先だ!』

『お前はさっき断られただろう!だから私だ!』



そう言う不毛な争いは続く……

『ったく…こいつら聞いちゃいねえな……』

ギルダーツは頭を掻いて……。

『おおい、2人とも。』

そう言って間に入る。


『何だ!』

『邪魔するなっ!』


ようやくギルダーツに気がついていた。

『ったく、ものの見事に無視してくれやがって……。あのな?お前らいい女は取っ組み合いなんざしねえし…それにな?』

ギルダーツは、ゼクトのほうを向いてウインク♪

『??』

不思議がってると……。

『いい男ってのは、頼み込んだ女を何度も断ったりしねえよ。今のはいきなりで慌てたんだろうさ。もういっちょ頼んでみ?ぜ〜ったい断ったりしないと思うぜ?順番なんざジャンケンで決めりゃ良いだろ?』

そう言って2人の頭を撫でていた。

『え…?えええ??』

話しの内容を聞くと……。

どうやら、下手したら2人と戦う事になるようだ。

…って!!

そうこうしてる間に、ミラとエルザはいい笑顔になり、ジャンケンをしだした。

……アイコが続いているようだ。

『っつーわけだ!がんばれよ?ゼクト!』

いつの間にか傍に来ていたギルダーツは…。

これまた、ニヤッ!っといい笑顔で……。

『ちょっと!アン…じゃなく!ギルダーツ!何をっ!』

突然決まった、それも本人の意思とは関係なく。

その事に物申す!

『良いだろ?ナツとの一戦で疲れた!感じがしてねえし?』

ケロっとしてるし……。

『いやいや……そもそも、オレは女の子と戦うなんて、嫌なんだよっ!男がすることじゃないよ!』

必死に!!

そう言う。

『なーに いっぱいしな事言ってんだ?色気づいてよ?』

笑ってるし…。

『いや…そんな事じゃないだろ?普通…そうなんじゃないか!?』

そう叫ぶ!

『はははっ…まあ、間違っちゃいねえが、それでもよ?』

ギルダーツは笑いながら……。

『たぶんよ?お前さんが断り続けたら……あいつらきっと傷つくぜ?それこそ、男が女にする事じゃねえと思うんだけどなぁ?』

そう言う……。

(まあ、傷つく…っというより、すっげー怒るだろうな?でも…こういっときゃあ…)

そう思いながらゼクトを見ると…。

『う……。』

言葉に詰まっていた。効果覿面だ。

『ははっ…… お前、記憶が無えって言うのに、そう言った感性はあるんだな?』

ギルダーツは笑いながら……。

『流石にそれは酷い。オレは、あの場所…それにここ。何で好きなのか。それがわからないだけで…。』

ため息しながら……。

『はははっ、悪かったよ。……おっ?向こうもおわったみたいだぞ?』

ギルダーツがそう言うと……。

『えっ…?』

ゼクトも振り向く。

すると…そこには、

笑顔でVサインをするミラと、殺気をワナワナ…っと出している実に対照的な2人がいたのだった。

『ええっと……これって。』

ギルダーツのほうを見ると…。

『決まりだな?まあ、がんばれ!』

他人事………。

『もう……。』

ため息だ。

『はははっ、まあ 答えてやれ。いい男の特権だ。義務だ。』

無茶言ってるし……。

『まあ、後気をつけるとこっつったら、顔は狙うなよ?』

ここだけ大真面目……。

『狙わないよ!当たり前っ!』

……ってことは、もうどう足掻いても結局戦うってことだ。

『ん〜〜……うがっ!!』

ウジウジするの止め!!

『おおぅ?』

ギルダーツはちょっとビクッ!っとしていたみたいだ。

ちょっとした仕返しになった。そう思うとしてやったりだ。

『よし…覚悟決めた。』

ぐっと…力を入れると…。

はぁ…………っとさっきとは対照的に、ため息しながら…向かっていった。







『ははっ…アイツ、コロコロ表情変わっておもしれえな… マジで連れてきて良かったな。』

若干猫背になってるゼクトを見ながら苦笑いする。

そんな時…。

『よぉ、オヤジ。』

背後から声が聞こえた。

『おう。ラクサスか?オレの後ろ取るなんざおめえも随分腕上げたか?』

笑いながらそう言う。

『あほな事言ってんじゃねえよ。それよか、アイツの事だよ。』

ラクサスは、そう言うと……。

ゼクトを指差していた。

…猫背になってるけど。

『アイツ…かなり出きるな?いったい何者だ?』

ナツとの戦い。

動きは確かに目を見張った。

見切る事は十分に出来るが。

オレはあれ以上の速度で動こうと思えば楽勝で出来る。

だが、それは雷を付加した能力でだ。

アイツは魔法を使ったわけでもなく、純粋な身体能力って感じだった。

それが……異常とまでは行かずとも、かなりの者ってことだ。

『ははっ、今度はお前か…アイツ、こんな短期間で人気モンになったみたいだな。』
ゲラゲラ笑ってら……。

『また、あほみてえなこと言って…今オレまで突っかかるわけ無いだろ。このままじゃアイツ3連戦だろうが。んな時につけこむか。』

ため息……。

『あん?へっ…たぶんアイツならやれると思うがな?』

ギルダーツは不敵に笑う。

『んだと?』

ラクサスはそう言う。

『まあ、純粋な能力だったら…の話だ。アイツは何でかわからんが、このギルドが好き見たいでな?ナツと戦うのにも躊躇っていうか出来ないって言ってたんだぜ?』

笑いながらそう言う。

『…それはおいとく。それよか、オヤジはアイツとオレ…戦ったらアイツが勝つって思ってんのか?』

不敵に笑うって事は…そう感じてもおかしくない。

『さあ…どうだろうな?』

これまた、不敵に…。

『おもしれえな……。』

ラクサスも笑っていた。

ギルダーツの実力は十分すぎるほどラクサスは知っている。

間違いなくこのギルドNo1の魔道士だ。

それは恐らくじじいを含めて……。

そんな奴が言うってことは……。

『今日の結果次第でオレもアイツと戦ってみるか……。』

ラクサスはそう言うと……

ギルダーツから離れていった。

『ほんっと、人気者だな……。』

ギルダーツはそう言って笑う。

ちょっと煽っただけで、あのラクサスもやる気を出していた。

最近は複雑な心境を持ってる幹事がするんだがな。

マスターの孫…って言う重荷でま……。



それに戦いこそが最大のコミュニケーション!!な〜んて、ことは言わないが、

少なくとも、全力でぶつかれば相手が見えてくる。

それは戦いだけではない。

勉強にしたって遊びにしたって……

全てにおいてだ。

……まあ、簡単に言えば良い事なんだ。

これから仲間になるんだから。

ラクサスにも…きっと良い影響がでる…。

『どうだろうな?未来…先のことはわからねえし?』

結局はなるようになる!って事なのだろう……。














そして、場面は元に戻る。

ギルドの皆も興味津々っていった感じだ。

初めはグレイが、色々言ってたと思うけど……。

ミラやエルザがきてから一気に下がった。

白旗…なのかな? 苦笑



「さあ!私とやるぞ!」

ミラのとても良い笑顔だ…。

「うん。お手柔らかにね?」

ゼクトはそう言って前に立った。

「む?手を抜くなよっ?」

念を押す!!

「そんな事はしないよ。相手に失礼だから。」

覚悟を決めた!!以上は…ねえ? 

「ふふっ…楽しみだ。」

ミラは、腕を振り…そして手を鳴らす。

そして……。




“カッ!!………ゴゴゴゴゴゴゴゴ…………………”



何やら光に包まれたと思えば……。

ミラは変身していた。

ってか?何?この姿…。

尻尾・羽・目つきも鋭くなって……。

「ははっ!驚いた?」

ちょっと嬉しそうにそう言う。

「これは、サタン・ソウルって言うんだ。全身接収。その身に魔王の力を身に纏わせる!」

手に…魔力を溜めた球状の塊を出す…。

「凄いね……。」

ちょっと驚いていた。

女の子なのに…。

こんな力があるんだ。

ちょっと差別って感じだったかな?さっきまでの考えって……。

「ははっ!そーだろっ?でも…ちょっと、目つきが…気になっちゃうけど……」

うん…確かに。

すんごく鋭いし……つりあがってる。

「さっ!そんな事はいいでしょ!やるよ!」

コンプレックスなのかな?

ちょっとごまかしているけど…。

魔法を解除したらそんなの消えるし、問題にするほどってわけでもなさそうだ。

「うん。OKだよ。」

ゼクトはうなずくと……。



「ほれ!はじめっ!」



ギルダーツがそう言うと!


“ギュンッ!!!”


低空飛行で滑空してきたミラが一気に間合いをつめてきた!

「おっ!?」

ゼクトは、ミラには翼があるから…飛ぶとは思ったけど、いきなりでちょっと面食らったようだ。

「先制でいきなりだけど……悪く思わないでねっ?」

密着した状態でニコッ!っと笑うミラ。

ちょっと…一瞬ドキッ…っとした。



その瞬間!



「イビル・スパークっ!」


両手の先から迸る黒紫の雷撃。

密着してそれは、ゼクトの体を貫いた!



“ズッシャアアアアア!!!!!!!バリバリバリバリっ!!!!!”



けたましい音と共に……。

辺りに、砂埃が舞い上がった。









-39-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




コスプレ道具・小物/ FAIRY TAIL(フェアリーテイル)グレイ・ソルージュ ネックレス
新品 \500
中古 \
(参考価格:\980)