小説『竜から妖精へ……』
作者:じーく()

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43話 ゼクト vs エルザ その拳を使うべき相手は……




































そして、恒例?となったギルダーツが……。

「よぉ〜〜し。さて……いくぜ?」

前にくる。

「はじめぃ!!」

その一言で、手合わせが始まる!




「よし!まずは!私の魔法を見せてやろう!……換装!」




“パァァァァァァ…………”




そう言うと……エルザの体が光る!!

「わっ……わわっ……!」

ゼクトは、光り輝くエルザを見て驚いていた。

「雷帝の鎧!」

そして、エルザは光が消えると……別の鎧に変わっていた。

「わぁ………凄いね……。」

ゼクトは……感心しっぱなし!って感じだ。

「ふふふ……これは、別空間にストックしてる鎧だ!」

驚いているゼクトを見て嬉しいのか笑顔でそう言っていた。

「うん……綺麗だったよ。」

そう言うと……。

「っ!!なっ!!!」

エルザは……突然の事に、驚きながら……慌てながら、

それを見たギャラリーは……さらに沸く!!



「はははは……」

「ほんっと天然だなっ?」

「微笑ましいぜ〜」

「エルザのあんな顔!はじめて見た。」

「む〜〜〜………。」



などなど……。

中にはエルザのこと……気にしてる?様なのも……勿論その中にミラは……かなり怖い。 苦笑


「え?…ええ??その……っ……。」


ゼクトも当然。

いきなりで慌ててた。

「ッ!おい!集中しないかっ//」

エルザも……慌ててはいたが……急いでごまかし!!

中断するわけにも行かないからだ。

はじめ!の合図もあったことだし。

「あっ!うんっ!」

ゼクトも前に集中した。

しっかりと向き合わないと…相手に失礼だからだ!

でも……。

「ごめんね?その……変なこと言って…。」

怒らせた……そう思ったみたいだ。

「っ!!だから怒ってない///そんな顔するなっ」

エルザは慌てて……そう言う。

「あ……うん!」

ゼクトは顔を戻した。

「さぁ!!やるぞっ…///」

エルザは、まだまだ顔が赤いが……必死に顔を戻した。

そして……雷帝の槍を正面に掲げ!



「雷鳴招来(エレクトリック・スパーク)っ!!」



“バリバリバリッ!!!”



エルザは槍を突き出す!!

すると雷撃が迸りながらゼクトの方へと向かった!!


「っ!」


“ビュンッ!!”

ゼクトは直ぐに回避!!

雷は早い攻撃だ。

だが……。

それでもゼクトの方が早かった。

「何っ?見失った!?」

エルザは、雷撃が着弾したときの砂埃のせいで見失っていたようだ。



“ヒュンッ!!”



一瞬。

ほんの一瞬気配が感じた!

「ッ!!」

エルザは、咄嗟に!



「飛翔の鎧ッ!!」


“パァァァァァァ…………”


素早く換装しなおす!


「わっ!」


突然の鎧変更に、ゼクトはびっくりしたようだ。

わずかながら、スピードが落ちていた。


「そこだっ!!」


“ヒュンッ!!”


飛翔の鎧……。

それは、その鎧を身に纏ったものの素早さを向上させる鎧。

まさに鎧の名の如くの素早さになるのだ。

そして、姿を捕らえたエルザは……!


“ザンッ!!”


ゼクトを剣できりつける!!

その姿はシルエットとして皆に目撃された。

それを見ていたギャラリーは……。




「って!エルザ!!切るなんてやりすぎだろ!?」

「いつもやる事無茶苦茶な気がするが、今回は流石になぁ…… 大丈夫か?ゼクト。」

「あわわわわ………。」




等々……。

ゼクトの心配をしてくれていた。

新人にここまで、心配してくれるなんて……。

なんて……良いギルドなんだろう……。

まあ、エルザがやりすぎてるからって思うけど…… 苦笑

だが……。

心配してないものもいる。

「何言ってんだ……皆して。」

ミラだ。

「えっ?どう言う事?ミラ姉?」

リサーナが傍で聞く。

勿論ナツもいた。

「ゼ…クト!簡単に負けんじゃ……。あう……まだ、痺れ……とれね……」

まだまだ、しびれていたようだ。

びりびり~~っと……。

「はぁ……だから、ナツもリサーナもよく見てみろって。エルザの表情。」

ミラはエルザをさしながらそう言う。

「え?」

「……えぇ?」

2人は……エルザの顔を見てみる。

その顔は……戸惑い……驚き……そんな感じの表情だ。








「ッ……」

エルザは、驚いていた。

飛翔の鎧の効果……。

それは、字の如く己の速度を上昇させてくれる。

それはまさしく飛ぶが如しだ。

そして、完全に油断をついたと思った一撃。

間合いに入って……間違いなく攻撃を当てた。

そう錯覚するほどに……。

でも………。

「感触が………まるで……。」


剣に……何も無いのだ。

当てたはずなのに………。

ただ……一瞬見たのはゼクトが両手を合わせたその瞬間だけ。



『ふぅ……危なかったよ。それに怖かった……』



そう言いながら後ろから出てきたのはゼクトだ。

「ッ…… あの間合いで……あの速度で、いったいどうやって。」

エルザには冷や汗が止まっていなかった。


『えっと………質問とかには答えたいって思うんだけど……。 いくら仲間でもさ?流石に手合わせしてる相手に手の内を教えるのは……どうかと思うんだけど……。』


ちょっと困りながらそう言う。

「むぅ……確かにそうだなっ!なら………。」

エルザは、鎧を解除すると……。



「換装・天輪の鎧!!」


そう言うと………白銀の鎧に包まれた。

『わわっ……。』

ゼクトは、また……驚いていた。 苦笑



「ゼクトの速さは飛翔の鎧でも追いつけないみたいだ。なら……物量で押し切ってみせる!」

エルザが剣を構え……ゼクトに向けると!


“ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン………………。”


頭上から……次々と剣が現れた!


『わっ…わわっ!!』


一つ一つに驚いているゼクト。

それは……本当に純粋に驚いているようだ。

それこそ、子供のように。































「ったく……あいつ。ほんっとっ……ガキなんだな?オレとやったときはそんな雰囲気全く見せてなかったくせによぉ?」

ギルダーツは、そう呟きながらゼクトを見ていた。

「ふふ……と言う事はまだまだ あやつは本気などなっていないって事かのぉ?」

マカロフも隣に……。

「ん?ああ、だろうよ。ん……?いやわかんねーな。【今の】アイツにとっては全力だと思うがな。」

そう言って笑う。

「ふむ……。そう、じゃろうな。」

マカロフもギルダーツの意図に直ぐにわかったようだ。

好きな仲間と戦うときと、敵と戦うとき。

おのずとその力量は変わる。

本人がいくら本気と言おうと……だ。

これは、ただの手合わせなのだから。

「…………。」

そこにやってきたのはラクサスだ。

「お?次はお前もやってみたい!って言い出すのか?さっきは【今日】はやらねえ…見たいな事言ってたくせによ?」

ギルダーツがニカッ…っと笑いながらそう言う。

「………どうだろうな。ただ…おっさんが言っいた意味は大体理解したつもりだよ。」

ラクサスはそういいながら、ゼクトを見ていた。

無邪気なくせに……底知れない何かを感じる。

これだけ離れていても……だ。

「ラクサス…いったじゃろ?」

マカロフがそういいながらラクサスを見る。

「あん?」

ラクサスは何のことかわかってないようだ。

「ほれ……昨日に言ったじゃろ?ひょっとすればとんでもないルーキーが入ってくるかもしれないってのぉ?」

ニカッ…っと笑いながら。

「へっ……そういえば、んな事言ってたっけか。」

ラクサスは、そう言って苦笑いをしていた。

「ははは……」

ラクサスを見て苦笑していた。

ラクサスは、マスターマカロフの孫……そう言った意味でも色々な苦悩があった。

そして……もう一つの事件もあり………。

複雑な心境だったのだが……。

ゼクトが来て、互いに向上心を持っていけば……。

ラクサスも救われるかもしれない。

そう考えていたのだ。

「おっ…?動きがあるようだな。」

ギルダーツがそう言うと、皆。

ゼクトとエルザの戦いの方に向いた。





























「こら!驚いてばかり無いでちょっとは集中しろ!」

エルザは、そう言う!

ちょっとは 嬉しいんだ。

自分の魔法に驚いてくれるって事は。

でも…こっちは魔力を大幅に消費し……さらに集中してるのに。

ゼクトは興味津々!といったばかりにだ。

攻撃してきて防いだり…っとかしないで、ただ見ていた。


『あっ……ゴメン。他人の魔法…こんなにじっくり見るの初めてだからつい……。』


ゼクトは苦笑いしていた。

今の今まで、戦う相手は倒すべき相手。

だから、こんな事全く無いことだったのだ。

ミラの時も…正直見ていたかったけど。

……女の子と……その……

だから、早く終わらせたいと言う気持ちもあった。

だから…。

「…………むぅ。」

エルザはやっぱり不満はあった。

それこそ、ゼクトじゃなければ、「なめるなっ!」とか、言うかもしれないほどに。

本当に初めてだって事はわかるのだ。

ゼクトの事を考えるとだ。

「む!なら!こっちからいくぞっ!」

エルザは剣出しをやめ……それを打ち放つ!!


「舞い飛べ!剣たち!!」


“ビュバババババババ!!!”


その数、実に50を超えた数だ。

四方八方から飛んでくる!


『ん……。』


ゼクトは、剣の軌道……それらを見る。

「この剣たちは私の魔力…私の意志で自由自在に軌道をかえられる!避け切れるか!」

ゼクトの行動をみて、エルザはそう叫ぶ!

この状況でどうするのか?

さっき消えて見せた事の真相がわかる!

そうも考えていた。



『ウインド・ドライブ……』


そう言うと……。


“カッ!!”


ゼクトの足元が光りだす!


「なっ…なんだ?この魔力は!」


エルザが……意識を乱した。

何故なら……ゼクトの魔力の質が変わったから。

ナツの時……そして、ミラの時同様にだ。



「くっ……!行けッ!剣たち!!」


四方八方の剣が……一斉にゼクトへ向かう!


『行くよ……。 ウインド・カンデュラ……。』



“ビュオオオオッ!!!”



竜巻の様なものがゼクトに集中したと思えば…!


“ガキガキガキガキッ!!!”


剣たちは……ゼクトに当たることがまるで無くなった。

見えない何かに打ち落とされているかのようだ。

次々と撃ち放つが、全て遮断される。

攻撃が……通じないのだ。


「わ…私の剣が!!」


エルザは驚き…戸惑っていた。

その時!!



『………ウインド・フェスト。』



いつの間にか……エルザの背後に!

「しまっ……!!」

気づいたときには既に遅かった。

竜巻の様なところには既におらず……。

わからない。本当にいつの間にかわからないが。

エルザの背後にいたのだ。

エルザは技後硬直。

ゼクトが攻撃をする前に動く事は……できない。

そして……。

その風?を纏った拳が……エルザの顔にっ……!


“ピタッ……。”


届くかその刹那の隙間でとめた。


『…………殴ったりは出来ないよ。ゴメン……本気でやれ!って言われたけど…その、やっぱり……。』


ゼクトはそう苦笑いしながら言う。

そして、拳を下げた。

ミラのとき同様……やっぱり女の子には……その上フェアリーテイルであり……仲間である者には……。

いくら手合わせだって言っても厳しいのだろう。


「くっ……う………。」


エルザは…、まだ……驚きを隠せてないが……。

目を瞑り……。

「わたしの……負けだ。」


そう言って……魔法を解除し……最初の鎧に戻っていった。







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