小説『竜から妖精へ……』
作者:じーく()

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47話 初仕事と約束



























次の日。


「ほらっ!ゼクト起きて?朝だよ?」


声が……聞こえてくる。

この感じは……レビィかな……。



「おい!レビィ!私が起こすんだ!」

「いいや!私だ!」



「もう!暴れないでよ!ゼクト昨日の事できっとつかれてるんだから!」



また……声が……、 苦笑

なんだか……騒がしいね…。



「おぉぉい!朝だっ!勝負しろーーゼクト!!!」


朝っぱらから……。

炎を出してるナツ、

そして、勿論、飛び込んできたときにイスやらに当たって吹き飛んで……


“ガンッ!!”


「ブッ!!何しやがるんだよ!ナツ!!」

狙ってたかのようにグレイに当たって……。




「てめーは本ッ当に単細胞だな!なんで、ゼクトに昨日ボコボコにされたのに、今日早速勝負!って言えんだよ!」

「うっせーな!今日のオレは昨日とは違うんだよ!」




……またまた、喧嘩が始まった。


「ナ〜ツゥ〜〜……朝っぱらからやめようよぉ……。って言うか、うるさいよぉ……」

眠たそうに目をこすっているのはハッピーだ。

ほんとに眠たそう……飛んでてもふらふらしてるし……。



「そうだよぉ…?ナツ。もうちょっと落ち着いてよ。ゼクトおきちゃうって。」

リサーナがナツにそう言う。

どうやら、ゼクトの事を心配してくれてるようだ。


でもね……ふぅ。


「ふぁ〜〜……ありがと……。おきて……るから良いよ?」

ムクッと起き上がる。

「おはぁよぉ……皆…。むにゃ……。」

まだ、眠たそうだが、目をこすって、そして開けた。

すると、“ピョンッ!”っと飛ぶように前にきてくれたのは……。


「あはっ!おはよっゼクト!もう朝だよっ?顔を洗ってきたら!」


レビィだった。それも良い笑顔!こっちも笑顔になるような……。

ミラやエルザは、まだ決着?が付かないみたいで、戦ってるし……。

「あっ……うん。ありがとね。」

そう言うと、ふらふらと、動く……。

「あっ!ちょっと!ゼクト場所わかるの?」

ふらふら〜っとしてるぜクトを見かねて、レビィが支えながらそう聞くと……。

「あ……そっか……わかんない……や。」


そう言う……。

目が覚めたのは医務室で、説明とか無く、突然の連続のバトル……そして宴会だったから……。

どうなんだろ?それって…… 苦笑


「ふぅ…ほ〜らっ!こっちだよ?ゼクト。前見えてる??」

手を引っ張ってあげると……。

「あっ……うん……。ありがと……レビぃ…。」

まだ眠そうだったけど……はっきりと名前を呼んでくれた。

覚えてくれたみたいだ。

「よかった………。覚えてくれた………。」

ほっとしていたレビィ。

そんな様子は、ゼクトには当然わからなかった。














ちょうどその時!



「ああっ!!!ゼクトいないぞっ!!」

「いつの間にだ!」



大慌ての2人……。

それだけ白熱していたのだろうか…… 苦笑


「はぁ……ミラ姉……ゼクトなら、レビィと一緒に行っちゃったよ?」

リサーナが、ため息交じりで、そう言う。



「なにッ!!」

「レビィと……だと!」



2人はいきり立つ!!

「はぁ……もう!今は2人の負けッ!…だと思うよ!レビィはちゃんとゼクトのこと!気遣ってあげてたんだから!もう、2人とも女の子だったら、ちゃんとしてあげなきゃ!」

リサーナは人差し指をたててそう言う。



「むぅ〜〜……」

「ぐぅ〜〜……」



2人はいきりたってたのだが……毒気抜かれてしまったみたいで、少し反省していた。


















「はいっ!タオル。」

レビィは、顔を洗っていたゼクトにタオルを渡す。

「うん…ありがと。はぁ〜……さっぱりしたよ。」

笑顔で、ぐ〜〜っと手を伸ばす。

「あっ!そーだ。レビィ!」

完全に目が覚めたゼクトはレビィのほうを向く。

「うん?」

レビィは可愛く首をかしげていた。

「今日はよろしく頼むねっ?オレの初仕事!」

そういった。

「あ……///そ!そうだね!うん!こっちこそよろしくッ!」

レビィは思い出しながら、顔を赤く染めていた……。

「ん??どうしたの。顔……赤いよ?大丈夫?」

ゼクトはレビィの顔を覗き込みながら……。

「って///わぁ!だいじょーぶ!だよっ!ほらっ、早くいこ!」

背中をグイグイッ!と押しながら…。

「え?あっ うん!ほっ…… 大丈夫みたいでよかった。」

ゼクトはそう呟くと、自分の足で歩く。

(もう……。優しくするの反則…だよぉ……///)

顔を見られないように……レビィは背中を押していった。










そして、依頼(クエスト)ボードの前へ……。

「へぇ……色々とあるんだ。この貼り付けてるのは全部そうなの?」

ゼクトはボードを見ながらそう聞く。

「うんっ そうだよ?あ……ゼクトは強いから、きっと問題ないんだと思うんだけど、初ってこともあるからこの辺りのは多分マスターに だダメって言われると思うからね?」

レビィは指を刺しながらそう言う。

そのあたりは、危険人物の捕縛や討伐、凶悪モンスター……。

主に戦闘系の依頼のようだ。

「うん……。なるほど……。」

うなずきながら、見ていた。

そこに……。

「おっ?早速仕事へいくのか?」

マスターがやってくる。

「あ…マスター!うん。レビィに色々教えてもらってね。やってみようかなって。」

そう言う。

「ほっほ。そうか、レビィも早いの〜〜。」

ニヤニヤ笑いながら…。

「わぁ!何言ってるのよ!マスター!私はただ、初めてだから……。」

もじもじしてる……。

「え?早い?朝だから??」

キョトンとしてるのはゼクトだ。

「…………。」

レビィは、ちょっと表情を落として……。

最後にはため息を……。

「ま……まぁ〜まぁ〜じっくりいくことじゃ。仕事も……その【これもな】??」

マスターは、慰めてる……?

どう言う事だろ?っと思いながら話しかけようとしたとき。


「おぉいゼクトォ……。」

首をガシッ!っと握られた!

「わぁ!」

ちょっと驚きながら見てみると…。

いたのは……。

「なんだ、ギルダーツか………」

ため息……。

「なんだよぉ。なんだかつめてえなぁ。折角激励にきたんだぜ?初仕事によ?」

ギルダーツは苦笑いしながらそう言う。

「もぅ……驚かせたりするのはギルダーツだよね。うん、そろそろ学習しないと……。」

はぁ……。

「いやいや、早く見切りつけんのはどうかと思うぜ?特にこのギルドじゃな。」

そう言って笑う。






そして、次には真剣なものになっていた。

「……?どうしたの。」

聞くと。

「お前……レビィをちゃんと守ってやれよ?どんな仕事だって、何が起こるかはわからねえからな。」

そう言っていた。

「……うん。勿論だ。」

はっきりとそう言う。

「良い答えだ。約束だぜ?男と男のな。」

そう言って前に立つ。

「うん。レビィはオレの為について来てくれるから。約束する……。」

その答えを聞くとギルダーツは笑顔になってゼクトの頭に手をのせる。


“ポン……。”


頭に残る感触……。

それは心地良いものだった。

親…に抱く感情なのだろうか?

このときはゼクトはよくわかっていなかった。









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