小説『竜から妖精へ……』
作者:じーく()

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48話 初仕事は人探し




























「さっ!ゼクト!これが【クエスト・ボード】だよ!ここに依頼書が張ってるからここでどんな仕事をするか選ぶんだっ。」

レビィは、クエスト・ボードの前に立ってそう言う。

「へぇ……」

ゼクトは、一つ一つの依頼書を見ていた。

「何々……【探し物探してます。形見の指輪……】【盗賊捕縛依頼……】【呪術陣の解放】【術式の解読】……etc」

眺めながら………。

「いっぱいだね……何にしようかな……。」

ゼクトは“うう〜〜ん”っと唸りながら考え込む。

「あはは………そんなに考え込まないでいいと思うよ??気軽に決めちゃったら?まあ、危なさそうなのは流石にマスターがストップかけると思うけどね?」

レビィは笑いながらそう言う。

「ん〜〜でもさ?もうちょっと考えさせて?だってさ……」

ゼクトはレビィにそう言う。

「??」

「だって、レビィとの初の仕事だからね?」

ゼクトが笑顔でそう言う。

「ッッ///」

レビィは顔を真っ赤にさせる……。

「う〜ん……どれがいいかな……。」

そんなレビィの事は知らず……再びクエスト・ボードを見ていた。

(も〜〜……//いきなりはずるいよぉ……)

レビィは必死に顔を元にもどそうとしていた。 苦笑


















「むむむむむむ!!」

「ぐぐぐぐぐぐ!!」

離れたところで唸っているのは……

「はいっ!ダメだよっ2人とも!今回はレビィの勝ちなんだからね♪」

あははっ!っと笑っていたのはリサーナ。

こう言う(恋愛??)話題だったら……

一枚も二枚もリサーナが上のようだね?

あの2人を抑えられてるし…… 笑

まあ、勿論唸っているのはエルザとミラだ。

(でもやっぱし、ゼクトカッコいいな?自然にああいう風に言うからね……。狙ってないだけ威力抜群だよね〜。)

リサーナはそう思いながら……そして、笑顔で見ていた。

(私もやっぱし狙っちゃおうかなっ??)

「な〜〜んてっ!あはっ!」

やっぱり笑っちゃうみたいだ。



「む〜〜〜……今日は仕方ないとはいえ…あの2人を見てるとイライラしてしまうから…」

「奇遇だな、私もそうだ……」

2人は互いの顔を見ると……




「「さっきの続きだ!!!!」」




“ドッタンバッタン!!ドガガガガガ!!”


再び暴れだした…… 苦笑


「はぁ……これはとめられないよぉ……」

リサーナは、肩を落とす……。

「ならオレがやってやる〜〜〜!!」

ナツが立候補!!

さっきまで、グレイと喧嘩してたのに??

「エルザ〜〜ミラ〜〜!!オレが相手d「「邪魔だっっ!!」」がべぇぇぇ!!!」


“ドゴンッ!!”


カウンター気味にミラとエルザのダブルパンチ!炸裂!!




「ははは……やっぱり、バカだなアイツ。なんで懲りねーかなぁ?」


グレイは……離れたところで苦笑いしていた。

最初の喧嘩はどうなったの……?

って突っ込むのは野暮だろう。

大した理由も無くしてるし…… 苦笑












「む〜〜……なんだか、うるさくなったね?折角の初仕事だっていうのに〜。」

レビィはそうむくれていた

「あははっ……いつも賑やか!いいじゃないかな?」

ゼクトは見渡しながらそう言う。

何故……初めからこんなに好きなのかはわからない。

聞き覚えがあるのかもわからない。

だけど……。

「わからなくたって良い……か。今この瞬間だけで十分……。」

好きになる……のは。

「ん??何か言った?」

「いや……なんでもないさ。」

そう言って笑う。

そんな時だ……。


“くいっ……くいっ………”


「ん?」

誰かが服を引っ張った?

振り返って見ると……。

「あ……あの……」

小さな…女の子だ。

一回りくらいの……。

「あっ!ルンちゃん!どうしたの?」

レビィも気づき、しゃがみこむ。

「ええ……っと…そのっ……」

何やら……緊張してるのかな?

「どうしたの…?」

ゼクトもしゃがみ込み話しかけた。

その時!


「っ!あっあのっ!助けてっ!!」


ルンと呼ばれる少女はゼクトに抱きついた。

何やら……悲痛な感じの声だった。


「わっ…!ど…どうしたの?」


ゼクトも突然の事で驚く。


「何が…あったの?ルンちゃん。」


レビィも……心配そうに頭を撫でながらそう聞く。

ルンは……涙を流しながら…

「じゅーどが……うぅ……。」

泣きじゃくりながら……言う。

「ジュード…?あのいつも一緒に遊んでる子?」

レビィはそう聞く。


「う……うん……わた…わたしがムリ言ったから……か…かえってこなくなって……」


泣きじゃくりながらそう言う。












話を聞くと……。



どうやら、友達のジュードがルンの為に花を森まで採りにいくと言って戻ってこなくなったらしい。


別の女の子が髪飾りとして付けていた花をほしいと思い…、

でもそれは街には無く、森に採取りにいかないといけないものだった。

ジュードは寂しそうにしているルンを励ましながら自分がとってくると言って森へと向かっていった。

ルンは自分も行くと言って一緒に入っていったのだが……。

途中で2人は逸れてしまって迷子になってしまったらしい……。

ルンは街へと何とか帰ってこれたが……

ジュードはずっと帰ってこない。

それが不安で……不安で………。

そこにこのギルド……フェアリーテイルがあることを思いついて、ここまで来たらしいのだ。
















「うっ……うっ……」

レビィが慰めているが……

涙は枯れることなく流れ出ていた。

「………。ねえ?レビィ。」

ゼクトはそんなレビィを見る。

「……あっ、どうしたの?」

レビィは……顔だけゼクトに向けて聞き返した。

「ほら、依頼書ってさ?困ってる人がギルドに出して……それで ここにはられるんだよね?」

ゼクトはそう聞く。

「え……?うん。そうだよ。」

レビィは頷いた。

「よっし!これを初仕事にしよう!」

ゼクトはそう宣言した。

「え?」

レビィは、きょとん……としながらゼクトを見ていた。

「ほら……この子、困ってるでしょ?なら、助けてあげないと!」

そう言って笑顔でそう言う。

「う……うんっ!そうだよね!」

すぐにレビィも勿論承諾する。

「ルン……ちゃんだね?」

ゼクトはしゃがみ込む。

「う……うん……。」

まだ、泣いていたが……涙でくしゃくしゃの顔をゼクトに向けた。

「任せといて?君の友達は必ず助けてあげる。約束するから!」

そう言って頭を撫でた。

……さっきギルダーツにしてもらったように。

自分は安心……出来たような気がしたから……。

「ほ……ほんと……?」

ルンは……必死に涙を拭いながら聞きかえす。

「勿論!任せて!」

ゼクトは胸を叩いた。

「ルンちゃん!私達が必ずつれて帰るから!ほ〜らっ!もう泣かないのっ 可愛い顔が台無しだよ?」

そう言って涙を拭ってあげた。

「う……うんっ……!」

必死に……涙を我慢しながら……返事を返した。

「よっし……!じゃあ人探し……だね?」

「うんっ!」

レビィは頷く。

これなら……自分にだって出来るし、強さとかあまり関係ない!

そう思いながら……ゼクトと一緒にギルドを出て行った。











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