小説『竜から妖精へ……』
作者:じーく()

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53話 グレイ vs ゼクト 凍える戦い



























フェアリーテイル前広場。

「よぉっーーし!やっと来たなっ!ゼクトっ!」

グレイは……上半身をカンゼンに脱ぎ去った!

「うんっ!」

ゼクトもワクワク!っとした表情だ。

彼もなんじゃかんじゃで……戦い……好きになっちゃった? 苦笑


そうこうしてるうちに……。




「おっ!今度はグレイとか?」

「はぁ〜ガキは元気だな!」

「ほんとほんと!」




ギルドのメンバー……観客が出てきた。


「わっ!」

突然の事に驚く。

「んあ!何で出てくんだよ!」

グレイは思わずそう言う。

「にししし!グレイ!テメーも痺れやがれってんだ!」

ナツはニヤッ!と笑う。

「うっせ!」

グレイはそう言うと……。

「オレはお前とは違うんだよっ!無様な姿になんかならねーっつーの!」

「んだとーー!!!」


……あれ?

「あはは……グレイ相手ナツの方がいいんじゃない?」

凄いにらみ合いだし? 苦笑

「あ!」「あ!」

ナツとグレイは、はっ!っとしていた。


「ほーれ!ナツ!」


“ひょいっ……”


「わっ!何するんだ!ギルダーツっ!」

ギルダーツがナツを摘み上げていた。

「男同士の戦いを邪魔すんなって。」

そう言って笑っていた。

「わーったよって!見てるだけ見てるだけ!」

ジタバタしてる……。



そして離れたところでは……。



「今度はグレイとかぁ……ん〜相手になんないって思うけどなぁ。」

「いや、わからんぞ?グレイをあまり侮らない方が良い。」

ミラとエルザだ。

意気投合してた2人?も出てきたのだ。

「でもよーあのゼクトだし?その強さわかってるじゃん?私らはさ。」

「わかっているさ。でもな、私はゼクトに敗れた。それをグレイは見ているのに挑んでいる。グレイも何度も何度も私にかかってきた。そして、私は返り討ちにしてきたが……。その際どんどん力をつけていた。特に魔法は思いの強さだ。グレイにも相応な思いがあるのだろう。ゼクトに挑むのはな。」

そう言って腕を組んでいた。

「ああいうのは、思いっつーより意地だろ?」

ミラは、やれやれ……って感じで机に肘をついていた。























そして、違う場所では……。

「…………。」

腕を組んで、ギルドの入り口にもたれかかっていた男がいる……。

「なんじゃい、お前は見に行かんのか?ラクサス。」

そう……ラクサスもギルドの二階にいたのだが…降りてきていたのだ。

そこへマカロフが通りかかった。

「ふん………。」

ラクサスは答えない。

「ふっ…。気が向いたら着なさいや。それにの〜」

マカロフは歩いていき……。

「ゼクトは逃げも隠れもしないぞ〜。それに素のお前さんを見てくれるさね。」

そう言って笑っていった。


「………けっ。」

ラクサスはそっぽ向いたが……。

ギルドの中へと帰ったりはせず。

ゼクトが視界に入る位置、ギリギリの所で見ていた。


















そして……。

何やら初めと同じようなお祭り騒ぎ?になったところで…。

「よ〜し!はじめーー!」

ギルダーツの宣言がとんだ!



「いくぜ!ゼクト!」

「ああっ!」


グレイとゼクト……。

2人が構えた!


“バシッ!!”


「アイスメイク……」


グレイは片方の手のひらに拳を乗せた……。

その次の瞬間にはグレイの周囲は氷の結晶が……。

「わっ……!」

ゼクトは、それを見て驚く。


「突撃槍!!」


その次の瞬間には!無数の槍が出てきた!


「っと!!」

驚いてばかりはいられない!

ゼクトは技が出てきたと同時に、後ろにとび回避した!


「グレイは氷……なんだね?」

ゼクトは回避しながらそう聞く。

「ああ!氷の造型魔道士だっ!」

そう返し……直ぐに攻撃に入る!


「隙は見せねえ!アイスメイク・大槌兵!」



“ヒョオオオ……”


「っ!」

頭上に大きな金槌が……!



“ズドオオオオッ!!”



その一撃は周囲に砂埃を舞い上げていた。













「おおぃ!ゼクトっ!てめー手ぇ抜いてんじゃないのか!!真面目にやれ〜〜!」

防戦に見えるゼクトを見て叫ぶ!

「黙ってみてろって。」



“ガシッ”



ギルダーツはナツを掴んだ。

「って!またっ!下ろせって!ギルダーツっ!」

ジタバタ…。

「しっかり見ろって。あいつは今楽しんでるんだ。」

「はっ?」

ギルダーツはニカッと笑いながらそう言う。

ナツはわからないようだ。


















「てめっ!笑ってねえで反撃して来い!」

グレイは、避けて笑ってるぜクトを見てむかついたようだ。

「あっ……ゴメンゴメン!そんなつもり無いから。鹹かったりとか、そんな事無い…」

ゼクトは侮辱とも取れる行為をしたことを直ぐに侘び…。

「あまり戦い好きじゃなかったはずなのに、グレイとの戦いを楽しんでる自分がいてなんだか 可笑しかったんだ。ほんと初めは嫌々いってたのにさ?」

そう言って再び笑っていた。

「そーか……ならっ!」

グレイは直ぐに次の魔法を!


「笑う暇もなくしてやらぁ!!アイスメイク・突撃槍!!」



さっきの槍を!今度は倍はあろう数を撃ちはなってきた!



「数は多くても同じのは通用しないぞ!よしっ……『フリーズ・ドライブ』……。」



ゼクトは両の手を合わせる!


そしてっ!!



“ズガガガガガガガガッ!!!!”



グレイの攻撃がゼクトに全て直撃した!!

「いよっし!!避けられなかっただろっ!!」

グレイはガッツポーズをしてそう叫ぶ!

直撃したんだ。

そう思っても無理は無いだろう。

















「ほぉ……。」

ギルダーツは2人をみて……。

いや、【ゼクト】を見て少し驚いた表情をしていた。

「な〜〜にやってんだっ!ゼクトっ!」

ナツは相変わらず…… 苦笑


「器用だな。ゼクトは……。いや?これがアイツが使う魔法……ってことか?」

ギルダーツは、そう呟く。

「アイツが使う魔法?」

そう聞くのはナツじゃない。

ナツはまだ、ゼクトの戦いに不満を持ってブーイング中だ。

……傍に来たのは、エルザだった

「ん?ああ……エルザか。ほれ、あれを見てみ?」

ギルダーツはゼクトの方を指差す。

「ゼクトを……?あれ?」


雰囲気が……いつもとは違う感じがした。

何かが……違う……。

私と戦った時の雰囲気でもない……。


「そういえば……ナツやミラの時だって……魔力の質が……。」

エルザは心当たりがあるようだった。

「ああ、アイツは戦う相手によって……自分のスタイルを変えられるようだ。属性をかえる……【エレメント・チェンジ】と言った感じだな。」

ギルダーツはそう言っていた。

「エレメント……チェンジ?」

エルザは……感じていた。

ゼクトから感じるのは……。

グレイが使う氷の属性に酷似している。

「じゃあ……ナツの時のゼクトは…」

「ああ、雷の属性を纏ってたんだろうさ。んで、ミラの時は闇の属性。エルザの時は風の属性……ってな具合にな?」

そう言って笑っていた。

「ミラの時が闇?」

エルザは……ピンとこないようだ。

ミラの時はゼクトは攻撃をかわしていただけだし、

動きは確かに素早いものだったが……。

それらしい魔法は使った気配を感じられなかった。

「ああ、アイツはミラの魔力を霧散させていたんだ。闇の属性で……そういった魔法もあるだろ。早く魔力を消費させて…… ってか、あんまり、長く戦いたくなかったんだろうな?マセガキだったが……。」

ギルダーツは笑っていた。

「なるほど……。」

エルザは理解したように頷く。

「私の時のあれは?風…なのか?ギルダーツ。」

「ああ、お前の換装した武器を弾いたあの力は風の力だ。直線状の攻撃は横からの攻撃に弱いからな。軌道を簡単に変えちまう。風を纏った拳を出していたし、間違いないだろ?」

「ああ……確かに。」

エルザは、理解したように頷いた。

拳は当てられる事はなかったが……。

正面から見たんだ。

ギルダーツもいってるし、間違いないだろう。

「ほれ!解答はアイツから直接きかにゃ、わかんねーから話はここまでだ。動きがあるぜ?」

ギルダーツはそう言って2人の方を指差した。

「あ…うん!」

エルザも同様に2人の方を見た。


















『よっし……グレイ?いくぞっ!』

魔力の質が違う……それは直ぐにわかった。

何より……。

「オレの……直撃したはずなのに…!」

その事に戸惑っていた。

いや……わかっていたはずなんだ。

アイツとエルザやミラ……ナツの戦いを見ていたんだから。

やつらの全力の全力……それを軽く止めてしまう。

アイツの力を……。

あの2人(ナツを除いて)を軽く止める相手だ。

【今は】勝てるわけなんかない。

認めてた。ギルダーツの事もあるし。

だけど……。

(……今オレが何処まで通用するのか……。それもあったんだよなっ!)

グレイはそう考えていた。

このギルド……には凄い魔道士が沢山いる。

師匠に聞いた言葉だ。

西の方には山ほどそう言う魔道士がいると言う事。

……本当に間違いじゃなかった。

「っよし!!来い!!」

この凄い魔道士……男に!

自分が何処まで通用するのか!

『にっ……!』

ゼクトも笑っていた。


「アイス……」

グレイは…地面に手を付いた!


『えっ……?』


ゼクトは、驚く事になる。

グレイの方を集中していたから……。

まさか……。


「ゲイザー!!!」






“ガキィィイィィ!!!”






足元から氷が出てくるとは思ってなかったようだ。




「ど……どーーだ!今のがオレの全力だ!」

グレイは氷に閉じ込められたゼクトにそう叫んだ!

膝を……つきながら……。

(あれで……倒せるなんて思ってない。だけど……やれるだけはやった!)

グレイは胸を張るように……そう思った。

その次の瞬間!



『驚いたっ!』




「なっ!」


いつの間にか……背後にいるのはゼクトだ。

間違いなく氷に飲み込まれたはずなのに……。

氷層から……抜け出した?


『これからは足元も注意っ!だね?学んだよ!』

ゼクトは……片手に力を込める!

「くっ……!」

グレイは驚いていたが……直ぐに持ちこたえようとしていた!

他のみんなの戦いを見ていなかったら……、立ち直すことなど出来なかっただろう。



『……冷気にだかれ……刹那へ消え逝く氷撃!インブ レイスエンド!』




“パキィィィィィィンッ!!!”




巨大な氷の塊……

「げっ!!氷!ってか……」

グレイは自分と同じ属性の魔法を見て、驚きもあったが……それよりも

「でけええええ!!!」

巨大さに……驚いたようだ!




『やあっ!!』



ゼクトは氷を振り下ろすように!手を振り下ろした


“ゴゴゴゴゴゴッ!!!”


「ぎゃあああっ!!!」

これは、トラウマだ…。

いかに同じ属性でも……。

物量が……違うからね……。




“ズズーーン……”





グレイが最後に見たのは……巨大な氷が迫ってきた瞬間に見た……ゼクトの顔だった。
「そこまで!勝者ゼクト!」


そして、ギルダーツの宣言があたりに木霊した……。







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