小説『竜から妖精へ……』
作者:じーく()

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55話 ゼクトの魔法・魔法は友達



























「……レイ……!」

声が……

「……レイ!グ……!」

あれ?

オレ……何してたんだっけ?

「グレイ!!」



「おわあぁ!!」

大きな声で覚醒した様に目が覚めた。

「大丈夫?グレイ?」

覗き込んでいたのはゼクトだった。

「あ……ゼ…クト?」

グレイはまだはっきりしない。

「うん!そうだよ。ゴメン……まさか、完全に気絶すると思わなくて……。」

ゼクトは……苦笑いをしながらそう言う。

「あ……いや!あれ喰らったら無理だろ!気絶するってそりゃ!」

グレイは思い出したようだ。

あの……巨大な氷塊を。

「がっはっは〜〜!な〜にいってやがる!」

そこに来たのはナツ!

「あたってねーよ!当たる前にゼクトのパンチでお前はのびたんだよ!」

大声で笑ってるし……。

「へ?」

グレイはわかってなかったようだ。

「あ……ははは……。あの魔法で、驚かせてる隙に距離をつめて攻撃したんだ。ナツの言ってる事正解なんだよ。」

そういった。

「んあ!」

マジ?あの衝撃って……拳だったの?

ッと言う表情だ。

「だって あれってさ?確かに質量は中々のものなんだけど……如何せん動きが遅いからさ?避けられる可能性の方が高いから。だから 接近したんだ。」

ゼクトはそう言う。

「くっそ〜〜!もっと見極めてりゃ……。」

グレイは凄く悔しそうだけど……。

「今日は完敗だッ!だけどいつか!お前を越して見せるからな!」

ビシッ!っと指をさしてそう言った。

「うんっ!オレも望むところだよ!」

ゼクトもそんなグレイに答えるようにそういった。

「へッ!いつもの仕返しだ!お前じゃ一生かかってもかてねーよ!」

ナツが……そう言う。




「んだと!てめー!てめーより明らか善戦してんだろうが!戦いの後ず〜〜っと痺れてたくせによっ!」

「なっ!んだ!グレイ!テメーこそ、パンチ一発でのびた癖に!」





今度は!ナツvsグレイが勃発!

今度って言うか殆ど毎日だけど…… 苦笑



…………はぁ。

「あははは!ほんっと仲がいいね?2人って!」

ゼクトはそんな2人を見てそう笑う。


「「だれがコイツなんかと!!!」」


互いのほっぺをつまみあいながら……。

「うんっ 息ぴったり!」

その行為は再びゼクトを笑顔にしていた。




「しかし 流石だな!ゼクト。」

エルザが傍にやってきた。

「あっ。エルザ!うん。ありがとう。」

笑顔でこたえた。


「///」


その笑顔は、エルザの顔をその鮮やかな髪の色と同じように染めていた

「な〜にやってんだ?エルザっ。」

そこにギルダーツがやってくる。

「あっ ギルダーツ。ひょっとして、見てた……?」

ゼクトがばつが悪そうにそう聞く。

「ん?アレだけ派手にやってりゃぁな。」

笑いながら……言っていた。

「もぉ……。ってか仕事にいったって思ってたのに。」

「んなもん、昨夜の内に終わっちまってるよ。今日はフリーだ。それによ、お前……オレがお前とグレイの試合の合図しただろ?もう忘れてたのか?」

あ……そういえば……。

「そ……そーだった。グレイに集中してて、見て無かったよ。」

あははは……と笑う。

「ゼクト!そんなに集中してたの?グレイなんかにぃ?」

ミラ……

「んだとっ!」

勿論怒るだろう。

「み……ミラっ、それに抑えて抑えて……グレイも。オレは、力比べする時は相手に敬意を示すよ。集中しないと失礼だろう?」

……ほんとに子供?

っと呆れるようにみんなが見ていた。

「がっはっはっは!!ほんっとお前ってヤツは!」



“グイッ!!”



肩車するように担ぎ上げた。

「わっ!ちょっ!ちょっと!降ろしてって!」

ジタバタ騒ぐ姿は子供そのものだった。

「あははは!」

そんな姿を見てレビィは笑う!

「ふ……ふふふふ。」

エルザも、

「はははは……!」

ミラも同様に。

皆思っていた。

私たちと変わらない歳の男の子なんだって……。


「ほーれっほーれっ!」

「恥かしいって!やーめーてー!」


微笑ましいものだった。

親子のようだから……。
















そしてしばらくして……。

「う〜ん……恥かしかった。」

げんなり……。

「ふっ。ふふふ、そうだな。」

エルザが傍にいた。

「ううん……もう。」

「仲が良くて微笑ましいぞ!」

エルザだって、ほんとに子供?って思える。

「そ……そうかな?」

そういわれるととても嬉しい。

家族……フェアリーテイルの人たちなんだから。

「ふふふ。ああ、そうだ。」

エルザは恥かしくも喜んでいるゼクトを見て微笑み……そしてあることを思い出す。

「ゼクトの魔法は一体なんというのだ?グレイの時は氷私は風……様々なものだが、」

腕を組んでそう聞く。

「え……?オレの魔法……。」

ゼクトはきょとんとし……

「ああ、ギルダーツは魔力の属性をすぐさま変えられるような魔法……といっていたが?」

……的をいてる。

さすがギルダーツだ。

「うう〜ん。凄いね。ギルダーツは、うん。そんな感じだよ。……ちょっと違うけどね。」

苦笑いしながらそう言う。

「ちょっと違う……?」

エルザは、ちょっと不思議に思う。

属性を変えられる……。

ギルダーツの言葉を聞いたらそれに違いないとは思う。

でも少し違う……とは?

「ああ……。うん。昔はね。……昔って言ってもそんなに前じゃないけど、オレの魔法は友達だったんだ。」

「魔法が友達?」

エルザはそれも良く分ってなかった。

そんな事を言う人には会った事がないから。

「ん〜〜っとね………。」

グッ……と力を入れる。

すると……。


“ボウンッ……。”


突然目の前に現れたのは……。


“マスター……お呼びしましたか?”


綺麗なおんなのひと……?

「だ……っだれだ!お前は!!」

当然エルザは警戒!


「「「うっひょ〜〜〜♪すんげー美人!!!」」」


大人な男達はめろめろ……? 苦笑


「ちょっと!みんなっ落ち着いて……えーっと このひとはオレの友達の、ウンディーネって言うんだ。」

説明。

“どうぞ……よろしくお願いします。”

お辞儀をして……


“シュゥゥゥゥ………”


消え去った。

「んで?今のねーちゃんは誰なんだ?お前のアレか?」

ギルダーツが……

「アレ……?アレって?」

わかってない……。

「こらっ!ギルダーツ!妙なこと言うなっ!!」


“ゲシッ!!”


ミラが脛キック!

「いてっ!っはは!じょーだんだって。」

笑いながら言ってるけど……。

「??ねぇ?アレって何?」

分ってない。

「も〜〜!ゼクトも忘れてっ!気にしないでっ!」

レビィもやってきた。

「??」

「考えるのも駄目だ!!」

エルザ……。

「何で皆怒ってるの……。」

最後までよくわからなかった……。


「今のは水を司る精霊……って言えばいいかな?自然と心を通わせる事ができたんだ。あの場所で……。いろんな精霊と友達だった。だから、寂しくは無かったんだ。」

そう言って笑う。

「ほ〜……なるほどな。グレイの時は氷の精霊、エルザの時は風、ミラの時は闇……。なら、オレん時のはなんだったんだ?」

ギルダーツも興味津々と言ったところか。

話に入る。

「えー……っとギルダーツの時は元素。根源の精霊だよ。主に物理方面そして無属性かな?」

思い出しながらそう言う。

でも……

あんまり 思い出したくないのは事実。

負けちゃったときのだし……。

「ははっ。そんな悔しそうな顔するなって。いつでも相手になってやるさ。」


“グイッ……。”


頭を撫でた。

「ッ……もう!」

相変わらず……

お見通しみたいだ。

「凄いな?あんな魔法ははじめて見た。」

エルザは 興奮気味だった。

「でも……」

あれ?

興奮……というより…。

「あんなに美人なひとしか いないのか?その……他の精霊達も。」

……なんだか怖い。

「あ〜〜!それっ!私も知りたい!他にどんなのがいるのっ?」

レビィ……。

「白状しろ!」

ミラ……。


「なっ……なんで皆怒ってるの?」


「「「怒ってない!!!」」」


う……嘘だ!

「ギルダーつ…?」

「良い男の特権だ。しっかりやんな。」

手を振って……。

そして、その3人の殺気?

のせいで、皆離れていく。

離れて遠目で笑ってるし……。

「うぅ……なんで怒ってるの……怒ってないって嘘だ……。」


「嘘じゃないもん!家族に嘘はつかない!でしょ!!」

レビィはそう言うけど……。

「ゼクトが白状してくれればすぐに終わる。早く教えろ!」

ミラも続いた。

「白状って……?」

「他の精霊たちだ!」

うう……。



その後……。

ひとりひとりを紹介した。

女性の精霊も何人かいて……。

その都度ちょっと怖かったけど……。

とりあえず……納得してくれた。

孤独から守ってくれてた!

って言うのを説明。

そうしたら、皆……優しくなったけれど。

……だけど、


“マスターと一緒にいられるだけで幸せですよ。私は……”


っと、光の精霊……レムがそう言うと……。

「「「ううぅ〜〜〜!!」」」

また……。

「えっ…?ええっ??」


“ふふふ……マスターもその仲間たちも可愛いですね。”

レムは3人を見て笑っていた。



「うっ………」

3人から尋問?嫉妬?を受けていた最中…

ゼクトがよろけていた。

「わっ!ゼクト?大丈夫??」

レビィが支えてくれた。

「う……うん。ちょっと……眩暈がしただけだよ。」

ゼクトは笑顔でそう答えた。

でも ちょっと辛そう……。


「わ……私たちのせいか?」

「エルザがきつく言うから!」

「ミラ!お前だって!」

喧嘩を……。


“違います。ひょっとして……マスター。私以外にも同士を?”


レムがそう聞く。


「え…?う……うん。何人かは……。」


“私たちを具現化するのには相当の魔力を使います。身に纏わせることよりも数段に。魔力欠乏になりかねません。”

レムが……そう言う。

「えっ!そうなの!!」

「そんな……そんな事とは知らずに……すまない。」

謝罪するけど……。

「いやっ!そんな……大丈夫だよ。オレも知らなかったんだし。それにそこまで酷くないよ。それより……。」

ゼクトは皆の方を見て……。

「何で皆怒ってたの?特に女性の精霊を見て……特にさ?」

分らなかった事だ。

「「「////」」」

皆赤くなっていた。

「??大丈夫?3人とも……。」

ゼクトはきょとん……と。


(アイツには大人な男女の付き合い方ってのを教える必要があるか?将来とんでもなく女泣かせになりそうだしな。)

ギルダーツは4人を見てそう思う。


男勝りなミラやエルザまで射止めたんだ。

それも無意識無自覚で。

天性の者……だな。

男には恨みを買いそうだ。

「まっ 良い男の権利だな。」

ニヤニヤと見守って?いた。


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