小説『竜から妖精へ……』
作者:じーく()

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5話 人の恋路を笑う者は… 








「マスター!」

1人の男の子が声を掛ける。

「…ん? どうしたの?」

メイビスが振り返る、

その男の子はギルドのメンバーだ。

幼いながら、一生懸命仕事をしているのは 微笑ましいものだ。

「マスター 空をぼーっと見てるけど・・・どうかしたのかなぁ〜っておもって・・・ それに・・・表情もなんか・・・何かあったの?」

ちょっと 心配気味のようだ。

「あ・・・あはは!大丈夫だよ。ランド!ちょっと考え事をしててね。」

笑いながら頭を撫でる。

心配そうな顔は とりあえず笑顔に戻る。

「おいおい〜 察してやれよランド!」

そこにやってくるのは・・・

「ええ?」

ランドはその方を向いた。

「あっ ディアス兄ちゃん! え?何のこと??」

首を傾げてそう話す。

「乙女がぼーっと空を眺めながらため息と言ったら1つしかないだろう?」

ニヤニヤしながらそう話す・・・

「なっ!!」

驚きの表情をするのは我らがマスター・・・

「え??1つって?」

わからないのはランド君・・・

「はははっ まだ早すぎたか?」

笑いながら頭を撫でる。

「ちょっと!ディアス!何を言うの??」

メイビスは慌ててそう言う。

メイビスがこんなに慌てるなんて・・・


「なんだなんだ〜〜」「どうしたの?マスター??」「んあ・・・?うるせーな・・・」


それぞれ集まってきて・・・


「きゃああ!なんでもない!なんでもないわよ!さあ!みんな!今日もばっちり依頼(クエスト)こなしてよ!!仕事仕事!!」

慌ててみんなを散らすようにしながら・・・

奥の部屋へ退避した!!

「はやっ・・・」

あっという間の退避・・・

まさに脱兎の如く・・・だな。

「で?何があったんだ?ディアス?」

1人の男がそう聞く。

「ん?ああ、スタイナー。いやな、ランドが心配そうにマスターを見てたからその原因をだな・・・」

ニヤニヤ笑いながら・・・

「はぁ・・・?んで 何を言ったんだ?マスターがあんな態度をとるなんて はじめて見るぞ?」

やれやれとそう言う。

周りのみんなも駆け寄ってきた・・・

「ぎゃ〜〜〜っはっはっは!かわいらしいってなんの! まっさか俺もあ〜〜んな顔のマスター見れるなんてかなり得したって感じだぜ?」

ディアスは大声で笑っていた・・・

すると・・・

更に更に・・・集まってきて・・・

「何々〜〜?」

2階でくつろいでたメンバーも・・・

「どうしたんだ?スタイナー?」

更に・・・仕事に行こうとしていた者も・・・

「何騒いでんだよ。これから仕事って気合入れたら急にどでかい笑い声が聞えてきて・・・ 出足挫かれちゃったじゃねーかよ・・・」

文句をいいにもどって来る始末・・・


「ああーー!皆いいか?ここにいるランド少年の手柄だ!」

そう言ってランドを抱えあげた!

「へう!!なに!な〜〜に?おろしてよぉ〜〜 僕!そんなことされて喜ぶ歳じゃないってば!」

足をジタバタさせて嫌がる。

「おっ!わりぃわりぃ!」

ひょいとイスに座らせる。

「とまあ このランド少年が悩めるマスターを見つけてだな・・・ 俺にまず相談に来てくれたんだ。」

がっはっは〜〜と話す。

皆はまだ、このテンションの高い理由がよくわからないから・・・

「さっさと本題を話せ。」

っていろいろ言われてる・・・ 苦笑

「っとまあ落ち着け。んで、そん時、マスターを見てたら・・・ピンときてよぉ・・・ んで、ランドに直接聞いたら?って言ったんだ。 そして・・・だなぁ・・・」

ぷくくく・・・っと思わず口を押さえる・・・


まだよくわからない・・・

肝心なとこいってないし・・・

「子供に教育もかねて、教えてやろ〜としたわけだ!」

がっはっは〜〜・・・

「「「だからなにをなんだよ!!!いい加減本題をはなせ!!!」」」

とうとう・・・みんな怒っちゃった・・・ 苦笑

「ったくよ〜〜 落ち着きね〜な・・・ まあいいや!まだ 語り足りネ〜〜が!聞いて驚け!マスターはな・・・」


更に笑顔になり言おうとすると・・・・・・・・・・・・・・・・・


ドゴン!!!

奥の部屋から強烈な光が・・・


「|妖精の尻尾(フェアリー・テイル)・・・審判の仕来りにより・・・貴方・・・ディアスに3つ数えるまでの猶予をあげるわ・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「・・・へ?」

ディアスは目を丸くしながら・・・ 奥の部屋に続く扉を見る・・・

そこには・・・

「わぁ・・・ 実におキレイなお顔のマスター・・・」

とーーってもきれいな えが・・・お?

「今すぐ・・・話題を変えなさい・・・」

ますますきれいな笑顔?

「全身が光ってますよぉ〜〜 イメチェンですかぁ??」

引きつかせながら笑うのはディアスくん・・・

「余裕なのね・・・  1つ・・・」

さら〜〜に笑顔・・・

「あ・・・あの・・・?マスター??」

恐る恐る話しかけるのはスタイナー。

「あの〜〜 そんなのここで放ったら大変な事になっちゃいますよ・・・?」

そう振ると・・・

「心配無用です。 ちゃんと標的は決めて放ちますので、他の皆さんには私の暖かい心の光だけが感じるようになると思いますよ?」

ああ・・そ〜〜ですか・・・

しかしまぁ・・・

ほんと〜〜に


|怖い(・・)笑顔・・・


「ますたぁ・・・怖いよ・・・?」

ランドもビクビク・・・

他のみんなも一斉にチリジリ・・・

「心配しなくて大丈夫ですよ。ランド!」

ふふふ・・・っと笑ってるよ・・・

その笑顔が怖いんだって!!

「さ〜〜て・・・ 話がそれちゃったから戻すけど、ディアス!」

両手を構えながらディアスの方をむく・・・

「はい??」

ディアスは・・・まだ顔を引きつかせてる・・・

「どうするの・・・? 2つ・・・よ。」


カッ!!


更に周囲が光る・・・

「ちょちょ!!マスター 何も悪い事してないじゃん!誰にでもある感情じゃん!!素晴らしい事じゃん!!! 何でそんなに怒って・・・」

「3つそこまで・・・」

メイビスは合掌する・・・



カッ!!!!ゴウ!!!!!!!!



「|妖精の法律(わたしのフェアリーロウ)・・・発d「ごめんなさーーーーーーーーーーい!!!!!」」


土下座!土下座!!土下座!!!


「オレが悪かったです〜〜〜〜!! 冗談でもそんな超魔法放たないでえ!!!!」


ドゴドゴドゴッ!!!


地面に何度も頭をこすり付ける・・・


「本当に・・・悪いって思ってますか・・・?」

まだ・・・光(魔法)を解除してない・・・

「はい!海よりも深く!!!」

更に土下座!

「じぃぃぃぃ・・・・・・・・・」

っとディアスの目を見る・・・

「は・・・はははははは・・・ ごめんなさ〜い・・・」

苦笑するしかなかった・・・

「まったく!」


プシュン・・・・・・


光は・・・消え去った・・・

「もう!やめてくださいよ!そして!早く仕事をなさい!」

プンプン怒りながらまた奥の部屋へ・・・

バタン・・・

「た・・・たすかったぁ・・・・・・」


ぺたっ・・・ っと座り込んだ・・・




「な〜にやってんだよ。まったく・・・」




そこへやってきたのは・・・

「あれ? ジャックのオヤジ。帰ってたのか?」

ギルドのメンバーがそれぞれ笑顔に戻る・・・

みんな威圧感で・・・ちょっとねぇ・・・

「ん?ああ、ついさっきな。楽しそうだったんで、見てたんだわ。」

笑いながら話す。

「あ・・ははは・・・ オヤジ・・・ ひっぱりあげてくれねー?腰抜けちゃった・・・」

座ったままで苦笑してるのはディアス。


「まったく・・・ それでもこのギルドの魔道士かよ。なっさけない・・・」


とか何とかいいながら引っ張りあげる。

やさしいね・・・オヤジさん・・・ 苦笑

「だってよぉ・・・ あんな超魔法食らったら死んじまうだろ?ビビの仕方ないじゃん・・・」

頭をかきながらそう言う。

「ほれ!ランド!!ただいま。」

オヤジさんはさっさと引っ張りあげたらランドの頭を撫でていた。

ランドも嬉しそうだ・・・

「こら!聞けよ!!」

ははは・・・


「まったく・・・|妖精の法律(フェアリーロウ)は術者が敵と認識しなければ効果はないって事くらい知ってるだろうが… マスターがお前らガキを敵と認識できるわけねーだろ?ちょっと考えりゃわかるぜ・・・」

ランドを肩車しながらそう言う。


「でもよ〜〜 あそこまで・・・本気で怒ってたら心の片隅くらいには・・・」

頭を再びぽりぽり・・・ 苦笑


「はぁ・・・・それと・・・お前は根本的に誤解をしてる。」


そう言うと・・・ディアスだけでなく 他にいた皆が「?」を浮かべていた。


「ありゃ、|妖精の法律(フェアリーロウ)なんかじゃねえ、唯のプラフだ。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「へ?」

きょとん・・・

「お前さん、マスターが言う時、のこと良く思い出してみな。|妖精の法律(わたしのフェアリーロウ)って言ってるだろ? なんだよ、私の法律って・・・」

苦笑い・・・

「あ・・・」

やっと思い出したみたいだ・・・

「でもま・・・ はったりにはもってこいだな。実際俺も少々こわかったくれーだし?でもま、コレに懲りたら、からかったりすんな。マスターだって、女なんだからよ。」

にかっ…

ッと笑う・・・

(このオヤジ・・・ マスターの恋のこと・・・しってんな・・・?)

ディアスはそう考えていた・・・



他の皆は・・・ディアスの間抜けっぷりを(自分たちもビビってた癖に・・・)肴に酒を飲んで楽しんでいた♪







-6-
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