小説『竜から妖精へ……』
作者:じーく()

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6話 2人の乾杯と情報













みんなが ディアスを見て笑っている時、

「もう!ディアスったら!」

ぷんぷん怒りながら部屋の中で文句を言ってるのはメイビス。

その顔は・・・怒った顔なのだが・・・どこか寂しげだった。

「・・・簡単に会えないのに・・・あんなに茶化さなくても良いのに・・・」

暗い・・・表情だ・・・

メイビスはあの時であった青年の事を・・・

ずっと考えていた。

考えまいとしたが・・・

やはり気を抜けば考えてしまう。

想ってしまう・・・

また・・・会いたい・・・

そう考えてしまう。

家族(ギルド)のみんなも愛する人たちだ。

それにウソ偽りはまったく無い。

だけど・・・彼に対する思いは・・・

また 違うものだった。

あの時、彼は確かにいった。

『またな・・・妖精(フェアリー)・・・』・・・と、

彼が何も言わず立ち去ろうとした時は・・・

本当に後悔でいっぱいだったが・・・

その言葉を聞いて、心底嬉しかったし・・・また 会えるんだと。喜びもした。

だけど・・・

日に日に・・・時間がたつに連れて・・・思い焦がれる。

これが 恋・・・する?と言う事なのだろうか・・・

家族(ギルド)を愛するとは、また違う感情・・・

「素晴らしい事だけど・・・ やっぱり切ない・・・かな? 中々会えないって言うの・・・ でも・・・不思議ね・・・ 初めて会った・・・しかも 殆ど一目で、こんなに想うなんて・・・」

ぎゅ・・・

胸に手を当てた・・・


「会ってくれば良いんじゃねーか?」

そんな時!

後ろから声が聞えた!

「ッツ!!」

振り向くと・・・

そこには・・・

「よっ!ただいま!」

ジャックが、帰ってきていた。

「驚かせないでよ・・・ びっくりしたじゃない・・・」

ムスッとした。

話を聞かれて困るわけではない。

実は・・・ジャックには、相談していたのだ。

歳は自分より上で・・・こういうことに関しては、最も信頼できる人だから・・・

「ははは・・・わりぃな、あんま切なそうにしてたからよ。」

イスに座り・・・ 棚に置いてあったボトルを取る。

そして・・・グラスを2つ・・・カウンターに置き・・・

「・・・飲むか?マスター」

そう言って、笑いかけた。

「ふふ・・・そうね・・・」

そう言って・・・ ジャックの隣に座った。

ささやかだが・・・乾杯する。


「ははは・・・ マスターとはたまに飲むが・・・ やっぱ、未成年者に見えるわ。酒なんか飲んじゃだめだ〜〜って 言いたくなっちまうよ!」

暫く飲み・・・ほろ酔い気分になったところで、冗談の1つでも飛ばす。

「ふん・・・ どうせ 私は童顔ですよ・・・だから彼にだって・・・ ブツブツ・・・」

メイビスは・・・そう呟きながら・・・顔を伏せた。

確かに・・・見た目がねぇ・・・ 苦笑

そして・・・さらに暫くして、

「ところでよ・・・ その青年ってのは、黒い髪に、青い瞳の男・・・だろ?」

ジャックがそう話すと・・・

突っ伏していたメイビスが?ガバッ!!?っと起き上がる!!

「彼に会ったんですか!!!!」

ものすんごい剣幕でジャックに掴みかかるように言った・・・ 苦笑

「おいおい・・・落ち着けよ。そいつに会ったわけじゃねえって」

一瞬ビビッたが・・・

とりあえずまあ、落ち着かせた。

(このぶんじゃ、下手にからかったらマジで魔法ぶつけられるかもな・・・)

抑えながらそう考えていた・・・

そして・・・命拾いしたな、ディアス・・・とも考えていた・・・ 苦笑

多分ディアスの馬鹿は今頃くしゃみでもしてんだろーな・・・


「なら・・・なぜ 知ってるのですか?彼の特徴や容姿は話してませんが?」

疑問を浮かべながら話す・

「お前が言ってた、四人組の連中に会ってな。」

そう答える。

実際メイビスも彼らにはあっていたが・・・

ゼルディウスの事でいっぱいだったのだろう・・・彼らの事をすっかり忘れていたようだ・・・(そこまで!!)

「ああ・・・ギルドの管轄区で暴れていた人たちにですか・・・」

思い出しながら答えた。

「おいおい・・・あいつら、この辺じゃ結構有名なチームのメンツだぜ?|獅子の魂(ライオン・ハート)のエース達じゃねーかよ・・・」

ほんと・・・コイツ・・・その想い人で頭いっぱいになってるみたいだな・・・?

ギルド管轄区を侵したことを メイビスに、謝りたい・・・とそいつ等いってたが・・・

断って正解だ。もんだいねーっていって正解・・・

一ミリもきにしちゃいねーわ・・・コイツ・・・ 苦笑

「ああ・・・やっぱり・・・ 見た顔だと思ってました・・・」

酒が進む・・・

会ったわけじゃないから・・・興ざめ・・・って感じだ。

「やれやれ・・・」

ジャックも酒を注いだ。

(盲目になってんな・・・ ギルドマスターの仕事できるのか…?)

心配なのはその一点・・・

もし・・・出来なくなって・・・

自分が、代理でもマスターになんかなっちまったら 一大事だ・・・

ギルドの連中もギルドも大切なものだが・・・

自由にやるには、マスターの称号なんて 一番いらないものだ・・・

なにより・・・

「めんどいし・・・」

「なにか言いました・・・?」

「いや・・・なんにも。」

そう言っていた。

「そいつらの話聞いてな、唯もんじゃねーって事は 理解してたよ。」

グイッといっぱい。

「・・・んな 使い手・・・間違いなくこの辺じゃいない。あの4人にまったく無傷で、子ども扱いするような奴はな。そんな強大な魔道士がいたら、噂になったり、 評議員の連中に通達されたりして、多少耳に入ったりするもんだろ?」

そう言う・・・

「そんなの・・・わかってますよぉ・・・そう言う魔道士の情報がないか・・・ 何度、あの人たちに聞いたと思ってるんですか・・・」

ああ・・・聞いてたんだ・・・

本気(マジ)で・・・?

あいつらの事・・・俺ほどは嫌ってないと思うが、クソ食らえだ!!くらいいいそうな感じだったんだがな・・・?

「んじゃあ、俺が聞いた情報が、最新の情報になんだな?」

そう言うと・・・

「え!?」

またガバッと・・・

(こいつ・・・ 酔っ払ってないな?いや・・・酔ってるけど 直ぐ復活するな・・・ まるで呪文だ・・・ 苦笑)

とまあ、また絡まれてもいやだから直ぐに答えるか。

「お前さんが、そいつにあって・・・3日後くらいか? 仕事先である話を聞いたんだよ。」

「どんなです?」

酔いは・・・完全に吹っ飛んでる・・・ 苦笑

一升は超えてると思うんだけど・・・

まっ、いっか・・・

「あのな、ありゃ・・・ たしか・・・ そうだ、アルディ山脈の鉱石を採掘してる連中が言ってたんだ。普段はいかねー山頂付近で、男が立ってたんだと。なんの準備もなく、あの霊峰の頂上に若い男が、いるってんでな、見に行ったらしいんだ。」

思い出しながら・・・はなしていた。

あの依頼はかなりの難易度を誇る依頼だ。

分類するとS級|依頼(クエスト)に分類される。

凶暴な怪物がいたり、時たま地震も起こる。

熟練者でもかなりきつい環境だ・・・

そんなところに・・・男がいる。

一度・・一人がみただけだったら、見間違い・・・という可能性があるが、

複数の人数が見ている。

到達し、帰還するのでさえ、安易ではないところで、キャンプ張ってるなんて・・・どんな奴だ?っと興味が湧かないわけが無い。

S級の魔道士は・・・特に採取や未知の研究系をする奴らは、探究心の固まりだからな・・・

チームを組んで、向かったらしい。

それが、4日前・・・

そして・・・見たのが3日前らしい。

「それが・・・彼だって言うんですか・・・?」

メイビスは・・・ 疑っているわけじゃなさそうだが・・・ 嬉しい情報だが・・・もし違っていたらまた落胆しそうだから
、慎重になってる・・・といったところのようだ。

「ん・・・?ああ そいつの容姿が・・・」

「さっき言ってた!?」

「・・・そうだ。」

メイビスの慎重な顔から一転!

キラキラした表情になった…

心底嬉しいんだろう・・・

でも・・・この先を言って良いのかどうか・・・

「・・・・・・・・・・・・・」

そのキラキラの顔を見ていると・・・ 躊躇してしまう・・・

「先が・・・あるんですね・・・」

メイビスの顔が・・・また変わっていた。

コイツは百面相か?

ころっころ変わるな・・・顔が・・・

「いってください。どんな事でも、私は受け止めます。言わないんであれば、私・・・自分の目で確認に来ますので。」

・・・・・・・・・・・・・・

「はぁ・・・ だろうな、お前なら・・・おっと、マスターならそう言うと思ったよ。」

ついつい昔のように、言ってしまう。

コイツとは、ギルド発足の前からの付き合いだからな・・・

「2人でいるときくらいは呼びやすい方で良いんですが・・・まあ 良いです。では・・・教えてくださいジャック。」

ジャックは・・・頭を掻きながら・・・はなす。


「そいつらが、見たのは・・・頂上付近に差し掛かったところでのことだ・・・」














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