小説『ハイスクールD×D×H×……』
作者:道長()

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まえがき

……あれ? メインよりアクセス数が多い?話数はコッチの方が少ないのに……。こちら優先の方が良いのでしょうか……?


第二話

駒王学院生徒会室前


ゼクス兄さんとの会合から1ヶ月程経った後、無事編入を終えて現在は駒王学院の二年生として通っているわけだが……

コンコンコンコン

「どうぞ。入って下さい」
「失礼します」

取り敢えず表を仕切っているシトリー家に挨拶はしておくべきだろうと、シトリー家の次期当主、ソーナ・シトリーに会いに来ていた。

「お久し振りですね。譲刃慶路様」
「ええ。お久し振りです。ソーナ・シトリー殿」

扉を開けた先に居たのは全体的にシャープな印象がある女性だ。ショートカットのきれいに切り揃えられた黒髪。眼鏡越しに見えるアメジストの瞳はよく澄んでいて、若干鋭い目付きがより知的な印象を与える。いかにも才女という言葉が似合う高校生とは思えぬ美女。生徒の間でも人気が高く、特に女子生徒からの人気は絶大らしい。
まぁ。切れすぎる刃物が敬遠されるように、その美貌が何となく怖いイメージを与えるかもしれないが……

「……美人になりましたね……」

思わず口から感嘆の言葉が零れるくらいの変わりようだ。
小学生の時に何度か会っていたことがあるが、ここまで綺麗な娘になるとは思わなかった。

「えっ……ちょ……コホン。褒めて下さるのは嬉しいですが、今は一応公的な立場ですのでそういう発言は控えてもらえますか?」

一瞬面食らったような顔したが、すぐに落ち着きを取り戻すと戒めるように返してきた。これは私が悪い。

「申し訳無い。気を悪くしたのなら謝罪する」

場違いな発言だったな。思わず口走ったが、これが大きな会議だったら大事に発展する可能性が無いとも言い切れないのだ。立場が高くなればなる程衝動的な発言は身を、時としては一国を滅ぼす。……まだまだ未熟だな……。

「いえ。大丈夫ですよ。それでは我が校に来た理由を確認させて下さい」

氷が溶けた様に微かに笑みを浮かべて言葉を促すソーナ。どうやら許してくれたらしい。これからは十分に注意しないとな……。二度目は許されまい。

「はい。最近、堕天使の活動が活発になってきたという事で、サーゼクス・ルシファー様から依頼を受け、リアス・グレモリー嬢のサポートととして此方に転入させていただきました」

手元にある資料に目を通しながらソーナが頷く。

「確認しました。此方にある資料の内容とも合致してます。それでは最後に認可証を見せて貰えますか?」
「分かりました」

鞄からファイルを取り出してソーナに手渡す。

「ルシファー、レヴィアタン、ミカエル……。大丈夫ですね。シトリー家次期当主、ソーナ・シトリー。譲刃家当主、譲刃慶路様の受けた依頼を確かに確認しました。これより出来うる限りの支援をさせて頂きます。」

最後に深々と頭を下げて締め括った。それに応じてこちらも頭を下げる。

「ありがとうございます。さて……堅苦しいのはここまでにしましょうか」

折角会えたのだ。世間話の一つ位は許されるだろう。

「本当に久し振りだね。ソーナ」
「そうですね。何年振りでしょうか?」
「僕が小学生の頃だから少なくとも五年は経ってるね」

本当に月日が経つのは早い。あの頃は黒板の上の方は背伸びして書いていたというのに、今ではホワイトボードの下の方を書くのに膝を落とさないといけないのだから。

「ケイ君もかっこよくなってますしね?」
「仕返しかな?」
「そんなところですわ。流石に突然、美人になったなんて言われたら驚きますもの」

貴方には全然効いていないみたいですけどね

ちょっと残念そうな顔をしてるな。
実を言うと転入してからラブレターが来たことがあるため、自分が並みより良い容姿であることは自覚している。前の学校では屋上に呼び出されて告白された事もあるし。

「まぁ。多少は慣れてるしな……」
「言われた事があるのですか?」
「告白された事もある。全部断ったけどね」

正直恋愛というのはよく分からない。

「屋上に呼び出されて僕の長所を並び立てられた時には、軽くプライバシー侵害の危機を感じたよ」

よくもまぁ他人の事をあそこまで褒められるなと。
実際、恋をするとその人の短所が見え難くなるらしい。生憎自分はそんな事態に陥ったことは無いので、恐らくはまだ恋をしたことはないのだろう。

「女たらしよりはマシですわね。ヒドイと言えばヒドイですけど」

軽く微笑んでいる辺り別に嫌悪は感じていないようだ。

「女を侍らす自分というのは想像出来ないね。時折枯れてるとも言われるし……」

少し苦笑い。
別に性欲が無いわけでは無いが、だからといって餓えてるわけでも無いし、何より今はインターネットがあるからな。

息子がお世話になっております。
履歴を見るのは遠慮して貰いたい今日この頃。

「枯れているですか。高校生らしく無いというのは事実ですがね」
「うーん。ソーナに言われるならジジ臭いのは確実か……」

出来ればそこは否定して欲しかった。それでも嘘を言われるよりは良いか。

「そこが魅力何だと思います。何でも包み込んでくれるみたいで」
「……そこまで包容力は高く無いと思うんだけどな……」

少なくとも罪に関しては厳しく当たっていると思う。秩序の番人である以上それは必要な事だ。

「ケイ君は一線を越えない限り絶対に怒らないでしょう?だからだと思います」
「そういうものかな?」
「そういうものですよ。……そろそろいい頃合いですね」

時計を見るとお昼休みが終わろうとしていた。

「堕天使に関しての情報はこちらでも探っておきます。それでは良い学園生活を」
「ありがとう。そちらこそ良い学園を」

踵を返して扉に向かおうとして、ふと

「そういえばセラ姉さんは元気?」
「……元気過ぎて困ってるくらいです……」

一瞬頭を抱える姿を幻視した程げんなりした表情が見えた。
どうやら相変わらずらしい。となればゼクス兄さんの言ってる通り、会ったら頭ナデナデ耐久コース確定か……。

「……お互い頑張ろう」
「ええ……」

シンパシーに後ろ髪を引かれつつも生徒会室をあとにした。

次はリアスか……。確かオカルト研究部だったけ?














あとがき

原作ヒロインをヒロインに入れるか悩んでいる今日この頃。でもなー……。慶路が原作ヒロインとイチャイチャする姿が想像出来ないんですよね。やっぱり原作ヒロインは一誠と絡む方がしっくりします。
でもな〜……。オリジナルヒロインが出るのはまだまだ先ですし……。

前話で察しがついていると思いますが慶路は小さい頃に冥界に行った事が何回かあり、一部の原作キャラとは顔見知りです。
一応人間側の代表みたいな家の跡取りてすからね。父親に連れられて四大魔王や有力な悪魔には顔見せはしないとということで。

次はリアス達との顔合わせ。戦闘はまだまだ先ですね。

……別に戦闘描写が書きたく無いわけではありませんよ?本当ですからね?ただ苦手なだけですよ……。誰か教えてエロい人……。


それではまた次のお話で。

-3-
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