小説『ハイスクールD×D×H×……』
作者:道長()

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まえがき

アクセス数が10000を突破しました! これも皆さんのおかげです。ありがとうございます! でも未だにコメントが無いのは展開の遅さ故か、文章の稚拙さ故か……。精進しなければいけませんね。それではまったく成長していない第四話をどうぞ(笑)((笑)じゃ済まんな……。進歩しないと本気で見捨てられてしまう……。)














第四話


「πのどこにおっぱいの要素があるんだろうな……」

……












こいつは何を言ってるんだ?

「ごめん。聞き取れ無かったよ。もう一回言ってくれるかな?」
「だからπのどこがおっぱいなんだろうなって」

春眠暁を覚えず。
春の陽気とはとても気持ちが良いものだ。思わず二度寝や昼寝がしたくなる程この身を優しく包み込んでくれる。故に頭が少し位ボケても仕方ないと思う。
だから哲学者が、己の一生を懸けて答えを探す様な命題を思考している顔で、一誠がセクシャルかつ非常にどうでも良い質問をするのはきっと春の陽気に誘われての事だと信じたい……。

「だってよ。どう見たっておっぱいには見えないぞ?微かに足みたいな所に丸みが有るけどよ。おっぱいのあの芸術的丸みを表現するには物足りない。かといって乳首らしきものもないし……」
「いや。僕も知らないよ……。というよりπの発祥に胸は関係無いんじゃない……?」

すまん。お前を信じた私が馬鹿だった……。
円周率を発見したのは古代ギリシャのアルキメデスだったけ?概念自体は古代エジプトやらバビロニアで在ったらしいが。とにかくあっちでは胸の事をおっぱいとは言わないと思うぞ……。

「何言ってんだ! だってパイだぞパ・イ! これがおっぱいと関係無いとは言えないだろ!」
「あ……ああ……」

気迫に押されて頷いてしまった……。その情熱は一体何処から……それは愚問か。お前のエネルギーは殆どが性欲から来ているんだったな……。付き合いは短いがそれ位は分かる。というより分かってしまう一誠の20ピース位のジグソーパズル並に単純な思考回路に一抹の不安さえ覚える。一万円ポッキリとかいう店に意気揚々と入って行って財布をむしり取られる将来が目に浮かぶようだ……。

「はっ!まさか……」

突然神託を受けたような顔に変わった一誠。

「一番上の棒が貧乳。左側のカーブが美乳。右側が巨乳を表しているのか!」
「どんな発想!?」

ある意味神託クラスだな! その突拍子の無い発言はそれこそ神託じゃなきゃ有り得ない!
神様もうちょいまともな仕事をしてくれ! いや。そういや神様居なかったな! ということは独力か! その発想をもっと真っ当な事に使ってくれ!

「スゲェ……スゲェよ!πを作った人! この一文字でおっぱい三大勢力(トリニティ)を完璧に表現してる!」
「謝れ! アルキメデスに謝ってくれ!」

頼む! 数学や科学のパイオニアたる彼の名誉をこれ以上傷つけるんじゃない! 古代ギリシャの学者の中でも数少ない偉大な数学者である彼が、よりによって胸の研究者と勘違いされるのは耐えられん!

「やっぱりおっぱいは偉大だ……。数学の教科書に載る位なんだからよ……」
「結局は其処に行き着くんだね……。なんかもう……」

変態という言葉しか思い浮かばない……。顔は悪くないのにモテないのは確実にコレのせいだろう。モテないのを気に病む位なら抑えれば良いだろうに……。

「そういえば何で僕に話しかけたの? 一誠って僕みたいなの毛嫌いしてたよね?」
「何言ってんだ! 一緒にエロ本を見た仲だろ? お前のおかげでスカートの裏地の素晴らしさ気付けたんだからな!」
「……さいですか」

実にイイ笑顔である。こう。志を共にした人間と意見を交わすような。
イケメンを毛嫌いしている一誠が私に話しかけてくれるのは、先日の昼休みに私が呟いた言葉が原因だ。


昼休み。何時も通りにエロ本やらエロDVDやらを広げていた三人組の所に私が通りがかって一言。

「スカートの裏地って素晴らしいよね」

そう。冗談のつもりだった。何時もおっぱいおっぱい、ロリロリとか言ってる連中だったもんだからどう考えても思い浮かばないようなことを言ってみただけだった……。別に俺個人がどうこうとかいう意味じゃない。だというのに……。

「「「先生!」」」

突然腕を捕まれて三人組の輪の中に入れられた。

「スカートの裏地の魅力について簡潔に述べてくれ!」

何で食いついた!?
普通は冗談の類だと思うよな!?

その後昼休みが終わるまで延々と「スカートの裏地の魅力」についての議論に巻き込まれた……。
因みに結論としては

「スカートの裏地にはパンツとは違うエロスが縫い付けられている」

に至った。何でも見えそうで見えないの一つの極致であるらしく、それでいてパンツが見えないというシチュエーションで最大の破壊力を叩き出すらしい。

……ダメだコイツら……。早く何とかしないと……。

というわけで毎日のように名誉顧問としてDVDの鑑賞会に誘われる様になった。お陰様で最近は三人組が面倒を起こす度に駆り出されるようになってしまっている……。特別何かあるわけじゃ無いんだがな……。まぁ。コイツらと絡んでいるせいか最近は女子から話し掛けられる事が減った。元々異性が苦手な自分にとっては唯一幸いとも言える出来事か。

「そうそう。言うの忘れてた」
「ん? どうしたんだい?」

最近の身の周りで起きた事象についての精算結果に頭を抱えていると、(蛇足だが収支は圧倒的赤字である。エロ三人組の生み出す負債のせいで地下帝国行きが視界にチラついている)一誠が小さい子が自分の自慢のオモチャを見せびらかすような得意げな顔で

「俺彼女が出来た」

……














今日の一誠はやっぱり春の陽気にやられてるらしい。

「待ってて……。今119番呼ぶから……」

普通の病院で済めば良いんだが……。

「人を病人扱いするんじゃねぇ!ほら! 証拠」

一誠が携帯を弄くって、電話帳から肉親を除けば唯一であろう女性名を見せびらかしてきた。

天野夕麻

「……実はホモだったりした?」
発音的には「勇馬」とか「佑真」とかいけるしな。字を見なければ割りと男性的な気がする。

「違うわ! れっきとした女の子だ!」
「ふーん……。取り敢えずおめでとう。かな?」
「おう! ありがとよ! これからあいつらにも伝えてくる!」

今にも「ヒャッハー!」とでも言いそうな勢いで元浜と松田の元に駆けていった。

青春だねー。

一誠の馬鹿だが真っ直ぐな衝動を微笑ましく見ながら、ふと

「天野夕麻ね……。何も起きなければ良いが……」

一誠の秘めているものを知っている人間として、祝福しながらも下種の勘繰りをしてしまう我が身に苦笑してしまった。まったく。素直じゃない……。














あとがき

やっと一巻のプロローグ部分に引っ掛かりました。
展開が遅い?未だに戦闘が無い?
……すいません。でもやっぱり本編始まる前にある程度主人公と主要キャラとを会わせておきたかったんです……。飽きずに付き合ってくれると嬉しいです。

それではまた次のお話で。

-5-
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