小説『虹の向こう』
作者:香那()

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ゆるやかに時は流れていく。

相変わらず仲のいい博久くんカップル。

いつ、結婚するのかなと思っていた。

その頃二人は、博久くんの腰痛と予防とかを兼ねて、歩行プールに通っていた。

そして、ゆうちゃんの部屋へ行き、愛情交換していた。

今、思えば、それは…。

私も戸籍上の問題とはいえ、本家の次男の嫁としての役目もあり、仕事以外に時間を取られることもあった。

それでも、夏はまたやってこようとしていた頃の事だった。

博久くんが腰痛がどうしてもよくならないので、医大へ行くことになった。

高知で医大と言えば、高知医大しかないが、あえて名前を出させてもらう。

博久くんは中学の時も似たような事があって、オペを受けていた。

いくらなんでも、医大なんだから、わからないだのなんだのというはずがない。

叔母の彼氏が医大にかかった末、難病のため、この世を去っていたことを私はすっかり忘れていた。

そして博久くんは医大に行くことになった。

私達は、昔のなごりか、仕事のしすぎか、愛情交換のしすぎだと思っていた。

実際、私も小学生の頃、鎖骨骨折を経験しているが、成長期に入った高校生の頃、痛くて整形外科に行った。

先生は、どうしても古傷みたいになってしまうと言っていた。一見きれいにくっついて治ってるように見えても細かく見ればどうしても傷がつくのだと言っていた。
治したければもう一度、きれいに折るしかないと言われ、結構ですとシップだけ貰ったこともある。

そのことも頭にあった。

古傷かもなと。

そして、検査の結果が出た。

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