小説『虹の向こう』
作者:香那()

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それからは、ゆうちゃんから話してくれる事もあった。

最初のオペは成功したように見えたけれど、本当は成功していなかったこと。

肝心のガンを取り切れていなかったのだ。

後で知った事だが、部位的に難しいということだった。

その事に医大が気がついたのは、もう、オペのしようがなかったこと。

抗がん剤を使っても、見込みはないこと。

いい話は一つもなかった。

でも、私は泣かなかった。

ゆうちゃんが泣いてないのに、私が泣いてどうするんだ。

私が強くいなくちゃ。ゆうちゃんをしっかりサポートしなくちゃ。

もちろん、電話ではそれだけではなく、楽しい普通の話もたくさんした。

昔話などをしながら、懐かしいねと語り合った。

若さゆえだよね〜なんて言いながら。

それからしばらくして。

驚きを隠せないことが起きた。

それは、またゆうちゃんからの一本の電話だった。

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