小説『虹の向こう』
作者:香那()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

帰国したゆうちゃんは、早速博久くんのところへ行った。

とても楽しかったから、絶対に一緒に行こうねって。

博久くんもとても行きたがっていたようだった。

ゆうちゃんは、その旅行の楽しかった事を話したりないようで、ご飯ごちそうするからって誘われた。

お酒の飲めないゆうちゃんは格好のドライバーで、お酒の好きな私に飲んでいいよと言ってくれた。

全国展開している居酒屋に行き、料理と飲み物を頼んでいる間に、デジカメで撮った写真を見ろと言わんばかりに差し出してきた。

そこには、ホームズに変したゆうちゃんがホームズの部屋で写っていたり、いろいろ写っていた。

ホームズ好きな私はいろいろ聞いて、自分も行きたくなった。

見ているうちに料理が来たので、乾杯していただく。

ゆうちゃんがトラファルガー広場でのんびりしていた時の事を話してくれた。

おじいさんが珍しいからか話しかけてきて、ゆうちゃんは頷いてばかりだったとか。

ヒアリングは出来たけれど、スピーキングに自信がないので黙っていたらしい(笑)

それを察したおじいさんに、つっこまれたとか。

一番楽しみにしていた舞台も、細かいところはさすがに分からなかったが、すごく楽しかったと言っていた。

もう一度見たいなあなんて言っていた。

でもトイレの近いゆうちゃんは、日本なら「すいません」と小声でささっと行けるけど、果たして異国の地でそれが出来るかを心配し、また、見逃したくないってのもあって、おしめをしていったとか。

見上げた根性である。

さすがに用意周到にしていっただけに、大丈夫だったと言っていた。

往々にしてそんなものかもしれないなあと思いながら、旅話を聞いていた。

-35-
Copyright ©香那 All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える