小説『虹の向こう』
作者:香那()

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人のことは言えないが、ゆうちゃんも変わった人だ。

初体験は、好きじゃない男としたいと言い放った。

私には「はあ?」で、普通は好きな人にじゃないかと思ったのだが。

彼女なりの真理があったらしい。

というわけで、そうそうに彼女はYの常連でくそ生意気な年下とやってしまった。

ま、もっとも彼はゆうちゃんがすきだったのだが。

まあ、ひとそれぞれかと思い、黙ってみたのだが。

知らないうちに二人は付き合うというか、なんというか友達以上恋人未満になっていた。

一年もは付き合ってなかったと思うが。

当の博久くんは、学生の時に、彼女を亡くしている。

毎年のように墓参りに行っていたと聞いた。

そりゃそうだろう。最愛の彼女だったのだから。

だから、私達もあえて、新しい彼女をとは勧めなかった。

いずれ博久くん自体に好きな彼女が出来るのではないかと思っていたからだ。

相変わらず、バーチャ熱は引かない私達だった。

バーチャが出来ない時は、私はヴァンパイヤハンターをプレイしていた。

これまたこっちも強い子のおかげで、私は常連の中でもイチ、ニを争うようになっていた。

年下の子だったから負けると悔しがって「奥さんに勝たんとやめれん」などど言っていた。

かと言って、負けてやる気もない私も大人気ないが。

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