小説『日常の中の非日常 2』
作者:つばさ()

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バタバタと廊下を走る誰かの足音。

この時間、廊下をこんなにあわただしく走る人はほとんどいないのに。


ガラッと音をたてて、僕達の教室の扉が開く。


そして顔を出したのは副校長先生。



「どうしたんです? 副校長先生!」


「野崎先生! 岡本君はこのクラスですね!?」


「え、ええ・・・・・・岡本君! ちょっと廊下に出てください」



僕が呼ばれた。なんだろう。嫌な予感がする。行きたくない。



でも。





行かなくては。





立ち上がり廊下に出る。僕の後ろで閉められた扉の向こうから、生徒達のどよめきが聞こえる。



「岡本君、早く病院へ。弟さんが・・・・・・」



稔弘が・・・・・・?



僕は走りだした。


先生が持っていた病院の場所が書いてあるメモを奪って、急いで外に出た。



いつの間にか雨が降り出している。

傘なんかささずに、僕は走った。

息を切らしながら、冷たい雨の中を。



なにも、聞こえなかった。

雨が僕にあたる感覚も無かった。



ただ、走っていたんだ。僕は。





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