小説『日常の中の非日常 2』
作者:つばさ()

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「・・・・・・落ち着いたか、博紀」



僕は自分の部屋にいた。

このままでは本当になにかしでかすからと、父さんにこの部屋に閉じ込められた。


父さんが扉の向こうから僕に問いかける。



「・・・・・・うん、相当頭は冷えたよ」



もう『殺してやる』なんて言わない。

自分がそんなことを言ったことが信じられないくらい、僕は落ち着いている。



「そうか・・・・・・博紀、母さんが死んだときのことを覚えているか」



当たり前だ。


母さんも事故だった。



ベッドで横たわる稔弘の姿を、僕は母さんと重ねていたのかもしれない。だからこそ、あんなことを言ってしまったんだ、きっと。



「あの時も、こんな雨の日だった。朝から、母さんの作るカレーのにおいが家中に充満していたな」




そうだった。




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