小説『日常の中の非日常 2』
作者:つばさ()

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学校が終わって、部活に入っていない僕は、まっすぐ駅に向かった。


ホームに入る。


この時間、ここは人が少ない。例によって今日も人は少なく、何人かの学生や、早上りの会社員がいるだけである。



そんな中、ベンチに一人の少女が座っているのを僕は見つけた。


他とは違うためにやけに目立ってしまっているその幼い少女が、どうしても気になって、僕は彼女に近づいて、さりげなく横に座った。




「・・・・・・君、こんな時間にこんな所でどうしたの?」

「え? わたし?」

「そう。君」

「・・・・・・根岸ってとこに、行かなきゃ。家、帰るの」



迷子、かな?



「迷子じゃないよ。家に帰るの」



・・・・・・心を読まれた。そんなに分かりやすい顔してたのかな?



それにしても、『家に帰るの』の一点張りとは。



「・・・・・・僕が、根岸駅まで付き添ってあげようか?」

「え?」



少なくても、せめて、電車の中だけでも。
この時間は確かに人は少ないけど、時々ヤンキーとかが乗ってきて危ない時もあったりする。だから、こんな少女が一人でいるのは意外と危険。



「・・・・・・お兄ちゃん、お話し相手になってくれるの?」

「うん。二人でお話ししよう。君の、名前は?」

「えっとね、知らない人に、名前教えちゃダメなの」




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