小説『ドラゴンボールN』
作者:プータ()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

 第十二話 戦い、その後に

 sideナスビ

 やっと終わったと、バラバラになったブロリーを見下ろす。ふっと気を抜けば全身を包んでいた力強さは抜け、かなりの激痛と倦怠感が体を襲ってくる。これはきつい。超サイヤ人状態による興奮が解けた為だろう。もう一度ブロリーの残骸を見たら気持ち悪かった。
 それでも体を無理に動かしてすぐさまセロリの気を探知、そしてそこに全速でもって向かう。俺もつらいけどセロリもヤバイ。
 横たわってるセロリを見つければ地面に埋もれていて足は両方あらぬ方向を向き、口からは吐いた血が流れ、全身はボロボロ、衣服も穴だらけのひどい状況だ。これを見ただけでもう一度超サイヤ人になってブロリーをぼこぼこにしてしまいそうだ。もうバラバラだけど。
 すぐさま俺はセロリを丁寧に抱えて宇宙船を目指して飛ぶ。急がないと命がヤバイ。
 
 「(それにしても10歳のブロリーであれか……。正直、俺が超サイヤ人になれたのはただ運が良かっただけだ。ブロリーが遊びを一切捨てて俺を殺しにかかったらとっくに死んでいた。その点で言えばアイツの性格に救われたな)」

 そんな事を考えていると宇宙船についた。
 すぐさま中に入り、メディカルマシンに一直線。機械を起動し、手順を終えてさあこれからだという事になったのだが。

 「あれ?服誰が脱がすの?……俺か!」

 そうなのだ、服は脱がさないとならないのだ。だがこんな事で躊躇もしてられない。これは不可抗力なのだから。俺は折れた鼻からこみ上げてくるものを抑えながら服を脱がす。だがセロリの傷だらけの体を見るとそんな事も言ってられないと冷静になる。
 セロリをメディカルマシンの中に入れ、口に酸素供給用のマスクをかぶせて終了だ。
 機械が作動し、切り傷なんかはすぐさま表面上は綺麗に治ったように見える。だが体力や体の中は半日から一日ぐらいかかるだろう。この機械、俺が改造して性能が良くなってるのだ。まあ欠点としては多少整備に時間がかかるという事か。ちなみにフリーザのところは整備性を良くしてあるのを使っている。
 ほっと張り詰めたものがなくなると急激な倦怠感やら貧血やら痛みやらが一気に体に襲い掛かってくる。このままだと意識を失いそうだと思い気合を入れるためセロリの全裸を拝む。
 もうすでに体も表面上綺麗になり、一見ただの美女が水の中で浮いてるだけだ。うん眼福じゃ!オラめちゃめちゃ元気になったぞ!おもに下半身がwとそんな事を考えていたのが悪かった。
 俺は急激に貧血に襲われて体が動かなくなりその場で倒れた。

 「(馬鹿か俺は、血が足りないのに下半身に血をためたら頭に足りなくなるだろ、もしかして俺童貞で死ぬ?死因が勃起死w……不覚!)」

 そうして俺は意識を失った。

 ・・・

 ・・

 ・

 「う、ごぽ?」

 めをあけ、視界に広がるのは何故か液体の中。ああ、メディカルマシンかと思う。恐らくセロリがぶち込んでくれたんだろう。
 目が覚めた俺を機械が感知しすぐさま治療液を排出、そしてマシンのふたが開く。俺は素っ裸で機械から出る

 「あー生きてるってすばらしい!」
 「すばらしいじゃないよ!」
 
 声のしたほうを向けば怒り顔で俺を見つめるセロリ。服も新しいのに着替えており体調もよさそうだ。

 「セロリ!体は?」
 「ばっちり、じゃ無くて!あんたねえ私をメディカルマシンに入れた根性はほめるけど自分が倒れてどうすんだい!おかげでブロリー倒してから二日もたっちゃったじゃないか」
 「はははは」

 いや予定では大丈夫なはずだったんです!とは倒れた理由が理由なのでいえない。墓の中まで持ってく秘密だな。
 
 「まったくもう心配させてさ!」
 
 そういいながら俺の服を持ってきてくれてるセロリ。なにこの可愛い生き物。
 着替えて二人でメディカルルームをでる。ちなみにいまさら素っ裸でも俺は恥ずかしくない。小さい頃は風呂も一緒だった仲だ。
 そしてブロリーのことを話しながらこの星の住人の元に向かう。

 「いやー何とか倒したよ」
 「あんたも十分化け物だね」

 多少あきれられている気もするが、セロリは笑っている。なんだかんだと俺を信頼してくれてるセロリ。

 「ああ、そうだ!ちょっと外に出る前に戦闘力測ろうか?」
 
 そう俺が提案する。
 できればスカウターで測りたかったけど、俺自作の戦闘力五億まで測れるスカウターはブロリーによってぶっ壊されたので使えない。セロリのもとっくに壊れていたしな。

 「私はもう測ったよ」
 「へーいくつだった?」
 「四捨五入して700万」
 「おーあがったなぁ」
 「そりゃあね」

 苦笑しながら言うセロリ。まああれだけ怖い思いして上がらなかったらサイヤ人としてはね。
 だがセロリの手はブロリーのことを思い出したのか多少震えている。サイヤ人ならあの恐怖はわかるんだよな、血が教えてくれるという感じ。まあブロリーと対面したベジータよりは俺達はましだったけどな。
 俺はセロリの震える手を握って戦闘力を測りに行く。ちょっとセロリの頬が染まってるのは見なかったことにしといてやろう。あれ?もしかして俺ってすごい勝ち組なんじゃね?ボーイッシュ美女+ツンデレ+サイヤ人なので若い期間長い……うほ!
 俺は宇宙船についている大型スカウターの前に立つ。そしてまずは普通に気を開放する。

 「200万、400万、600万、800万、1000万……1030万!おお!一千万台の戦闘力だ!すごいよナスビ」

 俺の戦闘力を読み上げながら驚くセロリ。

 「ふっ、これで驚くのは早い!」
 「ああ、界王拳だっけ?」
 「それもあるけど今回は違う」

 俺は気を高め、気分を高揚させる。そうすると全身から力がわきあがる。目の前のセロリは驚いた目でこっちを見ている。

 「そ、それってブロリーの!」
 「そうスーパーサイヤ人!」 
  
 俺は全身金色のオーラをまとい髪を金色に光らせている。一度なってしまえば簡単になれる、それが超サイヤ人。

 「すごいよ!!五億1500万!!うわ!私こんな戦闘力始めてみたよ!!」
 「そうだろうそうだろう!」

 ほめられて天狗になる俺。セロリもはしゃいでいる。というか超サイヤ人になると興奮するってマジだったんだな。ブロリーと戦ってたときはわからなかったけど今はなんとなく気が大きくなって心がざわつくのがわかる。ついでにセロリに襲いかか……イカンイカン。さっさと超サイヤ人をやめよう。
 そうして俺達は外に出てこの星の人のところにブロリーの討伐報告に向かった。食料とスカウターの部品ぐらいは調達しないと割に合わないしな。



 あとがき

 サイヤ人がお嫁さん、五十台でも二十台にしか見えない嫁。何処の二次嫁だといいたい。
 ナスビ君のリア充っぷりに絶望した!

-12-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える