小説『ドラゴンボールN』
作者:プータ()

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 第二話 名前を変えたい

 あれから三年ほどたった。脳みそに直接情報をぶち込まれたり、生後一ヶ月でどっかの惑星に吹っ飛ばされたりとヘビーな人生を送ってる三歳児です。まあ周りの皆もそんなもんなんだけどな。
 ここが鳥山ワールドだとわかってからはいかにしてフリーザ様から逃げるかを考えております。とにかく悟空あたりが倒してくれるのを待つしかないのですよ、今のところは、ええ。
 そして俺の今の戦闘力は一万二千ほど。一応死に掛ける事三回ぐらいもしたんだけどそんなものだった。というか他の奴らが修行しないで実戦に突入するのに対し俺は修行してるから上がるだけなんだけどな。勿論普段は七百ほどに抑えております。
 というかあまり高すぎるとべジータ王が殺しにくるんだよね。何で知ってるかっていうと、サイヤ人の三歳くらいのガキが一年位前に8000ほどの戦闘力をたたき出したんですよ。そいつがまあ天狗になって回りに威張り散らして、将来は俺が王だーなんていってましてね。するとあら不思議べジータ王がいきなり「私に逆らうのか」とかいってぶっ殺しちゃったんですよ。あの人はマジで王の座に執着してるんだなと思いました。
 
 「ナスビ!こっち手伝ってくれ!」
 「はーい」

 ナスビって誰だよ……俺だよ!何だよナスビってwwwもう泣くしかない。これでもサイヤ人ではいい名前らしい。もう野菜はやめて欲しいよ。呼ばれるたびに憂鬱になる。名前を変えたいよ。
 ちなみに俺は戦闘を最近はあまりしていない。人手不足のときだけだ。
 普段何をしてるかといえばメディカルマシンや他の機械の整備、改造をしている。俺はもともと前世では機械関係の仕事をしてたんだがこの世界に来て驚いた。文明が千年以上は進んでるんだから。もう魔法と区別がつかない領域だしね。
 今は機械関係を覚えるだけ覚えている。将来的には地球に行ったら会社でも作るのだ。そして現在は重力発生装置の開発中だ。これが完成すれば少なくともフリーザ編の悟空くらいにはなれるだろう。修行のほうも限界があるし。

 「おい!そこの下級戦士!これをかたずけておけ」
 「あ、はい」

 俺はとにかく現在すべきはいかにしてフリーザから逃げるかだ!だから目立たないように行動しなければならない。だがこれは中々ストレスがたまる。自分よりもかなり弱い奴に命令されているというのも精神衛生上悪いな。
 サイヤ人の戦闘本能のほうはたまに出てくるけどそこは理性で抑えてる。

 「おいナスビ、今日はお前も出撃だってよ!」
 「マジですか?わかりました」

 そう言って俺は出撃の準備に入る。野球ボールのような宇宙船にもぐりこむのもなれたものだ。

 「ナスビいっきまーす!」

 ああ、逃げたら改名しよう、うん。
 


 「ぐああ!」
 「ひいい!」

 目の前では阿鼻叫喚の地獄絵図が広がっている。逃げ惑う人たちを殺戮していくサイヤ人とそれに応戦する現星人。だが全く歯が立たないこの星の住人。そりゃそうだ。銃は生まれたときから効かないし、ミサイルだってほとんど意味を成さない。核兵器ならなんとかなるかもしれないが、ここは科学力がそこまで高くない星だ。
 俺も最初は人を殺すのをためらったが赤ん坊の頃に変な知識を色々と埋め込まれたせいか思ったほど人を殺すのに躊躇が無い。相手の足が十本あったりするからかもしれないが。
 
 「(俺って地獄行きなんだろうか)」
  
 色々と憂鬱だ。流石にあまりにも働かないと自分の命が危ない。ただでさえ下級戦士は使い捨てのような扱いなのだ。それが言う事をきかないと殺されるだろう。今現在のところは俺一人ではサイヤ人たちを圧倒できるほどの戦闘力が無いのだ。仕方が無いと自分に言い聞かせている。

 「おい!ナスビ手が止まってんぞ!」
 「ああごめんごめん」
 「エリートにどやされんぞ?」

 この言葉遣いからして男性にしか思えないのがセロリとか言う女戦士で、俺より三つ上で戦闘力が3千ほど、親もエリートで本人もエリートなのだが本人は全くそういうところを見せずに皆に平等だ。その性格は好ましいがやっぱり他と同じでしゃべりながらも虐殺をしている。
 結局三日ほどでこの星も無人の星とかした。

 「ナスビ!どうしたんだよ!ただでさえお前は目をつけられてるんだ!確りしろよ!」
 「ごめんセロリ。気を使ってくれてありがとう」
 「まあ弟分だしな、気にすんなよ!」

 まあもうやってしまったのはしょうがない。将来的にいろんな人たちを助けていこう。殺した人と同じ人数くらいを助けていけばいいだろう。
 
 「まあでも今ならべジータ王も機嫌がいいからな。多少変な事しても大丈夫かもな」
 「ん?なんで機嫌がいいの?」
 「知らないのかい?息子が生まれるんだってさ。王子だよ王子」

 どうやら原作が近づいてきたようです。

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