小説『ドラゴンボールN』
作者:プータ()

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 第三十四話 久しぶりの殺意

 sideナスビ

 エイジ753年。今日は第二十一回天下一武道大会受付締め切りの日だ。登録すれば後は大会が用意してくれた宿に宿泊する事ができる。

 「今日の大会は俺が勝つからな!」
 「いや!オラだ!ナスビんとこで修行したかんな!オラ強くなったぞ!」

 互いに挑発しあうクリリンと悟空。微笑ましいライバル達だ。クリリンが自分の事を俺と言い出したのが少し気になる。
 ちなみに身長が二人とも伸びているが悟空のほうがやや大きい。
 そうしている間に俺は受付に行き登録を済ます。もちろんタキシード仮面だ。ちなみに気で人を判別することはまだ悟空はできないのでばれる心配は無い。
 俺たちが談笑している最中に三人ほどのでかい気(常人と比べたらで、俺からしたら雑魚)がこちらに向かってきている。

 「よーう」

 そう話しかけてくるのは頭に鶴をかたどった飾りのついている帽子をかぶった老人と三つ目の男。そして肌が白くホッペが丸く赤くなっている子供。 
 
 「誰かと思えば亀仙人ではないか」
 
 老人が言う。恐らく格好からして鶴仙人だろう。
  
 「なんじゃ鶴仙人か!お主まだ生きておったのか」
 「ひっひっひっ。相変わらず口も顔も悪いの」

 そうして亀じいと鶴仙人の二人は罵りあう。ずいぶんなかの悪い事で。受付日でスピナーを連れてこなくて良かった。教育に悪い。

 「前回の武道大会ではお前の弟子達がずいぶんと活躍したそうじゃないか?だから今回はわしの弟子達がこれが本当の武道だというのを皆に見せてやりたくてのう」

 意地の悪そうにいう鶴仙人。哀れな。井の中の蛙という言葉を知らんのか。
 だがこの挑発にクリリン、ヤムチャはご立腹のようで鶴仙人たちをにらみつけている。
 そうして優勝宣言をして去っていく鶴仙人。まあ優勝は俺なんですけどね。

 「まあ申し込みも終わったし飯でも食いに行こうか?」
 
 そう亀じいが誘ってくれる。恐らく悪くなった空気に気を使おうとしたんだろう。

 「よっしゃくうぞお!」

 気合の入った悟空。だがそれを見て亀じいは急いで財布を確認していた。そして顔の色を青くする。悟空の食事量を考えてなかったんだろう。

 「まあ、俺も出すよ。なんか悪いし。亀じい除けば一番の年長だしね」
 「(悪いのう)」

 そうして行った飯屋では結局かなりの量を俺と悟空が食べたので到底亀じいの財布では足りなかった。

 「クリリン、じっちゃんの修行はきびしかったんか?」
 「うん、前の時と全くおんなじだ。おもりつけて畑仕事と牛乳配達。でも最後は100キロ以上の錘をつけてたりもしたんだぞ」

 百キロか、まあ悟空は最近だと重力も5倍まではいけたし普段は200キロは錘をつけてたしな。今も100キロの錘をつけてる。いまさら感がある。
 そうして夜は更けていく。亀じいがランチやブルマの部屋に突撃して行ったりもあったがしっかりとボコボコニされて帰ってきた。
 そして翌日。

 『ただいまより予選を行いますので選手の方は全員競武館にお入りください』

 俺はセロリたちを迎えに行くといって変装し予選に向かう。競武館とは武道会場内の予選を行う場所の事だ。
 悟空はジャッキーに変装した亀じいに話しかけている。まあ恐らく亀じいも弟子に負けるわけにはいかんと特訓したんだろう。多少気が大きくなっている。それでも悟空より低い。天津飯よりもひくいだろう。普段からスカウターなんて持ってないから細かくわからない。

 「あそこにいるタキシードを着た奴が前回の優勝者らしい」
 「ぷ、へんな格好」

 今俺に喧嘩を売った奴がいるな。じろりとそちらのほうを向けばそこにいるのは天津飯と真っ赤なホッペが可愛らしくも憎らしいチャオズだった。喧嘩を売ったのはチャオズだ。その喧嘩買っておこう。
 開会式の言葉によれば183名の出場者がいるらしい。その中から八人の本選出場者を選ぶとの事だ。
 そして予選のためのくじを引く。一人一人引いていくために多少の時間を要するのはなんともいえないめんどくささを感じる。いっそパンチングマシーンならぶっ壊して合格してやるのに。
 くじの結果としては俺は悟空達とは被らなかったがラッキーな事にチャオズちゃんと同じ予選ブロックになった。これも日ごろの行いがいいからだろうか。
 悟空たちは順調に一回戦を勝ち、互いに喜び合っている。なんか以前優勝したチャパ王とか言うのがいたけど何か言うまもなく悟空の圧倒的勝利で終わった。
 
 「ふっふっふ。あの程度の雑魚相手に喜んでいるなんておめでたい奴らだぜ」
 「何だと?」

 喜んでいる悟空達に絡んでいく天津飯。ヤムチャが睨み返しているが今は天津飯のほうが強い。分が悪いだろう。
 というか初期天津飯ってこんなに悪人っぽかったんだな。

 「どうせ貴様らは俺に勝てん。優勝するのは俺なのだからさっさと帰ったらどうだ?」
 「それは聞き捨てなら無いな」

 天津飯の言葉に俺は反応した。というかここらでクリリンたちと話すのもいいと思っての行動だ。

 「あなたは前回の……!」

 クリリンはこの前の大会で俺に負けたから過剰に反応している。俺はそれに目礼で返し天津飯へ向き直る。

 「戦わずに吼えるのはみっともないぞ?」
 「変な格好してるくせにうるさい」
 「やめろチャオズ。どうせこいつら皆俺達にコテンパンにされるんだ。行くぞ」

 天津飯ではなくチャオズがいいかえしてくる。というかこいつ変な格好とか……。ぶっちゃけお前らの格好の方がへんだし。なんだよ丸の中に鶴の書いてある導師服?キョンシーかっつうの。
 その後天津飯達は引き上げていった。
 
 「あなたも来てたんですね。今回は負けませんよ?」
 「私もだよ」

 クリリンはどうやら俺にリベンジしたいらしい。まあ前回圧倒的に負けたからだろう。今も圧倒的なんだけどな。
 そうして俺の名前が呼ばれ俺の予選が始まった。

 あとがき

 んー。ここら辺だれます。チャオズの早期退場フラグが大きくたっているというか確定していますね。
 最初のほうの天津飯はまるきり悪人ですし、チャオズなんか天津飯のこと「天さん」じゃ無くて「天」ですからねw
 
 

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