小説『ドラゴンボールN』
作者:プータ()

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第五話 ナス料理はあるけどセロリ料理は存在するのか?

 神精樹の実を食べてから二年が経過した。現在は六歳だ。そしてベジータ王子も三歳になった。つまりはもう一、二年でカカロットが生まれる。つまりは惑星ベジータ爆散の年である。俺はそのためにコツコツと宇宙船を作っており完成直前だ。勿論最初からではなく廃棄された奴をあわせたりして改造しているのだが。
 宇宙船を他の惑星に隠しておき、惑星ベジータがフリーザにやられる寸前にその星に退避するのである。
 サイヤ人の居場所などを管理する管理コンピューターにはもうすでにウイルスを仕込んであり、その時がきたら俺のデータは消える事になってるのでそこら辺もバッチリだ。
 
 「今日の修行はこのくらいで良いか」
 「ナスビ!」
 「セロリか」

 二年前の事は制圧に向かった異星人に傷をつけられたターレスが切れて、パワーボールを使い大猿になり星を破壊した。そして理性を保てない下級戦士のターレスは星を破壊しながらも俺達に襲い掛かってきた。俺達はそれには敵わないので逃げた。だがターレスを攻撃した奴は毒を持った奴だったらしくターレスが朝になり人間に戻ったとたんに毒で死んでしまった、という事になっている。じゃないと戦闘力6000もあったターレスがどうやって死んだかってことになってしまうのだ。勿論セロリとは口裏を合わせてある。

 「なあセロリ?」
 「何だナスビ?」
 「抱きつくのやめないか?俺汗臭いし」
 「いいんだ」
 「でも」
 「いいんだ」

 ターレスの件の後、俺はセロリのコネを使い戦闘力を測った。その結果がなんと280万ほどはあったのだ。まあ悟空があの修行をナメック星まで行く間にやって、その後死に掛け戦闘力300万ほどまであがっていたのだ。それから考えると俺もそのくらい行ってないとおかしい。多分、悟空より戦闘力が低いのは才能の違いなのではないだろうか?もしくは年齢か?……悲しいな。
 だがこの一軒からセロリが俺になんとなくアピールしてくる事が増えたのだ。抱きついてきたりもそうだが一緒に風呂に入ってみたり俺の部屋に遊びに来たり等。現在九歳になったセロリに興奮する事はないが、恐らく好意をもたれているのはわかる。
 まあ今現在ぶっちぎりでサイヤ人最強だからしかたがない気もするけどな。サイヤ人は戦闘力主義だ、下級であろうと戦闘力が高ければ優遇される。子供はそう言ったものに敏感なんだろう。それにエリートのセロリは頭がいい。色々と頭も回るだろう。そう思うと悲しくなってきた。
 そろそろセロリをどうするかだ。セロリの戦闘力は12000ほど。今のところサイヤ人の中でも10人ほどしかいない10000ごえだ。ぶっちゃけ王の側近レベルだ。ガキの中では(俺を除けば)最強で、ベジータも一目置いてるほどの戦闘力だ。このままフリーザの件がなければ順当に出世していける地位にいる。だがフリーザは100%来るだろう。
 セロリと確り話し合わなければならない。そのくらいには情が移ってしまった。

 「なあセロリ」
 「なんだ」
 「これから言う事を良く聞いて欲しい」

 これからフリーザが二年以内に攻めてくる事、そしてそれには絶対抗う事ができないことを教えた。セロリはフリーザの戦闘力を知っている分他の脳筋よりはわかるだろう。

 「いいたいことはわかった。だが何故それを皆に言わない?」
 「皆に言ったら今にでもさっさとフリーザを殺しに行く奴。さっさと逃げる奴で混乱するだろう。だがフリーザの戦力は膨大だ。そして異常ににサイヤ人に執着しているきらいがある。手下の人数も多い。結局宇宙の何処にいてもあいつは来る。だったら俺達だけこっそり逃げてあいつにはばれないほうがずっといい」
 「そうか……」

 考え込むセロリ。セロリはエリートの教育一環として勉強の教育もある程度は受けている。俺の言っている事はわかるだろう。
 そうして何とかセロリを説き伏せ一緒に逃亡生活を送るという話になった。ただし俺がセロリに修行をつけるということを条件にされた。まあ俺と一緒に逃げる以上、それは仕方がないことなんだけどな。原作から先はありえないほど戦闘力のインフレがある。
 宇宙船のほうには俺が作った500倍まで重力を増幅できる重力室もある。
 ああ、そういえば神精樹は神が食べるものという話を思い出し、フリーザが使っているデータバンクにハッキングして色々調べた。その結果、神精樹は食べたものの寿命を少し引き伸ばす力があるということがわかった。若さも少しばかり持続してくれるみたいだ。多分そのおかげでサイヤ人の若い期間が多少延びていると思われる。なので恐らく七十歳くらいまではセロリも俺も若い期間が続くだろう。だからもしGT編があっても何とかなると思われる。特にセロリは生き残った場合一番年を食ったサイヤ人になるしな。ああナッパがいたか。
 
 「そういえばセロリは何しに来たの?」
 「あ!そうだった、仕事だナスビ」
 「そうか、じゃあ一緒に行くか」
 「ああ」
 
 そうして俺はまたしても星の征服に繰り出されるのだった。
 
 
 





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