小説『ドラゴンボールN』
作者:プータ()

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第八話 ぎゃー!!ブ、ブロッコリー!

 俺達は宇宙船の修理のため近場の惑星に着陸した。地球も近いが念のためだ。
 今は悟空も10歳のはずだし、原作開始時に確か12歳だったはず?ここら辺の記憶があいまいだ。確か亀仙人に計算を教えてもらって年齢がわかったんだよな。
 着陸した星の生体反応を調べてみる。うん生命体は結構いるみたいだな。この星の四割は岩石地帯で覆われており、植物も少ない。
 ふと戦闘力を調べる装置、大型スカウターとでも言おうか、それを見てみると大体の戦闘力が1000〜2000ほどなのに対し二つほどでかい戦闘力がある。

 「(これは何だ?一つは戦闘力12000ほどで結構でかい!でも片方は200万!?桁違いもいいところじゃん)」

 そうなのだ、片方の気が以上にでかい。今の俺達なら別に怖がる必要はないがコイツはなんなんだろう?

 「へえ!200万だって!?やっぱいるところには強いのがいるねえ!」

 まあ強い奴らはチョコチョコいたよな。ドクターミュー製の人造人間たちは俺達も本気で戦ったしなあ。というかツフル人の技術で作られていたみたいだから死ぬかと思ったもんな。

 「いや戦うのはなしだからな?俺達はここで宇宙船を修理して、できるのであれば食料の確保だ」
 「ちぇ!だったら飯は絶対だからな!」
 「はいはい、わかりましたよ」

 俺達は星から星へ渡っているから色々な星の特産物とでも言うべきものを持っている。そう言ったものは他の星ではかなり高値で取引できる場合が多々ある。いわゆる貿易みたいな事をして、それを自分達の飯の種としているのである。まあ俺が全部やってるんだけどな。
 なんだかんだとセロリには助けられている。この広い宇宙の中で一人旅は精神的に色々ときついものがあるだろうが俺達は二人だ。セロリのおかげでかなり精神的に安心感もあるし。飯の世話位しても全然いい。
 
 「ん?あちゃぁ、これはどうすっかな」
 「どうしたナスビ」
 「この船に一直線に向かってくる奴がいる」
 「お!バトルか?」

 嬉々としてシャドウボクシングをしだすセロリ。船が壊れるからやめて欲しい。こいつは興奮すると気が漏れるんだ。

 「どうだろうな、とりあえず俺が外に出て話してみよう」
 「えー!ちぇっ!わかったよ」

 俺は外に宇宙船の外に出る。船内の重力装置から開放されると体にすごい開放感を感じる。最近は常に重力を百倍にしていたからな。
 宇宙船の周りにはやはり岩石地帯が広がっている。遠くのほうに建造物も見えることからある程度の知的レベルのある星らしい。
 気を探ってみるとやはり建造物のあるほうから人が飛んで来ている。
 気はそんなに大きくない、手持ちのスカウター(この八年で五億までは測れるようになってる……はず)では戦闘力2000ほどの奴だ。先ほどのでかい戦闘力の奴ではない。
 そして目の前に黒い外套のようなものを羽織った異星人が降り立った。容姿は人間タイプの男性だが決定的に違うのは眼の色と肌の色だろう。肌は赤銅色をしており、眼は真っ青だ。

 「また尻尾を生やしている奴か!お前達のせいで!」
 「はっ?ま、まてよ!」
 「うぉーー!」

 何故か良くわからないがいきなり襲い掛かってくるこの星の人。
 いきなりの連続攻撃を避けながら話しかける。

 「ちょっとまて!俺達以外にもここに尻尾を生やした奴がいるのか!?」
 「くっ!白々しい!お前もあの悪魔の仲間だろうに!」
 「悪魔なんてしらねえよ!俺は今日はじめてこの星に来たんだし、仲間なんて俺の船に乗ってる女ぐらいだぞ?」
 
 すべての攻撃をよけながら話している俺。だが俺の懸命の説得が効いたのかこの星の人は暴行をやめてくれた。

 「本当にしらないのか?」
 「ああ、よければ話してくれないか?尻尾を生やしてるってのが気になる。もしかしたら同じ種族かもしれないし」
 「……わかった」

 この人の話によれば数日前、隕石が落ちてからこの星の街がぽつぽつと破壊されていっているようだ。なんでも少年とおっさんの二人がいてその片方の少年が暴れているらしい。そして、その二人の両方ともに尻尾が生えているそうだ。

 「うーん(さっきの戦闘力200万の奴だろうな。隕石ってのはたぶん宇宙船かな)」
 「それってサイヤ人じゃないかい?」
 「セロリ……」
 
 俺の後ろに宇宙船から降りてきたセロリが立っていた。どうやら話を聞いていたらしい。

 「じゃあこういうのはどうだい?私達がそいつらを倒す。そしたらこの星のお前らは私達の宇宙船の部品と食料をくれる。いい案じゃないか!戦えて報酬と飯がてにはいるなんて!」
 「……倒せるのでしたらこちらからお願いしたいくらいです!私達の星の最強の戦士も先日無残に殺されてしまいました……私達は滅びを待つばかりなのです」

 セロリの言葉に反応するこの星の人。先ほど怒り狂っていたときより冷静のようだが、怒りのせいかぎゅっと握り締めている手からぽたりと血が滴った。

 「ちょ、ちょっとまてよ!」
 「なんでだいナスビ?戦闘力200万程度なら私だって……」
 「スカウターの癖が抜けてないぞセロリ、戦闘力なんてある程度の実力があれば隠す事だってできるんだ俺達だってそうだろう?」
 「う〜、でも最近戦ってないんだしさぁ〜。ねえおねがいナ・ス・ビ」
 「いやでも――」
 「じゃあこの前、私のお風呂のぞいたの許すからさ!」
 「ぶほぁ?!き、気がついてたの!?」
 「やっぱり覗いてたんだな?」
 「くっはめられた!」

 まさかセロリにやられる日が来るとは!でも覗いちゃったのはさぁ、ちょっと気になったって言うかなんていうかおかずが欲しいって言うか……うんごめんなさい。
 一応、他の星でもエロ本とかエロビもあるけど何が悲しくて軟体生物やら両生類の交尾を見ないといけないのか。人間型宇宙人のを見つけてやっとの思いで手に入れるとセロリの気功波で焼かれるし。
 でも宇宙船の中に法律はないから逮捕はないんだなこれが。あれ?俺って性犯罪者?  
 ちなみに俺達はこういった星に着陸して悪人を懲らしめたり無人惑星に置き去りにしてみたりと偽善者もどきのことをしている。
 俺達はサイヤ人時代、殺しすぎたからせめてもの罪滅ぼしだ。

 「んじゃ行こうか」
 「私では足手まといになります……どうかお気をつけて」

 この星の戦士は口惜しそうにこちらをみて送り出してくれる。

 「そっかじゃあ早速私達は戦ってくるよ!いくよナスケベ!」
 「ナスケベ!?」
 「ナスビ+スケベ。いい名前だね」
 「勘弁してくださいセロリさん!」
 「じゃあ早く行くよ」
 「……はい」

 うん。覗いた俺が悪かった。
 ちなみに宇宙船は俺達にしか動かせないようにしてあるので放置だ。
そうして俺はこの星の戦士に見送られならがら目的地へと向かった。

 

 スカウター頼りに飛ぶ事数分。壊された町がところどころにありその中の一つに高い戦闘力があったので降りる。
 ちなみにセロリも気は感じられるがスカウターを優先するほうが多い。俺はスカウターを参考程度に見て気の感覚を信じるほうが多い。
 
 「ここだな」

 俺達は一つの廃墟の前に降り立つ。死体等もそこらにあって、まともな神経ならここには居たくないだろう。
 
 「じゃあ挨拶と行こうか」
 「挨拶って?」
 「こうする!」

 両手を突き出したセロリの手から極大のエネルギー弾が放たれた。て、何してるのセロリ?!
 エネルギー弾がはじけ、目の前にあった建物は吹き飛び砂埃が舞う。数秒後、その場には瓦礫の海が広がっていた。
 
「何だ貴様らはぁ!」

 底冷えするような低い声。それが俺達の上空から聞こえた。
 筋骨隆々の上半身を惜しげもなく披露し、どこかの星のものであろうネックレスをする少年がいた。
 少年の片腕には抱えられた中年男性。男性はこちらを見て驚愕に眼を見開いているようだ。
 やな汗が吹き出てくる。こいつが俺の知っているアイツなのならばこいつには勝てないかもしれない。
 カカロットと同じ日に生まれたサイヤ人の寵児。
 おいおい天罰かこれ、いくらセロリの風呂を覗いたからってこれはひどい。

 「やっぱりサイヤ人だったね!なんて名前だ?」
 「な、何でサイヤ人がここに?」
 
 セロリの問いには全く答えずおっさんがしゃべる。うろたえた様は哀愁を誘う。

 「お前らは敵だよなぁ!」

 二ヤーと笑いながらこちらをねめつける様に見る少年。

 「……ブロリー」

 俺の呟きが広がる中、伝説の超サイヤ人がそこにはいた。
 

 あとがき
 無限に戦闘力が上がるとか色々な噂があり、劇場版では不遇キャラなブロリーさんの登場です。一作では親父に操られれ、二作目には地球に着いたら愛しのカカロットはあの世、三作目では培養されたクローンゾンビのあの執着心の強いブロリーさんです。でも無限に戦闘力があがるって言うのは違うらしいですけどね。監督さんはそんな設定無いって言ったらしいですし。
 今現在のブロリーは悟空と同い年なので10歳。かれの戦闘力はいかに!?
 
 
 

-8-
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