小説『短編集』
作者:クロー()

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春夏秋冬



「やはり季節と言えば春夏秋冬だねぇ」

「もちろんですわ。春は庭の桜が見ごたえあることですこと」

「まるまる、満開に咲いたそれはそれはたいそうな桜を庭に植え付けるさせるからの。だが春はちょいとクーラーを利かせるのがいいの」

「夏はガンガンに利かせないといけませんわ」

「秋の楓はどうかの?」

「秋の楓も素晴らしいですわ。桜同様立派な幹をしていて、真っ赤な楓の葉がひらひら舞い落ちる様も趣があって味わい深いですわ」

「それはよかった、楓もかなり念入りに品定めして選んでいるからの」

「秋も少しクーラーを利かせる方がいいですわ」

「冬はそのままでいいの」

「ええ、とっても寒いですから」



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