小説『短編集』
作者:クロー()

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おじいちゃんそっくり



そういえば、誰かさんはおじいちゃんとそっくりだ。
うん、どういうところがって??

宴会場ではしゃぎ回っているように周りから見えるのが実は逃げ回っているなんてところかな。
基本的に人懐っこいんだけど、しだいに逃げ出したくなる衝動に駆られてるところが
もうほんとそっくり。
しかも異性からも同性からも逃げてるんだよ、主な精神的な意味だけど、
限界が来るとおじいちゃんはすぐに逃げ出すよ、逃げ足と逃げる時のフットワークだけは誰よりも早いよ。
子供っぽいから売られた喧嘩は買うんだけど、最終的には逃げ出すんだよ。
なんで逃げ出すのかというと、気分の悪さ(大部分がムカつきイライラ)に耐えられなくなるからだよ。

その誰かさんというのが、そんな私の父方のおじいちゃんにそっくりに見える。

私が悪魔の申し子にならずにすんだのは、おじいちゃんみたいにならなかったからだよ。



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